肉料理に合うワインはこう選ぶ! マリアージュのポイント
「肉料理には赤ワイン」といったマリアージュのコツをよく耳にします。とはいえ、一口に「肉料理」と言っても、素材や調理方法はさまざま。とてもひとつのルールで括れるものではありません。ここでは、奥深いマリアージュの“初級編”として、肉料理に合うワイン選びのポイントを紹介します。
- 更新日:
「肉料理には赤ワイン」と言われる理由とは?
rocharibeiro/ Shutterstock.com
赤ワインのタンニンがお肉の旨味を引き出す
「肉料理には赤ワイン」と言われる理由は、赤ワインに含まれるタンニンにあります。
タンニンとは、ブドウの皮や種に多く含まれるポリフェノールの一種で、赤ワイン特有の渋味のもととなる成分。タンニン由来の渋味が、肉の旨味や甘味を引き出すとともに、脂っぽさをさっぱりさせてくれるのです。
「肉料理には赤ワイン」とは限らない
「肉料理には赤ワイン」という通説が広がっている背景には、こうした理由がありますが、すべての肉料理に当てはまるとは限りません。
一口に「肉料理」と言っても、その種類は牛肉だけでなく、豚肉や鶏肉などさまざま。部位によっても味わいは異なります。その料理法も焼く、煮込む、蒸す、燻す、さらには生でと多種多様。そられによって合うワインも変わってきます。
「肉料理には赤ワイン」は、あくまで原則論と考え、どんなワインとどんな料理が合うのかを、さまざまな視点から考える必要があります。
肉料理とワインのマリアージュのコツ1:肉の種類で選ぶ
Aimee M Lee/ Shutterstock.com
牛肉を使った料理に合うワイン
脂が多く、しっかりとした味の牛肉には、フルボディの赤ワインがよく合いそうです。適度な脂身のあるロースなどは、カベルネ・ソーヴィニョンやシラーなど、タンニンの渋味をしっかり感じる赤ワインがおすすめです。ヒレのような赤身肉なら、メルローやピノ・ノワールなどの赤ワインもよいでしょう。
豚肉を使った料理に合うワイン
牛肉よりも淡泊な味ながら、脂身はしっかりある豚肉は、料理の味つけによってマリアージュが大きく変わる食材です。それだけにワイン選びも迷いがちですが、赤ワインならミディアムボディのもの、白ワインならしっかりとした味わいのものが合わせやすいでしょう。
「しょうが焼」などこってりとした濃い味つけの場合は、メルローやグルナッシュ・ノワールなどの赤ワイン、「豚しゃぶ」のようなさっぱりした料理の場合は、ピノ・グリなどの、やや軽めでキレのよい白ワインを試してみては?
鶏肉を使った料理に合うワイン
淡泊な味で脂身が少なく、低カロリーの鶏肉は、赤ワインならピノ・ノワールのなどのライトボディからミディアムボディ、白ワインならリースリングやシャルドネなどがオススメです。
とはいえ、鶏肉を使った料理は、焼き鳥や唐揚げなどバリエーションが豊富。レバーなど強い味わいの場合は、やや濃厚な赤ワインを合わせてみましょう。
肉料理とワインのマリアージュのコツ2:調理法や味付けで選ぶ
Takanori Ogawa/ Shutterstock.com
ワインと肉料理を合わせるコツは“ソースの重さ”
肉の種類を問わず、こってりとした濃い味つけの料理には渋味や果実味の強いワイン、あっさりした味つけの料理にはさっぱりした軽めのワインを合わせるのが基本です。
たとえば、脂の乗ったステーキにはカベルネ・ソーヴィニヨンなどの濃厚な赤ワイン、薄口醤油で味つけした肉料理はピノ・ノワールなどの赤ワイン、クリームソースの肉料理には濃厚なコクがあるシャルドネ、塩やレモンで味つけした肉料理には柑橘系の味わいがさわやかなソーヴィニヨン・ブラン、と言ったところが定番の合わせ方です。
ワインと肉料理の色や香りを合わせる
肉料理に合わせるワインを選ぶ場合、食材やソースとの「色合わせ」をヒントにする方法も知られています。
たとえば、濃い色をした料理は濃厚な味わいであることが多く、フルボディの赤ワインがよく合います。一方、淡い色をした料理はあっさりとした味わいであることが多く、その場合は白ワインなど軽めのワインが合うでしょう。
また、コショウやナツメグ、シナモンなどスパイスが効いた肉料理には、同様の香りを持つワインを合わせるなど、「香り合わせ」も試してみましょう。
肉料理におすすめのワインはスパークリングかロゼ
肉料理とワインのマリアージュは、さまざまな観点から考える必要がありますが、迷ったときに便利なのが、スパークリングワインやロゼワインです。
炭酸が効いてさわやかな飲み心地のスパークリングワインは、幅広い料理と好相性。また、赤ワインと白ワインの特徴を兼ね備えたロゼワインも、料理を選ばずマリアージュをたのしめる傾向なので便利です。
肉料理は、肉の種類や部位、味つけなどによって、ワインとの相性が大きく異なります。「肉料理は赤ワイン」という基本から一歩踏み出し、肉の種類や味つけとの相性を意識してみることで、ワイン選びがいっそうたのしくなりそうですね。