お酒好きの女性に“ひとり贅沢ハシゴ酒”のススメ ~恵比寿編~

お酒好きの女性に“ひとり贅沢ハシゴ酒”のススメ ~恵比寿編~

「ハシゴ酒」と聞くと、仕事帰りに仲間と店を変えながら深酒するイメージ・・・いえいえ、それはひと昔前の話。最近は、一人で数軒のお店をハシゴしてお酒をたのしむステキな女性が多くいます。ひとりの時間をおいしいお酒や料理とともに有意義に過ごしたい女性にお勧めの“一人ハシゴ酒”。今回は「恵比寿・ワイン編」。

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銀座編に続いての第2弾はワインでハシゴ酒

前回の“ひとり贅沢ハシゴ酒〜銀座編〜”では、4軒のお店をハシゴして日本酒をたっぷりと味わいましたが、「女性のひとり飲み、カッコいい!」「ああいう飲み方に憧れます!」や、はたまた、「私は5軒以上行きますよ〜」などなど、さまざまな反響をいただきました(笑)。
そこで、今回は女性に人気のエリア・恵比寿を舞台に「ワインでハシゴ酒」。
まずは駅ナカからスタート。

駅直結の酒屋さんのスタンディングバーでシャンパンを

恵比寿駅直結の商業施設、アトレ恵比寿の4階にある「恵比寿 君嶋屋」は、ワイン、日本酒、焼酎などを揃えた酒屋さん。
JRを降りて改札を通り、アトレ西館への連絡通路を渡り一度も外に出ることなくお店に到着。
店内は入り口右手に日本酒・焼酎などの和酒、左手奥にワインが並び、その手前にスタンディングバースペース。海外のバルのようなオシャレな雰囲気です。

アトレ恵比寿西館4階にある「恵比寿 君嶋屋」。
入りやすい店内です。

店内右手側には日本酒や焼酎、日本ワインがずらり。

壁に掛けられた黒板には、ビールやワイン、日本酒や焼酎、洋酒やノンアルコールドリンクまで、一杯からたのしめるメニューが並び、ラインナップも銘酒ばかり。
じつはこちらの社長の君嶋哲至さんは、ワインや日本酒等のさまざまな協会の役職も務める、酒類業界では誰もが知る有名な方。国内外のワイナリー、全国の酒蔵とのお付き合いも古く、他店ではなかなか並ばない貴重なお酒を取り扱っています。

店内左側にはワイン。
リーズナブルなものから珠玉のワインまで幅広い品揃え。

「やっぱり最初の一杯目は泡からスタート!」と、シャンパンをオーダー。
この日は「ピエール ミニョン ブリュット プレスティージュ」。黄金色に輝き、きめ細かい泡が静かに立ち上るグラスを前にするとワクワクします(笑)。

君嶋屋さんが自社輸入しているシャンパン。
華やかなで上品な香りと、芳ばしい余韻がたまりませんでした。

さて、おつまみ。じつは酒屋さんのスタンディングバーでありながら、おつまみのメニューが充実している君嶋屋さん。
近隣の名店と提携し、お酒に合うメニューを届けてもらっているそうで、この日は恵比寿にあるフレンチの名店の「マッシュムース」をオーダー。
細かく刻んだマッシュルームに生クリームとスパイスがマッチしていてシャンパンにぴったり。
オープン当時から欠かすことのない人気のメニューと聞き、納得。

恵比寿の「mashroom」さんの人気メニュー“マッシュムース”。
特に女性に人気だそう。

店内にはひとりでお酒をたのしんでいる女性がほかにも数名おり、店長の早野さんにうかがったところ、気さくに立ち寄る常連の方も多いそう。
「従業員は皆、お酒が大好きで資格も取得しています。お客様とフレンドリーにお酒の話で盛り上がることも多く、一人ひとりが、みなさんのコンシェルジュになれたらと思っています」。

