ビールなのにコーヒーの香り!? コーヒー風味のビールを紹介!
ビールとコーヒーは、どちらもオトナの飲みものとして私たちの生活に浸透しています。毎朝、コーヒーを飲む人も多いでしょうが、ビールにもコーヒーの香りがするものがあることを知っていますか? コーヒー風味のビールとはどのようなもので、どんな味わいなのかを探ってみましょう。
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コーヒーの香りがするビールって?
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「黒ビール」はコーヒーの香りがする!?
ビールは一般的に黄金色から琥珀色というイメージが強いですが、見た目に黒色で、ほんのりとコーヒーのような香りがするビールもあります。それが「黒ビール」です。
なかでもコーヒーの香りを色濃く感じられるのが「シュバルツ 」と「スタウト」。この両者の特徴を見ていきましょう。
コーヒーの風味を持つ黒ビール「シュバルツ」
「シュバルツ」はドイツ語で「黒」を意味し、ドイツ・バイエルン地方発祥のラガービールのこと。ラガービールはビールの発酵段階で、酵母がタンクの底に沈んでいく「下面発酵」という造り方を採用したものです。
シュバルツのアルコール度数は多くが4.0〜5.0%。「黒ビール」とは言っても真っ黒ではなく、ほんのりと茶色がかっていて、コーヒー風味がたのしめます。
コーヒーの風味を持つ黒ビール「スタウト」
「スタウト」はギネスビールの創業者であるアーサー・ギネス氏が考案した、アイルランド生まれのエールビールです。エールビールはビールの発酵段階で、酵母が麦汁の表面に浮き上がる「上面発酵」という造り方が採用されています。
「スタウト」のアルコール度数は多くが3.8〜5.0%で、色は真っ黒。深いコクがあり、飲んだ後からコーヒーのような香りが感じられます。
ビールに漂うコーヒーの香りは焙煎に秘密あり!
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黒ビール造りの工程とは?
黒ビールはなぜコーヒーの香りがするのでしょう? 一般的なビールと黒ビールで、もともとの原料に違いはありません。黒ビールをコーヒーのような色と香りにする秘密は工程にあります。
ビールの主原料は「麦芽」「ホップ」「水」「酵母」の4つ。このなかの「麦芽」の焙煎工程で、コーヒーの香りが生まれるのです。
ビールに漂うコーヒーの香りは「焙煎」で作られる
黒ビールにコーヒーの香りをもたらす工程は、麦芽へ施す処理「焙煎」です。麦芽は、まず80度前後の熱風で乾かして成長を止める「焙燥」を行い、その後、100度以上の高温で麦芽を焦がす「焙煎」を行います。
焙煎した「黒麦芽」がコーヒーの香りに
「焙煎」した麦芽は、温度や時間で色も香りも違い、段階によって名称があります。キツネ色をした「カラメル麦芽」、チョコレート風の色合いの「チョコレート麦芽」、真っ黒に焦げたような「黒麦芽」となります。
黒ビールに使われているのは、最後の「黒麦芽」。コーヒー豆も、黒麦芽のように真っ黒になるまで焙煎するので、香りが似ているのでしょう。
とは言っても、黒麦芽の使用量は全体のほんの数パーセント。それだけの比率でも、あの真っ黒なビールができるのですね。
コーヒーの香りのビール・おすすめ3選!
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世界中の黒ビールから気軽にたのしめる銘柄を紹介
黒ビールは世界中の多くのメーカーから発売されていますが、なかでも国内で気軽にたのしめる、おすすめ3銘柄を紹介します。
【ドラフトギネス】
「ドラフトギネス」は、世界的なビール会社、アイルランドのギネス社が1759年に開発し、今や世界150カ国以上で親しまれているビールです。
クリーミィな泡と焙煎の苦味と甘味の調和は特許技術によるもので、後口にコーヒーのような風味をたのしむことができます。
国内販売元:キリン株式会社
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【一番搾り<黒生>】
キリンビールが「一番搾り」製法をベースに開発した黒ビール。下面発酵酵母を使い、低温で発酵させています。原料にカラファ麦芽を使い、雑味がなく飲みやすいビールです。
製造元:キリンビール株式会社
公式サイトはこちら
【東京ブラック】
日本を代表するクラフトビール「よなよなエール」で知られるヤッホーブルーイングが開発した「東京ブラック」は、焙煎した麦芽の黒が濃い黒ビールです。
苦味は強くなく、なめらかな口当たりとモルトのほのかな甘味で、後口がおだやかなのが特徴。香りはコーヒーというより、ココアに近いです。
製造元:株式会社ヤッホーブルーイング よなよなの里
黒ビールは、まずは一口目で泡を、二口目で香味とコクを感じるのが王道。コーヒーの焙煎の香りに癒され、次にどっしりとした味わいをたのしめるはずです。苦味に慣れない人は、普通のビールと混ぜると飲みやすくなり、コーヒーの香りをほんのり感じることができるでしょう。