大阪ワインは、国税庁より「GI指定」と文化庁の「100年フード」に認定された、大阪が世界に誇る食文化
大阪は明治の時代から葡萄の生産が盛んで、全国第8位の生産規模です。葡萄品種の「デラウェア」に限って言えば、全国第3位の生産量を誇ります。大阪で収穫された葡萄を使って造られたワインは、国税庁からGI大阪(酒類の地理的表示)の指定と文化庁から100年フードの認定を受けています。
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大阪府の葡萄生産とワイン造りについて
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*画像はイメージです
大阪での葡萄栽培は、今から140年以上も前の明治時代の初期に始まったと言われており、1880年頃から葡萄の一大産地として発展してきました。
大阪府の中でも、柏原市、羽曳野市、交野市、枚方市のエリアが葡萄栽培の中心地です。
大阪で栽培されている葡萄は、皆さんがよくご存じの小粒で甘いデラウェアが最も多く栽培されている品種です。
デラウェアは、食用として食べられるのが一般的ですが、大阪では、昔から伝統的にデラウェアを使用したワイン造りが盛んです。
現在、大阪府内には以下の6つのワイナリーがあり、大阪ワインの醸造を行っています。
■カタシモワインフード㈱(大阪府柏原市)
■天使の羽ワイナリー(大阪府柏原市)
■飛鳥ワイン㈱(大阪府羽曳野市)
■仲村ワイン工房(大阪府羽曳野市)
■㈱河内ワイン(大阪府羽曳野市)
■㈱パピーユ/島之内フジマル醸造所(大阪府大阪市)
大阪府における大阪ワインの取組
大阪府では、府内ワイナリーなど関係機関とともに、100年の歴史をもつ府内産ワインの輸出拡大をめざし取り組んでいます。
アジア最大級の国際ワインコンペティションである「香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション」のワイン部門において、令和2年度には大阪のワイン4銘柄、令和3年度には大阪のワイン3銘柄が受賞したことにより海外で高い評価を受けました。
また、上海での大阪ワイン試飲会やシンガポールの現地レストランにおける大阪ワインと料理のペアリングイベントを開催するなど、海外での大阪ワインの認知度向上に繋がる取り組みなども実施しています。
大阪ワインは、国税庁長官からGI(酒類の地理的表示)の指定を受けています
出典:大阪府ホームページ
令和3年6月30日に、大阪のワインが、国税庁長官から酒類の地理的表示「GI大阪」として、(GI :Geographical Indication)指定され、大阪として初めてGI指定を受けました。
GI大阪ワインの概要
出典:大阪府ホームページ
GI大阪ワインを名乗るためには、以下の要件を満たす必要があります。
■産地の範囲
大阪府
■酒類区分
ぶどう酒
■原料
食用ぶどうを主体とした大阪府産ぶどうのみを使用していること。
ぶどう品種はデラウェア、マスカット・ベリーA、甲州、メルロー、シャルドネなど指定品種(36品種)に限られていること。
一定の糖度以上のぶどうのみを使用していること(デラウェア(早摘み除く)は糖度18%以上)。
■製法等
アルコール度数は9%以上(甘口のものは4.5%以上)であること。
総亜硫酸等、補糖、補酸等には一定の制限があること。
大阪府内において製造・貯蔵・詰口すること。
大阪ワインは文化庁から「100年フード」にも認定されました
文化庁の令和3年度 食文化機運醸成事業の「100年フード」に大阪ワインが認定されました。
受賞の内容は、近代の100年フード部門で、明治・大正に生み出された食文化として、地域の風土や歴史・風習の中で個性を生かしながら創意工夫されて育まれてきた地域特有の食文化であり、地域において、世代を超えて受け継がれ、食されてきた食文化として大阪ワインが認められ認定されたのです。
大阪のワインについて、あまり詳しくなかった方も、是非、この機会に大阪のワインに注目して、飲まれてみてはいかがでしょうか。
きっと、新たな素敵な出会いが見つかるのではないかと思います。
(参考)酒類の地理的表示(GI)について
酒類の地理的表示は、産地名の適切な使用を促進する制度で、「正しい産地」であること、「一定の基準」を満たして生産されたことを示すものです。
産地からの申し立てを受け、国 税庁長官が指定するもので、指定後は、独占的に産地名を名乗ることができます。
現在、ワインでは5つの産地(北海道、山形、長野、山梨、大阪)が指定されています。
大阪府のワイナリーのホームページ一覧
■大阪ワイナリー協会のホームページ
カタシモワインフード㈱(大阪府柏原市)
天使の羽ワイナリー(大阪府柏原市)
飛鳥ワイン㈱(大阪府羽曳野市)
仲村ワイン工房(大阪府羽曳野市)
㈱河内ワイン(大阪府羽曳野市)
㈱パピーユ/島之内フジマル醸造所(大阪府大阪市)