岩手のベアレン醸造所製造の「国産原料100%ビール」の第2弾が10月に生協で数量限定発売
2021年1月に限定発売した、宮城県産の大麦、岩手県産のホップで造られた「国産原料100%ビール」が、2021年に収穫した原料を使い10月25日より再発売!購入場所は限られた生協になりますが、国産麦芽、国産ホップだけを使用して造られるビールは非常に少なく貴重品です。
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「国産原料100%ビール」のこだわり
2021年1月に、東北と関東の一部生協で限定販売されて好評だった「国産原料100%ビール」。宮城県産の大麦と、岩手県産のホップを使用して、岩手のベアレン醸造所が製造する「国産原料100%ビール」が2021年10月25日(月)に、再発売されます。
今回、「たのしいお酒.jp」では、岩手県のホップ生産者さんと宮城県の大麦生産者さんのお話を中心に「国産原料100%ビール」の情報をお伝え致します。
まずは、岩手県のホップ生産者さんをご紹介します。
岩手産ホップの生産者グループ「しずくいしホップチャレンジ」
「しずくいしホップチャレンジ」のメンバー
「しずくいしホップチャレンジ」代表の菅原さん
岩手県雫石町では、2018年から若手農家の有志が集まり「しずくいしホップチャレンジ」というグループを作り、ホップ栽培に取り組んでいます。
ホップ栽培は、日射量が多く冷涼な気候が適しているといわれています。
世界的なホップの生産地は緯度35~55度に分布しており、岩手県は緯度が約38度ですのでこのエリアにあてはまります。
ホップ収穫作業
「しずくいしホップチャレンジ」代表の菅原さんに「国産原料100%ビール」の企画者、三菱食品の嶋岡さんが話を伺いました。
-ホップ栽培で大変な事は?
雫石町ではホップ専業農家がいるわけでもないので、人手が少なく大変です。
また、ホップは他の農作物に比べてとても背が高く成長します。雫石町のホップは、地面から高さ4m位までつるを伸ばします。(他の場所では5m位あるところも)
ホップを収穫する時に安全で便利な高所作業車もなく、はしごに登って手作業で収穫するので、とても大変で他のホップ生産地と違うところです。でも、苦労して収穫したホップがビールという形になる事は嬉しいことです。
「国産原料100%ビール」の発売に関係するみなさん
今回発売される「国産原料100%」ビールでは、ホップを収穫してすぐの雫石産のフレッシュホップを使用しています。フレッシュホップを使用すると、ペレット加工(注)したホップと異なるみずみずしい香りをビールに感じることができるそうです。
(注)ペレット加工=ホップを乾燥・粉砕したものを粒状にプレス加工したもの
岩手県雫石町に醸造所を構えるベアレン醸造所も、「しずくいしホップチャレンジ」の取り組みに参加し、ホップの栽培、収穫、ビールの醸造までを行っています。
「国産原料100%ビール」は岩手県雫石で「ホップチャレンジ」のグループが手がけた雫石産のカスケード、岩手県遠野産のホップIBUKI(いぶき)を使用して製造しています。(※遠野産IBUKIはペレットを使用)
ホップの樹からホップだけを切り集めたもの
次に宮城県で大麦を生産する生産者さんをご紹介します。
宮城県産「希望の大麦」を栽培する生産者さん
今回の「国産原料100%ビール」では、アサヒビールの震災復興プロジェクトとして2014年から取組みが開始されている「希望の大麦プロジェクト」を通じて生産された、宮城県東松島産の「希望の大麦」を100%使用しています。
宮城県で「希望の大麦」を栽培している2組の農業生産法人様について、べアレン醸造所を通じ、「東松島みらいとし機構」から情報をいただきましたのでご紹介します。
有限会社アグリードなるせ
まずは、「有限会社アグリードなるせ」さんからご紹介します。
「希望の大麦」を生産する「アグリードなるせ」の 安部会長(右)と尾形社長(左)
「アグリードなるせ」は、「希望の大麦プロジェクト」の開始当時から協力している農業生産法人です。野蒜海岸近くの津波で建物が流された被災跡地で大麦の栽培を開始しました。
『被災者として業者の繋がりを大切にして、お互いにとっていいことができればいいと思い、大麦生産を始めました。自分たちが育てた「希望の大麦」がビールとなり、「なりわい」と「にぎわい」が地域に戻ること、企業の方々と連携が取れることが嬉しく、やりがいに繋がっています。』
