ハーブリキュール「キュンメル」とは?種類とおすすめカクテルをご紹介!
「キュンメル」はキャラウェイを主原料としたハーブリキュールで、大きく3つの種類があり、アルコール度数やエキス分が違います。この記事では、キュンメルの種類やおすすめのキュンメルカクテルをご紹介します。
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キュンメルは長い歴史を持つ無色透明のハーブリキュール
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キュンメルとは、もともとは「キャラウェイ(姫茴香:ひめういきょう)」を意味するドイツ語。キャラウェイは香辛料として用いられるセリ科の果実で、カレーのスパイスとして使われるほか、ドイツ料理の定番「ザワークラウト」に欠かせない香辛料としても有名です。
キュンメルは、このキャラウェイを主原料に、同じセリ科の香辛料であるアニスやクミンを加え、レモンピールで香りづけした無色透明のハーブリキュールです。
その歴史は古く、日本がまだ戦国時代にあった1575年に、オランダのホルス社が造ったのが始まりとされています。その後、帝政ロシア時代のビョートル大帝がオランダを訪問した際に、このお酒をたいそう気に入り、製法を持ち帰ってバルト海沿岸のリガにあったアラッシュ荘園で造らせたものが、現在に続くキュンメルの源流とされています。
キュンメルには大きく分けて3種類のタイプが
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キュンメルには、大きく分けて「ベルリン・キュンメル」「アラッシュ・キュンメル」「アイス・キュンメル」の3種類があります。それぞれの特徴を紹介しましょう。
ベルリン・キュンメルは、その名のとおり、ドイツのベルリンで造られたことから命名されたもので、アルコール度数は40度、エキス分が10~20パーセントのリキュールです。
アラッシュ・キュンメルは、かつてバルト海沿岸の地リガで造られたアラッシ荘園にちなんで命名されたもので、別名「キャンメル・ダラッシュ」とも呼ばれています。アルコール度数は45度、エキス分は30パーセントです。
アイス・キュンメルは、「クリスタル・キュンメル」とも呼ばれ、瓶に砂糖の結晶が付着しているのが特徴です。アルコール度数は50~60度と高めで、エキス分は40パーセント程度です。
ちなみに、キュンメルはお酒としてはもちろん、消化不良の特効薬としても珍重されてきたそうで、今でも消化薬として使う地域もあるようです。
キュンメルを使った代表的なカクテル
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キュンメルは、日本ではあまり馴染みのないリキュールですが、さまざまなカクテルに使われます。ここではその代表的なものを紹介します。
【シルバー・ブリッド】
ドライジンを40ミリリットル、キュンメルとレモンジュースを10ミリリットルずつ合わせてシェイクしたカクテル。「銀の弾丸」という名のとおり、キリッと引き締まった味が特徴。魔除けや厄除けのカクテルとしても有名です。
【ケル・ヴィー】
ブランデー45ミリリットルにキュンメルを15ミリリットル合わせたシンプルなカクテル。ちなみにケル・ヴィーとはフランス語で「酒を飲んで人生をたのしむ」という意味だそうです。
【グリーン・ドラゴン】
ドライジンを35ミリリットル、クレーム・ド・マント・グリーンを15ミリリットル、キュンメルとレモンジュースを5ミリリットルずつ合わせてシェイクしたカクテル。すっきりとさわやかな味わいで、食後酒にぴったりのカクテルです。
【タワリッシ】
ウォッカを30ミリリットル、キュンメルとライムジュースを15ミリリットルずつ合わせてシェイクしたカクテル。タワリッシとはロシア語で「仲間」を意味する言葉で、親しい友だちと一緒に飲むのにふさわしいカクテルです。
キュンメルは、ほんのりと甘い無色透明のリキュール。ジンやウォッカ、ブランデーなど、さまざまなお酒と合わせることができるので、ぜひ一度試してみてください。