【紹興酒】おすすめの飲み方は?ザラメ以外の味わい方もご紹介!
「紹興酒」のおいしい飲み方をご存知ですか?中華料理との相性がよく、日本でも親しまれている紹興酒は、実は、大きく4つの種類に分けられます。今回は、種類に合わせた「おすすめの飲み方」について解説します。
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紹興酒のふるさと、紹興市の歴史と風土
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紹興酒は浙江省紹興市で造られるお酒で、鮮やかな黄金色、濃厚で芳醇な香り、まろやかな口当たりなどが人気のお酒です。アルコール度数は15~20%で、飲用にしたり調味料として用いたりします。
うるち米などを原料とした醸造酒なので、厳密には「黄酒(ホワンチュウ)」の一種ですが、日本ではむしろ「紹興酒」の知名度が高く、中国酒を代表するお酒として認知されています。
紹興酒は日本だけでなく、世界的にも確固たるブランドを築いており、各国のお酒売場には「紹興酒」とうたったさまざまな商品が並んでいいます。ときには「台湾紹興酒」なるものを見かけたりしますが、本来は紹興酒とは呼べないものもあるので注意が必要です。
紹興酒には「浙江省紹興市の鑒湖(カンコ)の湧き水を使い、製造後3年以上の貯蔵熟成期間を経て製品化したもの」という厳密な定義があります。現在では、中国政府によって、紹興市以外の土地で造られたものは「紹興酒」を名乗ってはいけないことになっています。
浙江省は、山水と稲田が織りなす美しい風土をもつ地域で、古くから中国でも随一の稲作地域として知られています。そのため、お酒の醸造も古くから盛んで、この地で作られる紹興酒は、まさに中国を代表するお酒として知られるようになり、今では世界的な銘酒として多くの人に親しまれています。
紹興酒の4大ブランドを知ろう!
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紹興酒は日本でも人気のあるお酒なので、その名を知らないという人は少ないと思いますが、さまざまな種類があることまではあまり知られていないのではないでしょうか。紹興酒には、その製造方法により、元紅酒(ゲンコウシュ)、加飯酒(カハンシュ)、善醸酒(ゼンジョウシュ)、香雪酒(コウセツシュ)の4種類があります。
「元紅酒」は、もっともオーソドックスな製法で造られる紹興酒で、朱紅色に塗った甕に詰められていたことから、その名で呼ばれるようになりました。独特の芳香が顕著で、味はほろ苦いのが特徴で、アルコール度数は15~16%。1~3年貯蔵したのちに出荷されます。中国国内で飲まれている紹興酒の多くは、この元紅酒です。
「加飯酒」は、基本的な製法は元紅酒と同じですが、仕込み時にモチ米と麦麹を元紅酒の約10%増やして造ります。熟成期間も元紅酒よりも長く3年以上。日本に輸入されている紹興酒のほとんどはこの加飯酒です。
「善醸酒」は、仕込み水の代わりに、1年ものから3年ものの元紅酒を使って醸造した紹興酒です。直糖分とエキス分が多く、濃厚な味わいと豊かな香りが特徴です。
「香雪酒」は、甘いリキュールのような紹興酒。元紅酒の醪(もろみ)に麦麹を追加したうえに、粕取焼酒の「糟焼(ツァオシャオ)」を添加して造られます。時間がたつと、辛口の特殊な味の紹興酒になるのが特徴です。
そのほかに、よくラベルを目にする紹興酒に「花彫酒(ハナホリシュ)」があります。この呼称は、女児の誕生にあわせて黄酒を造り、成長して嫁入りする際に、彫刻した甕を嫁入り道具としてもたせる旧習からきたもので、子どもが育つほど長く寝かせた酒という意味。現在では、長期間寝かせた紹興酒の総称として使われています。厳密には、紹興酒を分類する用語ではありませんが、中国の風習がうかがえておもしろいですね。
紹興酒のおいしい飲み方とは?
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紹興酒は見た目の色が濃く、芳醇な香りがするため、薄めて飲むものと勘違いされがちですが、飲み方は「常温でストレート」が基本。ただし、それはあくまでも基本で、お好みによって燗をする、ロックにするなど、さまざまな飲み方がたのしめます。
また、先に紹介した4種類の紹興酒は、それぞれ風味が異なるため、適した飲み方も異なります。
「元紅酒」は、微温の燗がよいとされ、肴には鶏か鴨が最適といわれています。
「加飯酒」は、常温かぬる燗がおすすめで、冷菜を肴にすると味が引き立つといわれています。
「善醸酒」は常温かぬる燗で、甘味のある料理と一緒にたのしむのがおすすめです。
「香雪酒」は、燗をせずにロックで食前酒、または食後酒としてほんの少し飲むのがよいといわれています。
日本では、燗をした紹興酒に氷砂糖やザラメを入れて飲むのがスタンダードとされていますが、これは、まだ上質な紹興酒が日本に入ってこなかった時代に、酸味や雑味がきつく飲みづらかったのをやわらげるために始まったものだといわれています。
だから、本場の人から見れば、これは邪道。「そのまま飲んではおいしくない」という意味で、むしろ失礼にあたるのだとか。
中国では、ストレートや燗をしたものに、砂糖漬けの梅干を入れて飲むのも好まれているようです。
もちろん、お酒は「こう飲まないとだめ」というものではありませんので、現地のスタンダードを頭に入れつつも、自分にあった飲み方を自由に探してみましょう。
世界三大美酒のひとつに数えられることもある紹興酒。数千年の歴史と豊かな自然が育んできたその奥深い世界にみなさんもぜひ触れてみませんか。