『がれきや石の除去をはじめ、土づくりに苦労し、多くの方々の協力のもと、一生懸命に育てた大麦で作られたビールを、皆さんに美味しく飲んでいただきたいです。そして、被災地を忘れずにいただけたら幸いです』とのメッセージをいただいています。
宮城県東松島の大麦畑と安部会長
株式会社めぐいーと
続いては、「株式会社めぐいーと」さんをご紹介します。
「めぐいーと」土井副社長
『「めぐいーと」は、津波を被った土地で大麦の栽培をしています。圃場(畑)はブルーインパルスが飛びたつ航空自衛隊 松島基地に近い場所にあるため、上空にはいつもブルーインパルスが飛行しています。「希望の大麦」を生産することで、生産者として地域貢献できていることがやりがいとなっています。』
『いつも飲む通常のビールと違った国産原料100%のビールは、ブルーインパスルスの音を聞いて育った東松島産「希望の大麦」ならではの味わいを深く楽しんでいただければ』とのメッセージをいただきました。
宮城県東松島産の「希望の大麦」
「国産原料100%ビール」は、岩手の地域に根ざした「ベアレン醸造所」で製造
べアレン醸造所雫石工場
今回、国産原料100%ビールを製造した「ベアレン醸造所」は、岩手県の雫石に2つ目の製造工場を構えて、ビールの仕込みを行っています。
ベアレン醸造所は、岩手県盛岡市北山で2001年からビールを製造しています。
地元の岩手に根ざしたビール販売の展開をしており、岩手県民の75%に「ベアレン醸造所」のビールは認知され、飲用経験者も50%を超える地元で大人気のビール醸造所です。
また、近年のクラフトビールのブームで、「ベアレン醸造所」のビールの美味しさに虜になる県外の人も多く、人気は広がるばかりです。
「国産原料100%ビール」の醸造では、IBUKIとカスケードの2種類のホップを使用しているので、その特徴が出るように、ホップの投入は4回に分けて行っています。
遠野産ホップのIBUKIは、ビールに苦味をつけるビタリングホップや香りをつけるアロマホップとして使用、雫石産のカスケードは醸造の後半に香りづけのためにビールに投入しています。
「国産原料100%ビール」の開発背景
日本では、まだあまり飲むことができない「国産原料100%」のビールが造られた開発経緯についてお伝えします。
食品卸売業の三菱食品株式会社に勤務する、クラフトビールが大好きな嶋岡利洋さんが、以前、岩手県遠野市のホップ畑を見学に行った際に"国産ホップをもっと大事にして守っていかないと"との想いを抱き、いつか自分で、国産原料を100%使用したビールを造りたいと思うようになりました。
嶋岡さんは、生協向けの酒類営業企画担当として日常の仕事をしながら、さまざまなビールメーカーと交渉を続けましたが、国産大麦は見つかっても、ビールを造るだけの量を確保できる国産のホップが見つからず思い悩んでいました。
そんな時、岩手県盛岡市でビールを醸造しているベアレン醸造所に「国産原料100%のビールをつくりませんか?」と声を掛けたところ、すぐに興味を持っていただき、更に"国産の大麦も、国産のホップも手配できる"タイミングも重なり、嶋岡さんの熱い想いがようやく実って「国産原料100%のビール」が造られ、2021年1月に、2020年産の国産原料を使用して発売されました。
2021年10月に発売される第2弾の「国産原料100%」ビールも、ホップ生産者さん、大麦生産者さん、ビール醸造所さん、そして嶋岡さんの想いが一つになって造られています。
快諾してくれた木村社長(右)と嶌田専務(左)
国産原料100%ビールを購入するには
国産原料100%ビールは、下記の店舗及び、宅配チラシでお求めいただけます。
・いわて生協、みやぎ生協、コープふくしま 酒類取り扱い店
・コープ東北 宅配11月2回企画
・コープデリ宅配 2021年10月4回企画
・生活協同組合ユーコープ おうちCO-OP 2021年11月3週企画
商品概要
商品名:国産原料100%ビール
原材料:国産大麦(宮城県東松島産)、国産ホップ(岩手県雫石産、岩手県遠野産)
内容量:350ml/缶
アルコール度数:5%
製造者 ベアレン醸造所(岩手県盛岡市)
参考小売価格:398円(税抜)
発売日:2021年10月25日(月)
*商品価格は記事執筆時のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。