意外に知られていない「日本ワイン」の基礎知識
ワインといえば、フランスやスペイン、イタリアといったヨーロッパの国々を思いうかべますが、日本にもおいしいワインを醸造するワイナリーがたくさんあります。そんな「日本ワイン」についてどんなイメージを持っていますか?
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「日本ワイン」ってどんなワイン? 「日本ワイン」の歴史
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「日本ワイン」と「国産ワイン」という言葉がありますが、その中身の違いを知っていますか? じつは「日本ワイン」と呼ばれるのは、日本国内で栽培されたブドウ100%を使用し、日本国内で醸造されたワインだけ。一方「国産ワイン」は、海外から輸入したブドウや濃縮果汁を使用して国内で造ったワインのことを指しているのです。
穏やかな気候の日本で栽培されたブドウで造られる「日本ワイン」は、味も穏やかだといわれています。お寿司や天ぷらといった和食にもよく合う繊細な味わいは、日本の風土が生み出したブドウを原材料とする「日本ワイン」ならではといえるでしょう。
じつはワイン生産に適している日本の産地
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南北に長く、地域よって異なる気候、地理条件を持つ日本。それだけに、それぞれの土地に合ったブドウ栽培の取り組みが行われ、国内産のワイン用ブドウの品質も年々向上しています。ワインは日本全国で造られていますが、なかでもワイン造りがさかんなのは、山梨、北海道、長野、山形といった地域。
国内製造ワインの概況(平成30年度調査分)によると、醸造所数、出荷量共に断トツの1位を誇るのが山梨県で、ワイン製造所数は85カ所、日本ワインの出荷量は4766キロリットルとなっています。2位の長野県のワイン製造所数は38カ所、日本ワインの出荷量はは3447キロリットル。3位の北海道のワイン製造所数は37カ所、日本ワインの出荷量は2537キロリットルとなっています。
出典:国税庁 令和2年2月 国内製造ワインの概況(平成30年度調査分)
「日本ワイン」を生み出す主要なブドウ品種
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「日本ワイン」の原材料となるブドウ品種には、どのようなものがあるのでしょうか? まずもっとも代表的な品種は、奈良時代に日本に伝わったとされる、日本の固有の白ワイン品種「甲州」。そして、川上善兵衛によって生み出された日本固有の赤ワイン品種「マスカット・ベーリーA」です。
また最近では、シャルドネ、メルローといったワイン専用ブドウの栽培もさかんに行われるように。年を追うごとに栽培方法も改良され、かなり品質の高いブドウが育つようになってきています。これも熱心な「日本ワイン」生産者の努力の賜物といえるでしょう。
国産ブドウ100%だからこその繊細な味わいが魅力の「日本ワイン」。日本各地で味わいが異なるワインが生産されていますので、旅行に行ったときは、ぜひその土地のワインを味わってみてください。