中国酒のおいしい飲み方【黒酒(ヘイチュウ)編】

中国酒のおいしい飲み方【黒酒(ヘイチュウ)編】
出典 : gu min/Shutterstock.com

「黒酒(ヘイチュウ)」とは、中国でも珍しい黒米を原料とするお酒のこと。醸造酒のため「黄酒」の一種でもありますが、その漆黒の色から「黒酒」と呼ばれています。ここでは、そんな知られざる黒酒について紹介します。

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黒酒ってどんなお酒?

黒酒ってどんなお酒?

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黒酒は、中国では1500年以上も前から造られてきた醸造酒で、黄酒の一種に数えられることもあります。古代米の一種とされる「黒米」を原料にしていることから、別名「黒米酒」と呼ばれています。

黒酒の原料となる黒米の起源は中国とされており、現在の西安から南方に位置する「洋県」が発祥の地といわれています。洋県は、豊かな自然と水源に恵まれた土地で、ここで収穫される黒米も一級品として評価されています。

中国では、黒米のことを「紫米」や「黒糯」「紫糯」「鶏血糯」など、さまざまな名称で呼び、お酒以外にも、お酢や乳酸飲料、お菓子、餅など、多彩な食品の原料として、食卓を彩っています。

黒酒の原料、黒米に秘められた驚きの力

黒酒の原料、黒米に秘められた驚きの力

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黒酒の原料となる黒米は、高い栄養価値と薬用価値があるとされ、お米として食べたり、食品の原料にしたりするだけでなく、「薬米」と呼ばれて、漢方薬の材料としても重用されてきました。

黒米には、豊富なタンパク質や炭水化物、ビタミン、リンやマグネシウムなどのミネラル、必須アミノ酸など、豊富な栄養素がバランスよく含まれており、食欲増進や疲労回復、滋養強壮など、さまざまな健康効果が期待できるのだとか。

そんな黒豆を原料とした黒酒は、「お酒も好きだけど、健康にも気を使いたい」という人に、ぜひ、おすすめしたいお酒です。

黒酒は日本にもあるってご存知でしたか?

黒酒は日本にもあるってご存知でしたか?

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黒酒の原料となる黒米は、中国だけでなく、台湾やネパール、タイ、ベトナムなどのアジア各地でも広く栽培されており、もちろん日本でも食べられてきた食材です。

日本では、古来より五穀の収穫を祝うお祭りである「新嘗祭(ニイナメサイ)」の際に、白米から造られた「白酒(シロキ)」と、赤米や黒米などから造られた「黒酒(クロキ)」が納められていました。しかし、黒米を用いた黒酒は次第に使われなくなり、白酒にクサギの灰を加えたものや、黒ゴマの粉を入れたもので代用されるようになったのだとか。

近年では、各地で黒米を使った伝統的な黒酒を復活せる酒蔵も出てきており、淡路島の古代米酒「縁起」や、赤磐市の黒米の酒「紫乃皇帝」などが販売されています。

ちなみに、「黒酒」という呼び名で知られる鹿児島の東酒造のお酒は、「灰持酒(アクモチザケ)」をベースにして造られた料理酒で、黒米を使った黒酒とは異なります。ネットで中国の「黒酒」を検索しても、こちらがヒットすることも多いので、混乱しないよう注意が必要ですね。

黒酒は、日本ではあまりなじみのないお酒ですが、その歴史の古さや健康への効果から、じわじわと注目を集め始めています。ぜひ、みなさんも試してみてはいかがですか。

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