ワインに使われる日本固有のブドウ品種について知ってみよう
- 更新日:
日本固有のブドウ品種はおもに3種類
昨今、100%日本のブドウを使って醸造された「日本ワイン」が注目を集めています。かつては日本のブドウはワイン造りには向かないといわれていた時代もありましたが、日本人ならではの職人気質によりブドウの質も年々向上し、近年では国際コンクールで受賞するような高品質のワインも多く生まれています。
ワインに使われる日本のブドウにはいくつか種類がありますが、日本固有品種は、白ブドウは「甲州」、赤ワイン用の黒ブドウは「マスカット・ベーリーA」「ブラッククイーン」のおもに3種類。
まず「甲州」は山梨県固有の品種で、癖のない香りと酸味の少なさから、和食にも合うワインを生み出すブドウとして人気です。
一方「マスカット・ベーリーA」「ブラッククイーン」は、"日本ワインの父"と呼ばれる川上善兵衛氏が品種改良でつくったものです。「マスカット・ベーリーA」は日本の気候に合わせて作られた品種のため、耐寒・耐病性に優れているのが特徴。また「ブラッククイーン」は、濃黒紫色で、酸が豊かでボディのあるワインを産み出します。
日本で栽培されている赤ワイン用の外来ブドウ
紹介した日本固有種のブドウのほか、日本ではアメリカ・ラブルスカ系、フレンチハイブリッド系やヨーロッパ系など、幅広い種類のブドウが栽培されています。アメリカ・ラブルスカ系、フレンチハイブリッド系では「コンコード」や「セイベル」が栽培されており、いずれもワイン用に用いられることがほとんどです。
ヨーロッパ系の種類では、長野、山形、兵庫、新潟、山梨、岩手、北海道と幅広い地域で生産されてる「メルロー」が代表格。気候が違う土壌が生み出すブドウは、その土地ごとに特徴あるワインを生産しています。
このほかには、山梨、山形、兵庫、長野などで「カベルネ・ソーヴィニヨン」、北海道でつくられている「ツヴァイゲルトレーベ」、長野、北海道、青森などが生産地の「ピノ・ノワール」などがあります。
Vytautas Kielaitis/ Shutterstock.com
日本で栽培されている白ワイン用の外来ブドウ
日本で栽培されている白ワイン品種のブドウの代表も様々。「ナイアガラ」は長野が主産地で、そのほとんどがワイン用。最近ではワイン用のブドウとして認知されつつあります。
また長野、山形、兵庫、新潟、山梨など全国各地で栽培されている「シャルドネ」も、高い品質で日本が誇るブドウの1つ。若いうちは青りんごのような爽やかさがありますが、熟成するとナッツやバターのような芳醇な香りを持つように。
このほか、北海道や長野で栽培されているケルナー、長野、島根などでは獲れるソーヴィニヨン・ブランなども栽培されています。
地酒と地の料理が合うのと一緒の原理なのか、日本で栽培されたブドウで造った「日本ワイン」は、なぜか「お出汁」や「ごはん」によく合うようです。
Jon Nicholls Photography/ Shutterstock.com