大阪の日本酒【緑一(みどりいち)】“池田酒”の歴史と伝統を受け継ぐ酒

大阪の日本酒【緑一(みどりいち)】“池田酒”の歴史と伝統を受け継ぐ酒
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「緑一」の蔵元は、大阪府池田市で元禄10年(1697年)に創業した老舗、吉田酒造。現在では2軒のみとなった池田の蔵元のひとつとして、江戸時代に高い人気を博した「池田酒」の魅力を今に伝えています。ここでは、「池田酒」の伝統とともに、300年以上続く老舗蔵の歴史と魅力を紹介します。

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「緑一」の蔵元が物語る「池田酒」の伝統

「緑一」の蔵元が物語る「池田酒」の伝統

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「緑一」の蔵元を生んだ「池田酒」の歴史

池田の地で酒造りが始まったのは、室町時代末期から安土桃山時代ごろのこと。当時、北摂(ほくせつ)地域の中心地としてにぎわっていた池田は、猪名川(いながわ)の伏流水と、山間部でとれる良質な米に恵まれ、酒造りに適した環境がありました。
また、“池田の酒造りの祖”と言われる満願寺屋九郎右衛門が、かの徳川家康に酒を献上して「酒造御朱印」(酒造免許)を授かったことも、酒造業が発展するきっかけになったと伝えられています。
この地で造られる「池田酒」は、「江戸下り酒」として人気を博します。銘醸地としての地位を確立した江戸時代中期には、池田には38軒もの酒蔵が並んでいたのだとか。

「緑一」の蔵元は300年以上続く老舗

「緑一」の蔵元である吉田酒造は、元禄10年(1697年)に加茂屋平兵衛によって創業されました。代表銘柄である「緑一」は、澄んだ色をした上等の酒を表す「緑酒」という言葉と、「池田が清酒発祥の地」という誇りを込めた「一」を合わせて、命名されたと言います。
かつては酒処として栄えた池田市ですが、現在も酒造りを続けている酒造会社は、吉田酒造を含めてわずか2社のみ。300年の歴史を持つ吉田酒造は、この地の酒造りの歴史を今に伝える、貴重な存在だと言えるでしょう。

「緑一」の蔵元の300年にわたる波乱の歴史

「緑一」の蔵元の300年にわたる波乱の歴史

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江戸時代後期以降、「池田酒」は衰退の一途をたどることに

「緑一」の蔵元、吉田酒造が誕生した元禄年間は、「池田酒」の全盛期にあたります。しかし、その後、高い酒造技術と良質な水を活かした「灘の酒」に押されて、池田酒の人気に陰りが見えるようになりました。
また、安永5年(1776年)には、それまで池田の満願寺屋に与えられていた「酒造御朱印」がとり上げられ、「池田酒」は急速に衰退の道を歩むことに。

平成の阪神・淡路大震災を乗り越えて

「池田酒」が苦境を迎えるなかでも、吉田酒造は独自の酒造りを続け、江戸から明治、大正、昭和といった時代の荒波を乗り越え、300年を超える歴史を刻んできました。
近年でも、阪神・淡路大震災により酒蔵が全壊するといった苦難がありましたが、その歩みを止めることはありませんでした。酒造りの拠点を兵庫県加西市に移して製造を再開。再建した池田市の蔵で、ろ過や瓶詰め、ラベル貼りなどを行っています。
なお、被災を乗り越えて江戸時代からの酒造屋の趣を今に伝える吉田酒造の主屋は、2007年に蔵、塀とともに国指定の有形文化財に登録されました。

「緑一」をたのしむなら、まずは「緑一 原酒」から

「緑一」をたのしむなら、まずは「緑一 原酒」から

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「緑一 原酒」は冷酒やロックで濃醇な味わいを楽しむ

「緑一」の味を知りたいなら、まずは「緑一 原酒」を味わってみましょう。やや辛口で濃醇な味わいの「緑一 原酒」は、アルコール度数が19度以上20度未満と高めのため、燗よりも冷酒やロックがオススメ。ライムを少し垂らせば、より飲みやすくなります。

「緑一」には贈答に適した吟醸酒や、地元の伝説にちなんだ酒も

「緑一 吟醸酒」は、お祝いや贈り物に適した1本。スッキリとした辛口の味わいで、冷酒や冷や(常温)でいただくのがオススメです。
また、「緑一 呉服(くれは)」「緑一 綾羽(あやは)」は、池田市に伝わる“織姫伝説”にちなんだ酒。その昔、大陸からこの地にやってきて機織りや染色の技術を伝えたという姉妹、クレハトリとアヤハトリの名を冠したもので、どちらも冷酒でも燗でもたのしめます。

「池田酒」の伝統を受け継ぐ「緑一」には、数々の苦難を乗り越え酒造りを続けてきた蔵元の歴史と情熱が込められています。池田を代表する地酒「緑一」を飲みながら、「池田酒」の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

製造元: 吉田酒造株式会社
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