駅直結ということもあって、なかには毎日の通勤コースになっている方もいらっしゃるとか(笑)。

ワインのお仕事歴は20年以上になるという店長の早野宏子さん。

居心地がよく、もう一杯、もう一品を頼みたい気持ちを抑え、お店を後に。

恵比寿 君嶋屋
https://kimijimaya.co.jp/shop/ebisu

新鮮なシーフードを白ワインと共に

アトレを出て、山手線が走る線路の横の緩やかな坂道を歩くこと約5分。ひっそりと佇む隠れ家的なお店が並ぶなかの一軒、「サカナバル」へ。

カジュアルな雰囲気の外観。
テラス席もあり賑わっています。

店名のとおり、お魚料理のみのお店。おいしい魚介にワクワクする気持ちを胸にカウンター席へ。
こちらのお店はグラスでオーダーできるワインの種類が多いのがうれしい。さっそく、ワインをオーダー。

選んだのは「エボリューション ラッキーNo.9」アメリカ、オレンゴン州の白ワイン。
さまざまな白ぶどう品種をブレンドしており、複雑さをあわせ持つ味わい。

まずはアメリカの白ワインから。

お料理のメニューを眺めていると「自家製クリームチーズ豆富」に目が止まる。
豆腐じゃなくて“豆富”なのが気になります。きっと特別なおいしさがあるに違いない(笑)。

お客さんのリピート率が高い人気のメニューだそう。

バゲットが添えられてやってきたのは、豆乳とクリームチーズとお豆腐でできたムース状のお料理。
ふんわりとした食感とコクが絶妙で、ワインにもよく合いました。

続いて、「旬魚介をソテーしたサカナバルサラダ」。
こちらをお願いしたところ、ボリュームが多いのでお一人なら半分量で十分とお聞きし、ハーフサイズでオーダーさせてもらいました。

ソテーしたエビやホタテ、イカがたっぷりと。

と、ここで2杯目のワインへ。もう一杯白ワインを。
店長の谷本さんオススメのオーストラリアの「プロミスド ランド シャルドネ」 。
フレッシュなアロマできれいな飲み口。飲みやすくてお料理ともバッチリ。

サカナバルのグラスワインは銘柄によって量が異なり、こちらは120ml。
90mlのものもあります。

さて、「サカナバルプレート」が到着。こちらもハーフサイズでオーダーしたのですが、6種類の魚介のカルパッチョの豪華な盛り合わせ。

この日は、マダイ、マグロ、アオリイカ、〆サバ、カツオ、富士山サーモン(ニジマス)。
中央にあるのはガリ。とてもよい箸休めになります。

店長の谷本さんによると、できるだけ国産の旬の魚介を仕入れられるよう、生産者とのパイプラインを大切にされており、調理法もよりおいしく味わえるために工夫をしているそう。

店長の谷本雅勝さん。
「お仕事帰りの方からご近所のファミリーまで、幅広い層の方々に来ていただいています」。

新鮮なお魚を食べてお腹も満たされ、ワイン2杯を飲んで良い気分。
谷本さんに別れを告げて、次なる目的地へ。

サカナバル
http://sakanabar.jp/shop/sakanabar/

〆の麺はさっぱりとヘルシーに

サカナバルを出て恵比寿駅を通り過ぎ、さらに進むと見えてくるのが「そうめんそそそ」。
やっぱり〆には麺を食べたくなりますが、ラーメンでも蕎麦でもなく、“そうめん”で〆るところに女子力あります(笑)。

落ち着いたトーンのオシャレな外観。

店内は1階にL字のカウンターがあり、2階にはテーブル席。今日は1階のカウンター席へ。

女性ひとりでも気兼ねなく座れる雰囲気です。

さて、そうめん…の前に、移動で少し歩いたので喉を潤そうとドリンクのメニューを見ると、クラフトビールやカクテル、ワイン、日本酒、焼酎、サワー…と、かなり豊富に揃っていました。
「さっぱり飲めるものを」と思ったところ、“ハードシードル”を発見。こちらをオーダー。

ドライな飲み口でさっぱりとした味わいのドライシードル。

そうめん以外のフードメニューも充実しているこちらのお店。メニューには、ご飯ものや野菜料理、揚げ料理などがずらり。
そういえば、今日はまだお肉料理をいただいていなかったので、そうめんの前に「そそそソーキ煮」をお願いしました。
味がしっかり染み込んだ豚バラ肉は箸でほぐれる柔らかさで感動。

