長野県・北信濃/田園風景や雄大な山並みを眺め、ワインを飲み放題でたのしむ『北信濃ワインバレー列車』

長野県・北信濃/田園風景や雄大な山並みを眺め、ワインを飲み放題でたのしむ『北信濃ワインバレー列車』

善光寺近くの長野駅と温泉に浸かるスノーモンキーで知られる信州・湯田中温泉を結ぶ長野鉄道。週末には車内で長野県産ワインを味わいながら、車窓に流れる景色を堪能できる観光列車が走っていると聞き、実際に乗ってみることにしました。

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“日本一ゆっくり走る特急列車”でワインを!

現在使用されている車両は、以前は首都圏と箱根の間を走行していた小田急電鉄のロマンスカーのものです。画像提供/長野電鉄

『北信濃ワインバレー列車』は正確に記すと、展望席などで人気の特急車両『ゆけむり』を使用し、各駅停車と同じくらいの運転時間でゆっくりと走行する観光案内列車『特急ゆけむり~のんびり号~』の一部。土・日曜日で運行されています。

沿線の観光スポットや歴史、名産物に関するアナウンスを聴きながら、景色や沿線の特産品を味わえるほか、通常の運行速度では撮影が困難なスポットで速度を緩めたり、停止したりすることで写真も撮れると評判の観光案内列車。加えてワイン産地として知られる北信濃のワインが飲めるという、ワイン好きにはたまらない乗り物です。

サロンのような優雅な車内でワインと食事をいただきながら、スローな列車の旅を満喫。画像提供/長野電鉄

さて走行しているエリアですが、長野電鉄の始発駅・長野と終着駅・湯田中間の33.2㎞。片道の所要時間が約70分(もかかる)と聞けば、“日本一ゆっくり走る特急列車”のフレーズにも納得です。

上りが湯田中11:25発、長野12:32着。下りが長野13:06発、湯田中14:15着の1日2便。湯田中は渋・湯田中温泉郷に属し、名湯を享受できることで知られ、多くの温泉宿が軒を連ねています。そうこの発着時刻は、湯宿をチェックアウトして帰路に着くため、逆に湯宿を目指すためにぴったりの設定なのです。

同行者だけで、ボックスシートを独占可能

下りの長野発に実際に乗車。長野電鉄・長野駅は地下にあるのです。

実際に乗ってみることにしました。予約はWebでも電話でも可能ですが、Webだと予約カレンダーで空席確認から、予約・決済まで完了。電話の場合は空席確認後に代金を振り込んで初めて予約確定となるので、スケジュールの確保の観点からでも、Webの方がおすすめですね。

ちなみに料金は大人6000円、アルコールが飲めない小人は3000円。2名以下の場合は追加料金が大人1000円(小人は500円)かかりますが、これは4名ボックス席で相席にならないようにオペレーションしているため。ふたりだけの場合2000円の追加負担で、見知らぬ人と同席する気兼ねから解放されると考えれば、リーズナブルなのではないでしょうか。

グループごとにテーブル付きのボックスシートが、割り当てられます。※5名以上の場合は、Webでの予約はできません。画像提供/長野電鉄

どこまでが料金に含まれているか気になるところ。まずワインですが、乗車から下車までの約70分間、北信濃のワイナリーから厳選した長野県産ワインが飲み放題。ラストオーダーとかはなく、到着まで目いっぱい飲むことができるのも嬉しい限りですね。

そしておつまみにぴったりな『のんびりべんとう』が配られます。通常ではあまり認められなさそうな、飲料や食品の持ち込みも自由と太っ腹。ただし食中毒の恐れのある生ものや火気を使用するもの、周りの迷惑となるにおいの強いものは避けましょう。

カウンターに並ぶ6~8種のワインが飲み放題

ワインはすべて列車が走る沿線近くにあるワイナリーが醸したもの。

観光案内列車『特急ゆけむり~のんびり号~』は4両編成。『北信濃ワインバレー列車』は3号車にあたる1車両で、オリジナルの装飾が施されています。車両の中央部には、ワインカウンターが鎮座。発車のタイミングではなく、入線してきて乗り込んだ瞬間からワインのオーダーが可能です。

