ヴィンテージウイスキーって?古いウイスキー=おいしいの?

ヴィンテージウイスキーって?古いウイスキー=おいしいの?
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ウイスキーでよく使われるヴィンテージという言葉。ワインのヴィンテージとはブドウの収穫年を表しますが、ウイスキーの場合は蒸留された年を指します。年月のたったウイスキーというと、このほかに「オールドウイスキー」と呼ばれるものもあります。ときに高額で取引される年代もののウイスキー、どんな魅力があるのでしょう。

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間違いやすい! ウイスキーの年代表記

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「ヴィンテージ」と聞いて、どんなものを思い浮かべますか? ワインで「ヴィンテージ」とは、一般的にブドウの収穫年のこと。しかし、ウイスキーでは、蒸留された年号を表す場合と、古くて優れているという意味で用いられる場合があります。

ボトルにはもうひとつ数字があります。「21年」「12年」、海外では「20YearsOld」などと年数が表示されていますが、これは、そのウイスキーが樽のなかで熟成されていた、熟成年数を表す数字。ワインの場合は造られたぶどう収穫の年号が表示されていますが、ウイスキーは少し意味が異なるのです。

ちなみに、複数の原酒をブレンドしたブレンデッドウイスキーの場合、一番若い原酒の熟成年数を表示するのがルール。例えば20年熟成のウイスキー原酒と10年熟成のウイスキー原酒をブレンドしたウイスキーであれば、年数表示は若い方の10年ということになります。

ヴィンテージウイスキーってどんなもの?

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ヴィンテージウイスキーの場合、蒸留されてから樽で、たとえば単に50年長期熟成されただけでは、コレクションしたくなるようなものは生まれません。樽の個性や熟成庫の湿度、熟成庫を管理するスタッフの日々のチェックや見極めなどが重要になります。長期熟成は、酒質や樽、環境、人など、どの条件が欠けてもいいものはできないので、その分、希少性が高まるのです。

ヴィンテージウイスキーがこんなに人気がある理由は、希少価値以外にもあります。それは、その当時の製法や経年変化による味わいの違いが楽しめるという点です。

とくに1970年代からは、ヨーロッパやアメリカを中心に生産の効率化が進み、伝統的な製造方法が激減してしまいます。1960年以前の手間暇かけて造られたウイスキーが見直され需要が高まっているのは、こんな背景もあるのです。

年月が経ったウイスキーは本当においしいの?

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最近、コレクターのなかでは「オールドウイスキー」も、人気を集めています。オールドウイスキーとは、ヨーロッパのコレクターにとっては、スコッチの750ミリリットルサイズのもの、日本では酒税法改訂前の「特級」表示のあるボトルなどのことをいいます。

また、ウイスキーは、瓶詰めされ長期間を経ると、瓶内のアルコールと水の分子間融合が進み、まろやかな酒質になるといわれています。この変化は、ウイスキー1本1本で違うため、長い年月の間に価値が上がることがあります。ただし、「蒸留酒はアルコール度数が高いため瓶内での変化はない」という考え方もあるので、オールドウイスキーの価値が高くなるのは、あくまでも保存状態がよかった場合の話です。

ウイスキーにはワインや日本酒と同様に、それぞれに熟成のピークがあるので、そのピークを迎えているときのウイスキーが一番おいしくいただけるそう。古い=おいしいではないことは覚えておきたいですね。

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