高品質の白ワインを生み出すリースリングとは?
- 更新日:
シャルドネの対抗種! 高品質の白ワインを生み出すリースリング
ドイツの高級ワインを代表する品種で、シャルドネと肩をならべる白ワイン用のブドウ。冷涼な気候を好み、フランスのアルザスやオーストリア、オーストラリアでも栽培されます。白い花やハチミツを感じさせるみずみずしさ、透明感あふれるエレガントな酸味、ミネラル感のある味わいが特徴。若いワインはリンゴやアプリコットの果実味があり、熟成するとハチミツや石油を思わせる香りが現れるといわれます。
収穫時期や醸造法により、辛口から甘口まで幅広いワインが造られています。フランスのワインサイト「Vitisphere」が、世界で最も高価な50本のワインとして報じた内容によると、上位10位にリースリングを使ったワインが2銘柄ランクインしました(Vitisphere 2016年度より)。
原産地はドイツ。代表的な生産地はモーゼルとラインガウ
リースリング種の原産地はドイツ。ドイツの多くの高級ワインの多くはリースリングを主とし、川沿いの銘醸畑で作られています。川沿いの南向き斜面は冷涼な地域にあっても日照時間が長く、ミネラル豊富な土壌でブドウ造りに適しているのです。
リースリングは、産地の気候風土や土壌のミネラリティなど、「テロワールを映し出す鏡」ともいわれ、甘口から辛口まで繊細で素晴らしいワインを造り出します。代表的なモーゼル地区では、ドイツワインの伝統的スタイルを踏襲し、品のある甘味とやさしさをもつ繊細な味わいのワインを、ラインガウ地区では、エレガンスと緊密な力強さを合わせもった味わいのワインが多く造られています。
travelview / Shutterstock.com
ドイツワインは甘いほど高級品ってほんと?
ドイツの産地は北緯50度に達し、ブドウ栽培地としては北限の寒冷地にあたります。そのため、よく熟して糖度が高いほどブドウの品質が高いとされています。
ブドウの糖度が高いため、加糖することなく発酵熟成させたワインは、シャープな酸味と糖度が絶妙なバランスで、ドイツワインならではの味わいです。優れたドイツワインはただ甘ったるいだけでなく、透き通った清涼感を伴うのが特徴です。中でも最上級に格付けされる「トロッケンベーレンアウスレーゼ」は、貴腐化して最も糖度の高くなったブドウから作られたワインで、極甘口ながらキレのある後味が魅力。
最近は新しいスタイルも意欲的に取り入れられており、リースリングを使った辛口タイプも多数造られています。
sonsam / Shutterstock.com