7〜8時間かけて煮込んだトロトロのソーキ煮。お酒のアテにぴったり。

さて、そうめんは、「ふわふわ釜玉そうめん」をチョイス。
じつはこちら、お店の一番人気のメニュー。茹で上げたそうめんの上にメレンゲ状の卵白、その上に黄身を乗せためずらしい一品。

メレンゲ状の卵白の下に茹でたてのそうめん。
麺は小豆島の「島の光」を使用。

旨味のあるだし醤油をかけていただくのですが、ふわふわのメレンゲが口の中でシュワっととけていき、続いて濃厚な黄身の味わいが口の中に広がり、麺の細さがとても上品で食べやすく、あっという間に完食。
これはたまらないおいしさです。

卵は青森の卵「じょっぱり」を使用。
麺線が細いそうめんに卵がよく絡むように研究を重ねたそう。

メニューを見ると、温かいものから冷たいものまで、味わいも、和風から洋風までさまざまにたのしめるので、さらりと食べられる“〆そうめん”はぜひおすすめ。ラーメンよりもヘルシーで女性向きですね。

店長の伊藤雅之さん。
「ディナータイムにはハーフサイズのメニューもあるので女性に喜ばれています。

お腹も満たされ大満足。さて、今回のひとりハシゴ酒も最後はBARで締めましょうか。


そうめんそそそ
http://so-mensososo.com

落ち着いた大人のBARで味わう、フルーツカクテルと絶品おつまみ

恵比寿の街をゆっくり歩くこと数分、ビルの2階のBARに到着。
こちらの「BAR松下」は恵比寿で人気のお鮨屋さん「松栄 恵比寿本店」のウェイティングバーとしてオープンし、今年で24年目。恵比寿で長く親しまれているお店です。

恵比寿駅西口から歩いて3分の「BAR松下」。

店内は照明がかなり落とされ、しっとりと落ち着いた雰囲気。
カウンターとソファ席があり、ゆっくりと時間を過ごせそうなお店です。

黒を基調とした空間に真っ白な百合がきれいに映えていました。

カウンター席につくと、目の前にはフルーツが。お店では旬のフルーツを使用したカクテルがオープン時からの人気メニューだそう。
デザート代わりによさそうと思い、バーテンダーにおまかせのフルーツカクテルをオーダー。
すると、爽やかな色合いの「マスカットのカクテル」が。

バカラのアンティークグラスで「マスカットのカクテル」。

シャンパンのシュワっとした飲み口と、マスカットの爽やかさがとてもよくマッチしたフローズンタイプのカクテルで喉を潤したので、おつまみをいただきながらもう一杯…と思いメニューに目を通すと、「干物各種」の文字。
意外なメニューに驚き、お店の方にお聞きしたところ、店内に“炉”を置いており、そこで炙りてたの干物を用意してくれるとか。そこでこちらをお願いすることに。

木箱の中には、ホタルイカやシマアジ、タコスルメ、ウルメイワシなどが。

いくつかある干物から選んだのは、サヨリとヒメガイ。店内の炉で炙っていただきました。

シックな店内に炉があるのは、意外ながらも素敵な雰囲気でした(笑)。

手前がサヨリ、奥がヒメガイ。

干物を頼んだので、2杯目のお酒は“燻され繋がり”でスモーキーなシングルモルトに。
アイラ・モルトの「ラガヴーリン」。この独特なスモーキーさに目が覚めました(笑)。

スモーキーさは干物以上(笑)ですが、おいしくいただきました。

BAR 松下
http://www.matsushita-matsutora.com/matsushita/




今回も一人で4軒ハシゴ酒。
店から店への移動も、なんだかほろ酔い気分で散歩ができて、たのしかったです。
最後にインパクトのあるヨード香(薬品臭)の「ラガヴーリン」を飲んで、なんだか身体が清められた感じ(笑)。

また明日から、仕事にプライベートに頑張りますか。

…にしても、

このハシゴ酒、やっぱり飲み過ぎでしょうか…。


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ライタープロフィール

阿部ちあき

日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定 きき酒師 日本酒・焼酎ナビゲーター公認講師
全日本ソムリエ連盟認定 ワインコーディネーター

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