ワインの注ぎ方を正しく知って、スマートにワインをたのしもう!

ワインの注ぎ方を正しく知って、スマートにワインをたのしもう!
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ワインの注ぎ方やマナーを覚えておくと、ワインの味わいも、場の雰囲気も、よりたのしむことができます。ワンランク上のレストランで食事する際や、ホームパーティーなどでホスト役になったときにも、落ち着いてふるまうことができるはず。ここでは、ワインの注ぎ方についての基本的なマナーを紹介します。

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ワインの注ぎ方1 ワインボトルの正しい持ち方

ワインの注ぎ方1 ワインボトルの正しい持ち方

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ワインの注ぎ方がスマートだと、周囲にも洗練された印象を与えることができます。ワインを注ぐ際のマナーとして、まずはワインボトルの正しい持ち方を知っておきましょう。

ソムリエやサーバーのように、片手でスマートにワインボトルを持てば、確かに見栄えはよいですが、片手で持たないといけないという決まりはありません。
慣れない人が無理に片手で持とうとして、ワインをこぼしてしまったり、ボトルを落としてしまったりする危険もあります。慌てず、しっかりと安定した持ち方をすることが大切です。

ワインボトルの持ち方は、ボトルの底のくぼみに親指を入れ、残りの四本の指でボトルを支えます。もう片方の手をボトルにあて、グラスにワインを注ぎます。
このとき、ラベルは上に向くように持ちましょう。ワインの銘柄が注ぐ相手にはっきりわかるようにするためと、滴などでラベルを汚さないようにするためです。

冷たく冷やしたワインボトルを持つときは、清潔なナプキンの上からボトルを支えます。ナプキンをボトルにあてることで、手の温度がボトルに伝わってワインが温まるのを防いでくれますし、ボトルのふちをさっと拭くのにも便利です。

ワインの注ぎ方2 ワインを注ぐにあたってのポイント

ワインの注ぎ方2 ワインを注ぐにあたってのポイント

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ワインの注ぎ方のポイントは、ボトルから直接ワイングラスに注ぐ場合と、デキャンタージュ(ワインをデキャンタに移し替えること)する場合とで少し異なります。

ボトルからグラスに注ぐ場合は、ビンテージワインなどに見られる「澱(おり)」が入らないように気をつけましょう。澱はワインの成分であるタンニン、ポリフェノール、タンパク質が結合したもので、飲んでも害はありませんが、渋みがあるうえに舌触りも悪いので、せっかくのワインをおいしく飲んでもらうため、澱がグラスに入らないようゆっくりと注ぎます。

また、ワインを注ぐ際にグラスを持ち上げたり、グラスのふちにボトルの口をつけたりすると、スマートに見えません。
また、ワインはデリケートな飲み物なので、勢いよく注ぐと味を損なうこともあります。グラスの数センチ上から、ゆっくりとワインを空気に触れさせるように注ぎましょう。

グラスに注ぐワインの量は、グラスの大きさなどにもよりますが、グラスの3分の1程度が適量です。グラスいっぱいに注がないのは、香りをたのしむためのスペースをとるためと、スワリング(ワインを空気に触れさるためにクルクル回すこと)するスペースをとるためです。
なお、注ぐ相手が複数人いるときは、全員が同じ量になるように注ぐのが基本的なマナーです。
注ぎ終わったら、滴が落ちないようにワインボトルを少し回転させながら上に戻します。

一方、デキャンタから注ぐ場合は、デキャンタージュによってワインの香りが開いていて、澱もある程度除かれているので、ボトルで注ぐよりも気楽にできるかもしれません。

ワインの注ぎ方3 ワインを注ぐ順番やタイミング

ワインの注ぎ方3 ワインを注ぐ順番やタイミング

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ワインを注ぐ順番やタイミングですが、ワインは女性から先に注ぐのがマナーです。女性が複数いる場合は、年上の方から順に注いでいくようにしましょう。

