「XYZ」が“最高のカクテル”と呼ばれる理由とは?作り方や由来を紹介

「XYZ」が“最高のカクテル”と呼ばれる理由とは?作り方や由来を紹介
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カクテルの「XYZ(エックス・ワイ・ジー)」を飲んだことはありますか?ラム酒をベースに、コアントローとレモンジュースを組み合わせた飲みやすいカクテルです。ここでは、「XYZ」の由来やカギとなるリキュール、レシピを解説します。

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「XYZ」とはどんなカクテル?

「XYZ」とはどんなカクテル?

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「XYZ」は3種類のドリンクから作るカクテル

「XYZ(エックス・ワイ・ジー)」とは、X、Y、Z、3つのアルファベットから名づけられているように、3種類のドリンクから作るカクテルです。
「XYZ」のベースとなるのは、サトウキビを原料地したスピリッツ(蒸溜酒)であるラム。これにホワイトキュラソーの代表銘柄であるコアントローと、レモンジュースを組み合わせています。まずはそのレシピを紹介しましょう。

【XYZの基本レシピ】

(1)ラム30ミリリットルと、レモンジュースとコアントロー各15ミリリットルを、氷とともにシェーカーに入れます。
(2)シェークしてカクテルグラスに注げば完成です。

「XYZ」の魅力は甘味と酸味のバランスの取れた飲みやすさ

「XYZ」は、レモンジュースのさわやかな酸味と、コアントローのまろやかな甘味が溶け合い、ベースとなるラムを優しく包む込んだ味わいが特徴です。
美しく白濁した色合いに加えて、飲みやすい口当たりが魅力ですが、ラムもコアントローもアルコール度数の高いお酒なので、「XYZ」のアルコール度数も25度以上と高め。ついつい飲みすぎないよう注意が必要です。

「XYZ」が“最高のカクテル”と呼ばれる理由

「XYZ」が“最高のカクテル”と呼ばれる理由

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「XYZ」の3文字に込められた意味「これ以上はない」

「XYZ」という、無機質なようで、どこか都会的なカクテル名には、どんな意味が込められているのでしょうか?
よく知られているのが、X、Y、Zがアルファベットの最後の3文字であることから「これ以上のものはない」、つまり、「XYZよりおいいしいカクテルを作ることはできない」との意味。「XYZこそ究極のカクテル」などといわれるのはこのためです。

「XYZ」の由来は有名漫画から?

じつは、この説が広まったきっかけは、1990年代に人気を集めた少年漫画『シティーハンター(北条司:集英社)』なのだとか。
新宿を拠点にプロのスイーパー(始末屋)として活躍する主人公に仕事を依頼する方法は、駅の掲示板に“XYZ”と書き込むこと。「後がないから助けて欲しい」とのメッセージで、これを見た主人公がどこからともなく現れ、さまざまな事件を解決してくれるのです。
アニメ化や映画化もされた人気漫画の影響を受けて、「XYZ=後がない」という説が広がり、前述のカクテル名の由来を広げたといわれています。

「XYZ」の由来にはもうひとつの説が

「XYZ」の由来にはもうひとつの説が

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「XYZ」の意味は「ナイショのカクテル」?

「XYZ=これ以上はない」という説が知られる一方で、別の説を唱える人もいます。たとえば、ライターの石垣憲一氏が『カクテル ホントのうんちく話』(柴田書店刊)で紹介するのは、次のような説です。
もともと「XYZ」のレシピは非公開で、バーテンダーが3種類の材料で作ったカクテルを提供する際に、そのレシピを当てるようクイズを出していたというもの。つまり、X、Y、Zは方程式の3つの解を意味していて、「XYZ」の本当の意味は“ナイショ”と考えたほうがよいと述べています。

「XYZ」の由来は、どの説もカクテルの魅力を語るもの

「XYZ」の3文字は、英語圏では“未知”や“秘密”といったイメージがあるようで、よく謎の存在を「X」と表すのはそのためです。そこから考えると「XYZ=レシピがナイショのカクテル」との説には頷けるものがあります。
ここからは想像ですが、今では公開されている「XYZ」のレシピは、バーテンダーが工夫を重ねて生み出したもので、レシピをすぐに明かすのがもったいなくなるほど魅力的なカクテルだったのかもしれません。
どちらの説も、「XYZ」を味わいながら披露すれば、お酒の場が盛り上がることでしょう。

「XYZ」のカギとなるリキュール、「コアントロー」とは?

