ワインとは? 基礎から学ぶワインの種類と歴史
ワインの基礎知識を詳しく解説。ワインの定義、歴史、製造方法、赤ワインと白ワインの違い、ワインの種類と分類を紹介します。ワイン好きも初心者もたのしめる内容です。
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ワインとは古くからの歴史を持つブドウの醸造酒
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ワインは果実を原料とする「醸造酒」に分類される
ワインは、そもそもどんなお酒に分類されるのでしょうか? 現在、世界に流通しているお酒は、「醸造酒」と「蒸溜酒」、「混成酒」の3つに分けられます。ワインはこのうち、日本酒やビールなどとともに醸造酒に分類されます。
醸造酒のなかでも、日本酒やビールが「穀物」を原料とするのに対し、ワインは「果実(ブドウ)」を原料とします。米や麦などの穀物を原料とする場合は「仕込み水」が必要となるため、水質が味わいを左右しますが、ワインの場合、原料となるブドウに多くの水分が含まれているので仕込み水は必要ありません。そのため、ブドウ自体の品質やおいしさがワインの味わいに直結します。
ワインの起源は紀元前8000年頃まで遡る
ワインは現在、世界中で親しまれていますが、その歴史はとても古く、紀元前8000年頃には、現在のジョージアにあたるコーカサス山脈でワインが飲まれていたと言われています。
ワインはメソポタミア、エジプトからギリシャを経てヨーロッパに伝わり、大航海時代に世界中に広まったとされています。
日本には、室町時代の後期にスペインやポルトガルから持ち込まれたと言われていますが、ワインが庶民に広まるには長い時間を要しました。日本でワインの醸造が行われるようになったのは、政府が近代化に向け殖産興業を進めた明治時代のことです。
ワイン=ブドウではない? 意外なワインの定義
「ワインとはブドウを原料とした醸造酒」と書きましたが、これは厳密には正しくありません。
正確に言えば、ワインは、ブドウなどの果実類を原料とした醸造酒。モモやリンゴ、サクランボなど、ブドウ以外の果実を原料に、ワインと同様の製法で作られた醸造酒もワインに含まれます。実際には、これらは「フルーツワイン」などと呼ばれ、ブドウを原料とした場合のみ、単に「ワイン」と呼ばれることで区別されています。
ちなみに、お米を原料とした醸造酒である日本酒のことを、海外では「ライスワイン」と呼ぶこともあるのだとか。
赤ワインと白ワインの違いとは?
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赤ワインと白ワインではブドウの品種が異なる
ワインは大きく「赤ワイン」と「白ワイン」に分けられますが、違いはどのような点にあるのでしょうか。大きな違いのひとつに、原料となるブドウの品種があります。
赤ワインには皮が濃い紫色をした「黒ブドウ」を使用します。おもな品種としては「カベルネ・ソーヴィニヨン」や「ピノ・ノワール」「メルロー」などがあり、これら黒ブドウの果皮に含まれるアントシアンや、種子に含まれるタンニンといった成分によって、赤ワイン特有の色と渋味が生み出されます。
一方、白ワインは皮の色が薄い「白ブドウ」を使用。おもな品種としては「シャルドネ」や「ソーヴィニヨン・ブラン」などですが、例外として原料に黒ブドウを使用するものもあります。
赤ワインと白ワインでは製法も異なる
赤ワインと白ワインでは、原料となるブドウの品種だけでなく、製法も異なります。
赤ワインは、ブドウを果汁や果肉に皮や種子などが混ざった状態で発酵させ、ワインが醸され、赤く色づいた、発酵後に皮や種子を取り除きます。
一方、白ワインは、皮や種子、果肉をあらかじめ取り除き、果汁のみを発酵させて造られます。そのため、白ワインの原料に黒ブドウを使用する場合でも、皮や種子に含まれる色素が抽出されないためワインが赤くなることはありません。
ワインの種類と分類を知ろう
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ワインは製造方法で4種類に分類される
ワインの分類には、製造方法によるものあります。代表的なものが以下の4種類に分類するものです。
【スティルワイン】
炭酸ガスを含まない一般的なワインのことで、赤・白・ロゼがあります。
【スパークリングワイン】
炭酸ガスを含んだ発泡性ワインの総称で、製法によって国ごとに名前が異なります。代表的なスパークリングワインに「シャンパーニュ」があります。
【フォーティファイド・ワイン】
「酒精強化ワイン」とも呼ばれ、シェリーやポートワインなど、ワインにアルコールを加えて全体のアルコール度数を高めたものです。
【フレーバード・ワイン】
スティルワインに薬草や果汁、甘味料やスパイスなどを加えて風味づけしたもので、ヴェルモットやサングリアなどがよく知られています。
一万年近い歴史を持つワインには、さまざまな種類や製法があり、奥深い魅力があります。基本的な分類や歴史を知っておくだけでも、ワインをより深くたのしむことができそうですね。