琥珀色に輝くウイスキー!蒸留酒としてのルーツを知ろう
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ウイスキーとはどんなお酒? ウイスキーを知る
カットグラスに大きな氷と琥珀色のお酒。ウイスキーというと、バーのカウンターに置かれたグラスが目に浮かぶでしょうか? それとも、ロンググラスに入ったハイボールでしょうか? 最近のハイボール人気によって、ウイスキーは身近なお酒として若い世代にもじわじわ広がってきています。
本記事では、ウイスキーがどんなお酒か?あらためて振り返ってみます。お酒には、ワインや日本酒、ビールなどの醸造酒と、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒がありますが、ウイスキーは穀物を原料にした蒸留酒の仲間です。
糖分を含む液体に酵母を入れ、その働きによってアルコールを生み出したものを醸造酒といいます。これを熱して、水より沸点の低いアルコールを先に気化させ冷やして液体に戻したものが蒸留酒です。ウイスキーは、蒸留しただけではアルコール度数が高く角のある荒い味の液体を、樽で熟成して飲みやすくしてから出荷します。
同じ蒸留酒で透明のジンやウォッカなどと違い、美しい琥珀色は長い年月、樽の中で熟成されたことの証。熟成することで、透明だったお酒が淡い黄色、黄金色、褐色、茶色と少しずつ変化していきます。ウイスキーの醍醐味のひとつに、美しい色の変化があります。
どんな原料で造るの?
一般的にウイスキーと呼ばれるのには3つの条件が必要です。一つめは、穀物が原料であること。穀物とは、大麦(二条麦)、ライ麦、トウモロコシなどです。二つめは、糖化、発酵、蒸留を行っていること。三つめは木樽で熟成していることです。この3つの条件のほかに、生産国によってそれぞれ細かい規定がありウイスキーと名のることができるのです。
色も違えば、風味も大きく違うウイスキー。穀物以外の原料である水や酵母、また、ピートや熟成させる樽の種類、樽熟成の年数なども関わってきます。ちなみに、ピートとは発芽した大麦「麦芽(モルト)」を乾燥させるときに、焚きこまれる泥炭のこと。ピートによっても香りが異なり、独特な味わいを生み出します。
このほかに、樽熟成の期間中の蒸留所の気候や風土、さらに熟成庫内の樽の置き場所、天然素材ゆえのひとつひとつの樽の微妙な違いも味わいに影響を与えます。原料や製造方法だけではない様々な影響要素は、ウイスキーの奥深さを物語っています。
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ウイスキーの種類ってなに?
味わいの違うウイスキーのおもな種類について紹介しましょう。ウイスキーはまず、原料と蒸留方法の違いにより2種類の原酒に分けられます。
ひとつは、大麦麦芽「モルト」のみを原料に、単式蒸留器で蒸留する「モルトウイスキー」です。比較的アルコール度数が低く、香味成分が凝縮され個性的な味わいになります。
もうひとつは、原料にモルトのほか小麦やトウモロコシなどの穀物を使い、連続式蒸留機で蒸留する「グレーンウイスキー」です。アルコール度数が高く、香味は控えめです。
モルトウイスキーとグレーンウイスキーを軸に、このふたつをブレンドしたものが「ブレンデッドウイスキー」です。ちなみに、複数の蒸留所のモルトウイスキー同士をブレンドしたものは「ブレンデッドモルト」。「ヴァッテッドモルト」ともいいます。
「シングルモルト」という名前もよく耳にしますが、これは単一の蒸留所で造られた複数の樽のモルトウイスキー(モルト原酒)を混ぜたもの。単一の樽から瓶詰めされたモルトウイスキーは「シングルカスク」といいます。カスクとは、樽の意味です。
単一の蒸留所で造られた複数の樽のグレーンウイスキーを瓶詰めされたものは、「シングルグレーン」といいます。
このように、同じ蒸留所でも樽やブレンドによって多種多様なウイスキーが生まれます。さらに、それぞれが熟成期間によって異なる表情を見せてくれます。ウイスキーの世界は少し知るだけでも、興味深いものですね。
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