シートの頭部には、『WINE VALLEY』の金文字が…。

ワインカウンターはセルフではなく、笑顔が素敵なスタッフが対応してくれます。

北信濃にある4つのワイナリーの長野県原産地呼称ワインまたは、長野県産ブドウを原料にしたワインが、赤白合わせて6~8種カウンターに並ぶのですが、この日は7種。ちなみに4つのワイナリーを列挙すると、『楠ワイナリー』『たかやしろファーム』『サンクゼール』『カンティーナ リエゾー』です。

単純に考えると10分で1アイテム飲めば、完全制覇できる計算。決して不可能な量ではありませんから、座席に配られているワインリストを眺めながら、シミュレーションを立てます。が、その時間さえももったいないと気づき、とりあえず最初の一杯をいただくことにしました。

乾杯には、ハーブの様な青い香りが爽やかなソーヴィニヨン・ブランをオーダー。

特別にボトルを拝借して記念撮影。

落ち着いたところで、じっくりワインリストと向き合いました。

お弁当のおかずとのペアリングをたのしむ

スタイリッシュなパッケージの『のんびりべんとう』。

ワインで喉を潤したら、もうひとつのおたのしみであるお弁当をチェック。じつはこのお弁当、下りと上りで内容が異なるそう。私が乗車した下りは、長野の老舗ホテル『犀北館』のレストラン『Delica鐵扇(デリカテッセン)』のオリジナル。ちなみに上りは、湯田中の人気店『GOEN』が手がけているとか。いずれもワインと好相性の身体にやさしいお弁当と聞けば、両方乗りたくなってしまいますね。

さて紐を解いて包み紙をめくると現れたのが、愛らしいお品書き。この日は6品のおかずとフルーツという構成で、料理名だけでなく、細かく丁寧なコメントが添えられています。こちらとワインリストを見比べ、料理とのペアリングも考えてシミュレーションを練り直します。

まるでコース料理をいただくようなお品書きです。

もちろん中身も豪華絢爛。彩も美しく、女子グループの席は撮影大会で盛り上がっていました。こちらも負けじと千曲川をバックにパチリ。手にしていたシャルドネのフレッシュさにトマトの酸味が合うと考えて、ピンチョスからいただくことに。

盛り付けもキレイ。ボリュームもかなりあります。

ピンチョスは、トマトとモッツァレラチーズを生ハムで巻いたもの。

このあたりで赤ワインに切り替え、パテ・ド・カンパーニュと鶏肉のコンフィへ。

お腹が落ち着くと景色を眺める余裕が。のどかな田園風景に向かって乾杯!

雄大な北信五岳が連なる姿も望めます。

最後にワインと食事以外を振り返り。ゆったり流れる千曲川の姿はお見せしましたが、他にも車窓からの見どころも盛りだくさん。観光マップでチェックしながら、アナウンスの説明を聞けば見逃すことはありません。車内販売で沿線の特色豊かな郷土食を買えるのもたのしみです。

列車の姿を模した観光マップも配られます。

昭和2年に建てられ、今も現存する『信濃竹原駅舎』。画像提供/長野電鉄

車内販売で求めたのは、地元特産の『えりんぎにぎり寿司』(350円)と信州名物『おやき』(各150円)。

ゴールである湯田中駅もレトロなたたずまい。さすがは人気温泉地、駅裏には無料の足湯もあり、旅の疲れを癒すことができました。

初めて訪れても、懐かしさを感じることでしょう。

柔らかなお湯がじんわりと沁みて、極楽気分に。

さて列車とワインの旅はいかがでしたでしょうか? 最近こうした企画列車が人気ですが、日程が限られていたり、本数が少なかったりと乗車が叶わないことも少なくありません。この『北信濃ワインバレー列車』は比較的予約が取りやすく、価格もリーズナブルなのでおすすめですよ。

※金額などはすべて取材時のものです(税込)。

北信濃ワインバレー列車
TEL/026-248-6000(平日9:00~17:30/長野電鉄鉄道事業部運輸課)
TEL/ 026-226-2681(土・日・祝日9:00~20:00/長野電鉄 長野駅)
原則として土・日運行
<上り>湯田中11:25発、長野12:32着
<下り>長野13:06発、湯田中14:15着

北信濃ワインバレー列車の詳細はこちら
北信濃ワインバレー列車の予約カレンダーはこちら

ライタープロフィール

とがみ淳志

(一社)日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート/SAKE DIPLOMA。日本旅のペンクラブ理事。日本旅行記者クラブ会員。国内外を旅して回る自称「酒仙ライター」。

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