『007』が愛したウォッカマティーニから考えるカクテルレシピ

『007』が愛したウォッカマティーニから考えるカクテルレシピ
出典 : Brent Hofacker/shutterstock.com

世界的に大ヒットした映画『007』シリーズ。そのなかで主人公のジェイムズ・ボンドが、ウォッカベースのマティーニをシェークで注文するシーンがあります。あなたはこの違和感にお気付きでしょうか? 今回はシェークするウォッカマティーニについてご紹介します。

  • 更新日:

ジェイムズ・ボンドの愛したマティーニ

ジェイムズ・ボンドの愛したマティーニ

Anton_Ivanov/shutterstock.com

一般的に、マティーニはジンとベルモットをステア(材料と氷をミキシンググラスに入れ、スプーンで手早くかき混ぜて作る方法)して作るカクテル。ボンドが注文した「ウォッカマティーニを、ステアせずにシェーク(シェーカーを使って材料を混ぜ合わせて作る方法)で」は、ベースとなるリキュールも調理技法も異なります。ボンドの愛したマティーニは、カクテルの王様・マティーニの王道レシピとは大きく離れていたため、映画を見ていたオーディエンスは衝撃を受けたと言います。このセリフが流行した結果、『007』ではこのセリフが定番になったようです。

王道の作り方は以下のとおりです。

<レシピ> ウォッカマティーニ (シェーク)

【材料】
ウォッカ…50ml
ドライベルモット…10ml
レモンピール…1枚

【作り方】
1.ウォッカとドライベルモットをシェーカーでシェーク。
2.シャンパングラスに注いだら、レモンピールを浮かべて完成。

ちなみに、『007』の影響からか、ボンドのマネをせずとも、「ウォッカマティーニ」と注文すれば、シェークして提供するバーも多いようです。

シェークとステアの違い

シェークとステアの違い

Prostock-studio/shutterstock.com

シェークもステアも、材料を混ぜるという意味では同じです。でも、出来上がりの味は大きく違います。なぜボンドがシェークを好んで注文したのか、技法をもとに出来上がりのカクテルの味を想像してみましょう。

◆シェーク…混ぜる、冷やす、加水する、まろやかな味を作る

◆ステア…材料が持つ繊細な風味を活かす

シェークしたマティーニは、ステアよりマイルドな味になります。また、ボンドが「舌がしびれるほど冷えているのがよい」と言っているように、シェークすることによって材料がきちんと冷えるのもよいのでしょう。

マティーニは成功者のカクテル

さて、最後に残る疑問は、ボンドのような男性が正しくないマティーニのレシピでオーダーする理由です。あくまで推測ですが、以下のように考えるのが自然ではないでしょうか。

『007』のジェイムズ・ボンドは、小説の原作者であるイアン・フレミングのキャラクターがかなり色濃く反映されています。たとえば、ネクタイの結び方ひとつとっても原作者の好みです。彼が思う最高のマティーニのレシピが、シェークしたウォッカマティーニだったのではないでしょうか。

じつは、マティーニはカクテルの王様にして成功者のステイタス。その人のこだわりが如実に出るため、ジンとベルモットの比率に関するレシピ論争も少なくありません。財界人や文豪たちが自分のマティーニのレシピを持っており、フレミングはシェークするウォッカマティーニを好んだと思われます。

あなたが考える理想のマティーニを

マティーニは自分の好みや考えが現れるカクテルです。とくにステアの場合は腕が試されるため、自宅で最高の1杯を作るたのしみがあります。ボンドが飲んだウォッカマティーニを参考に、理想のマティーニを追い求めてみてはいかがでしょうか。

参考:
『カクテル完全バイブル』 渡邉一也著
『カクテルホントのうんちく話』 石垣憲一著

ライタープロフィール

安藤悟

「おいしく、たのしく飲みたい」と思い、JAFAカクテルマイスターの資格を取得。趣味は全国のバー巡り。ビールはジョッキ半分で顔が赤くなります。

関連情報

What's New! 新着情報

大人の基礎知識

  • ビールの基礎知識
  • 日本酒の基礎知識
  • ワインの基礎知識
  • ウイスキーの基礎知識
  • 焼酎の基礎知識
  • カクテルの基礎知識