瓶ビールの歴史について知ろう!

瓶ビールの歴史について知ろう!
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瓶ビールの栓を開けてグラスに注ぎ、ぐいっと飲む至福のひととき。そんなビールファンにとって定番の飲み方は、いったい、いつごろに生まれたものなのでしょうか。ここでは、「瓶ビール」の歴史について紹介します。

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瓶ビールが誕生したのはいつの時代?

瓶ビールが誕生したのはいつの時代?

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ビール瓶として用いられるガラス瓶の起源は?

瓶ビールの歴史を紐とく前に、まずはガラス瓶そのものの歴史を振り返ってみましょう。
ガラス瓶は、はるか古代、紀元前1500年ごろから使われていたようで、エジプトや西アジアの遺跡から多くのガラス破片が発見されています。ビールの誕生は、紀元前3000年頃と言われているので、ビールほどではないものの、ガラス瓶の歴史も非常に長いものがあります。
とは言え、古代のガラス瓶は非常に稀少なもので、ビールの容器として使われるものではありませんでした。

瓶ビールが普及したのは19世紀後半から

ビール瓶が一般的になるまで、ビールを貯蔵する容器としては、木製の樽や陶器の甕、皮袋などが主流で、そこから必要な量だけ杯や水差しなどにくみ取って飲まれていました。
ビールをガラス瓶に詰めるようになったのは、中身を密閉するための「コルク栓」が用いられるようになった17世紀頃のこと。さらに、19世紀から20世紀にかけて、技術革新によりガラス瓶の大量製造が可能になったことで、瓶ビールは急速に普及します。
イギリスで初めて店頭で「瓶ビール」が発売されたのは1880年との記録が残っていて、この頃から生活に身近なものとして広く定着していきました。

瓶ビールが近代ビールの発展に果たした役割とは

瓶ビールが近代ビールの発展に果たした役割とは

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瓶ビールの登場で長期保存や遠方への輸送が可能に

瓶ビールには、当初はビールを瓶内で熟成させる目的もあったようですが、次第にビールの長期保存や輸送のための品質保持が主要な目的となります。
瓶ビールの普及によって、それまでよりも長期にわたってビールの保存が可能になり、遠く離れた遠隔地へのビールの輸送が活発化。世界中でビールが気軽に飲まれるようになっていきます。

瓶ビールの普及に貢献した「王冠」の発明

瓶ビールが普及し始めた当初、瓶の口を封じる栓にはワインと同様にコルク栓が使われていました。このため、密閉性も十分ではない上に、瓶詰めにも時間がかかるという課題がありました。
こうした課題を解決し、瓶ビールの長期保存や大量生産を可能にしたのが、1892年にアメリカで開発された「王冠」でした。
その形状から「クラウン・コルク」とも呼ばれた王冠は、瓶ビールの密閉性を高めるとともに、機械による自動化も可能なため、急速に普及。この発明により、現在の瓶ビールが完成したのです。

瓶ビールの日本における歴史と現状について

瓶ビールの日本における歴史と現状について

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瓶ビールの日本における普及の歴史

日本でビールが飲まれるようになったのは明治以降のこと。当時から瓶ビールとしても販売されていましたが、ガラス瓶は高価な輸入品だったため、庶民の手が届かない贅沢品でした。
そこで、明治21年(1888年)に「品川硝子製造所」が設立され、ビール瓶の国産化に成功。その後、王冠の発明もあって瓶ビールは一気に値段が下がり、大正から昭和にかけて、一般家庭やカフェ、ビアホールなどでも飲まれるようになっていきました。

ビール瓶の規格が統一されたのは昭和以降

瓶ビールが普及し始めた明治・大正の時代は、ビール瓶の形状や容量は、メーカーや地域によってさまざまでした。それが統一されたのは、ビールに課税するため容量を正確にする必要性がでてきたため。
そこで1940年、当時のビールメーカー各社で販売されていた「大瓶」の容量を調査した結果、もっとも小さかった「3.51合」に統一されました。戦後になって「尺貫法」から「メートル法」に移行すると、大瓶が「633ミリリットル」、小瓶が「334ミリリットル」へと規格が改められました。
さらに、1957年に宝酒造が500ミリリットル入りの瓶ビールを発売し、各社がこれに追随したことから「中瓶」として定着。これらの規格は現在も続いています。

日本の瓶ビールのリサイクル

「瓶ビール」の大きなメリットが、使用後の瓶を回収・洗浄してリサイクルできること。現在の日本では、ビール瓶は年間に約3回転し、平均して8年間にわたって再利用されています。
瓶ビールは、地球環境にやさしいビールのたのしみ方と言えるのではないでしょうか。

日本から遠く離れた地域で造られたビールを飲むことができるのも、瓶ビールのおかげ。普段、なにげなく飲んでいる瓶ビールですが、その歴史を知っておくのも、有意義なことではないでしょうか。まあ、今では缶ビールというさらに軽くて光を通さない便利なものがありますが…。

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