ワインといえばポリフェノール?味わいを生み出すブドウの成分を解説!
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ワイン成分はどこから来る?
ワインはその銘柄やヴィンテージなどによって、それぞれ個性豊かな味わいを持っています。では、この味わいの違いはどのような成分から生まれているのでしょうか?
ワインの味わいの基本となるのは「甘味」、「苦みや渋み」、「酸味」の3つ。これらを生み出す成分がワインに含まれており、それぞれのバランスによってそのワインの味わいも微妙に変わります。
「甘味」を出すのは、フルクトースやグルコースといった糖質。また、ワインに含まれるアルコールもわずかな甘さを感じさせます。そして「苦味や渋み」を演出するのはポリフェノール類。また、「酸味」は、酒石酸やリンゴ酸などの有機酸類によって生まれます。こうした成分の違いを考えながら、ワインを味わってみるのもたのしいものです。
ポリフェノールを含む、ブドウ由来の成分
ブドウから造られるワインの成分には、ブドウ由来のものと、それ以外のものがあります。ブドウ由来のおもな成分は、ブドウ糖や果糖といった糖分、果皮や種に含まれるアントシアニンやタンニンといったポリフェノール類、果皮に多く含まれる香気成分など。また、酒石酸やリンゴ酸、クエン酸といった有機酸も、同じくブドウ由来の成分です。これらの成分の中でも健康面で注目されているのが、美容に関係の深い抗酸化作用や心臓病予防によいとされるポリフェノール類。特に渋みの強い赤ワインはこのポリフェノールを多く含んでいるということで、赤ワインを好んでたしなむ人も増えています。
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醸造過程で生じる成分もある
ワインにはブドウ由来の成分以外に、醸造過程と熟成過程で生じる成分も含まれています。まず醸造過程で生まれる成分の代表が、発酵中に糖分が分解されることでできるアルコールです。
また、発酵や熟成段階で有機酸が変化してできる成分もあります。例えばリンゴ酸はマロラクティック発酵(二次発酵)の際に乳酸に変化。これにより、酸味がまろやかに生まれ変わります。
このほか、発酵中に酵母によって生まれる香気成分や、熟成中に酸化することで生じる香味成分もあります。フルーティーな香りはブドウ由来だけではなく、この発酵途中で生まれるものも少なくありません。さらに、熟成途中ではワインの中の香気成分が酸化して新たな香味成分を生むことも。ここで生じる香味成分は葉巻やキノコ、土のような香りとも表現されます。
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酸化防止剤ってどんなもの?
ワインの酸化防止や殺菌に役立つことから、ワインに使われるのが酸化防止剤(亜硫酸塩)です。酸化防止剤というと「体に良くないのでは」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、それはあくまで大量摂取した場合の話。日本の基準ではワインに添加できる亜硫酸塩の量は、ワイン1㎏未満あたり最大0.35g、0.035%以下と決められていますが、実際はもっともっと少なく健康には影響がないといわれています。
最近では亜硫酸塩無添加を謳っているワインも売られていますので、どうしても気になるという人は、このような無添加ワインを選ぶのもよいでしょう。ただし無添加のワインは亜硫酸塩が添加されていない分、酸化しやすいため、特に開栓したら早めに飲むのがおすすめです。
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