「XYZ」のカギとなるリキュール、「コアントロー」とは?

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「XYZ」の味わいを支えるリキュール「コアントロー」

「XYZ」は、ラムとレモンジュース、そしてコアントローを混ぜたカクテルですが、3種類のなかで、もっともなじみが少ないのがコアントローではないでしょうか。
コアントローは、オレンジ果皮を原料としたリキュールのカテゴリー「ホワイトキュラソー」の代表格で、フランスのリキュールメーカー、コアントロー社の銘柄。ビターオレンジとスイートオレンジ、2種類のオレンジ果皮を使った、芳醇な香りが特徴のリキュールです。

「コアントロー」の誕生は19世紀後半までさかのぼる

コアントローが開発されたのは、今から150年近く前の1875年のこと。当時のヨーロッパはカクテルの全盛期でしたが、コアントローは、2種類のオレンジ果皮が醸し出す芳醇な香りと、甘味と苦味が調和した味わいから、またたく間に人気を集めました。
当時は貴重だったとされるオレンジの果皮をふんだんに使い、それ以外の原料はアルコールと水、砂糖だけというシンプルさが生むナチュラルなフレーバーから、さまざまなカクテルに使われ、いつしか「ハート・オブ・カクテル」、つまりカクテルの中心と呼ばれるようになったのだとか。

「XYZ」だけじゃない、「コアントロー」を使ったカクテル

「XYZ」だけじゃない、「コアントロー」を使ったカクテル

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「XYZ」のバリエーションをたのしもう

「XYZ」は、コアントローとレモンジュースはそのままに、ベースとなるラムを別のリキュールを変えれば、さまざまなカクテルに変身します。
たとえば、ウォッカをベースにすると「バラライカ」、ジンなら「ホワイトレディ」、ブランデーなら「サイドカー」になります。ベースによってカクテルの味が大きく変化するので、「XYZ」を軸にして飲み比べ味比べをしてみるのもたのしいでしょう。

「XYZ」以外にも、コアントローを使った有名なカクテルが

「ハート・オブ・カクテル」と呼ばれるコアントローは、「XYZ」やそのバリエーション以外にも、さまざまな古典的カクテルに用いられています。なかでも代表的なものを紹介しましょう。

【マルガリータ】

2018年に誕生70周年を迎えた、歴史あるカクテルが「マルガリータ」。テキーラとコアントロー、ライムジュースを、2対1対1の割合でシェークして、塩をグラスの縁につけたカクテルグラスに注げば完成です。
ほかのホワイトキュラソーでもたのしめますが、そのオリジナルレシピに指名されたホワイトキュラソーの銘柄がコアントロー。やはり原点となったコアントローで味わってみるのがオススメです。

【コスモポリタン】

「コスモポリタン」とは「国際人」を意味していて、アメリカのテレビドラマ『セック・アンド・ザ・シティ』に登場したことで、話題を呼んだカクテルです。
ウォッカをベースに、コアントロー、クランベリージュース、ライムジュースを3対1対1対1の割合で混ぜて作ります。華やかな風味と甘味が魅力の、女性に人気のカクテルです。

「XYZ」は、アルファベットの最後の3文字からなるカクテル名の由来や、重要なピースであるコアントローの魅力を知ることで、より深く味わえるでしょう。「XYZ」をきっかけにして、カクテルの奥深い世界をたのしんでみてはいかがでしょうか?

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