ちなみに、気軽な仲間内のホームパーティーなどを除いては、女性が男性にワインを注ぐのは好ましくないとされています。ワインは男性が注ぐようにしましょう。

ワインを注ぐタイミングは、飲み切ってワイングラスが空になってから注いでもよいですが、基本的には、グラスに3分の1から4分の1程度残っているタイミングで注ぎ足すとよりスマートです。
グラス内に少量だけ残ったワインは、空気に触れすぎたり、温まりやすくなったりして、ワインの味が劣化しがち。そんな状態に気づいたら、一声掛けてから注ぎ足してあげましょう。

ワインの注ぎ方4 要注意! スパークリングワインの注ぎ方

ワインの注ぎ方4 要注意! スパークリングワインの注ぎ方

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ワインの注ぎ方を紹介してきましたが、スパークリングワインの注ぎ方は少し異なります。

スパークリングワインは、通常のワインと違って泡があるので、2回に分けて注ぐのが基本です。1回目は、シュワッとたつ泡がワイングラスの8分目くらいにくるように注ぎます。泡がおさまるのを待ってから、2回目を注ぎましょう。
泡がおさまったワインはグラスの2~3分目程度まで減っていますので、そこからゆっくりと6分目くらいまで注ぎます。

ちなみに、スパークリングワインはよく冷やしてから栓を開けるのが基本です。なぜなら、スパークリングワインの瓶内には高い圧力がかかっているため、とくに夏場など気温が高い状態で、常温のまま開けてしまうと、中身が勢いよくあふれ出して、中身が空っぽになってしまったり、コルク栓が飛んでしまったりする恐れがあるからです。
また、抜栓の際にはボトルを垂直に立てたままではなく、ななめに保つのも中身をあふれさせないために有効なテクニックです。

よく冷やしたスパークリングワインを注ぐときは、前述したように、手の温度が伝わらないよう、清潔なナプキンの上からボトルを持つようにしましょう。

ワインの注ぎ方だけでなく、注がれる際のポイントもおさえよう

ワインの注ぎ方だけでなく、注がれる際のポイントもおさえよう

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ワインは注ぐ側だけでなく、注がれる側にも知っておきたいマナーがあります。注ぎ方とあわせて、おさえておきましょう。

ワインを注いでもらう際には、ワイングラスを持ち上げたりせず、テーブルに置いたまま注いでもらいます。グラスを持ち上げると、かえって注ぎにくくなりますし、注がれたワインに手の温度が伝わる恐れもあります。

ちなみに、ワインを飲むときは、グラスの脚(ステム)の部分を持つと、手の熱が伝わらないうえに、見た目にもエレガントです。ステムの持ち方は、親指、人差し指、中指の三本の指で持つのが基本。なるべくステムの上の部分を持つようにすると、安定して飲みやすいでしょう。

レストランなどで、ソムリエや店員さんがいる場合、ワインを注いでもらいたいときに、目で合図をして注いでもらいましょう。
注ぎ合いや手酌はマナー違反とされていますが、ホームパーティーなど気の置けない人との集まりや、カジュアルなお店の場合、「手酌にしましょう」などと事前に話しておくと、自分のペースでワインをたのしめ、気疲れしなくてよいかもしれません。

レストランなどで「もういりません」と意思表示するときは、グラスのふちにそっと指先を触れるようにします。また、あまりお酒に強くない人など、たくさん飲みたくない場合は、遠慮なく「少なめでお願いします」など、希望を伝えても失礼にはなりません。
ワイングラスに口紅がついたときは、指でそっと拭ってからナプキンで指を拭うとスマートです。

ワインの注ぎ方や注がれ方、ワインボトルの持ち方など、ワインにはさまざまなマナーがありますが、絶対にこうしなければならない、というものではありません。大前提はたのしく、おいしくいただくこと。あまりこだわりすぎず、ワインの香りと味わいを存分にたのしみたいものです。

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