定番土産から知る人ぞ知る逸品まで!お酒のアテにぴったりな“ご当地おつまみ”<西日本編>

定番土産から知る人ぞ知る逸品まで!お酒のアテにぴったりな“ご当地おつまみ”<西日本編>

酒呑みにとって大切なお酒のアテ“おつまみ”。ご当地グルメや郷土料理から生まれたものなど、地域の特色を生かしたさまざまな商品が全国各地で販売されています。駅や空港の売店、ウェブサイトなどで手軽に買えるものや、レアな商品まで、お酒を愛する皆さんにおすすめのおつまみをご紹介する企画の第二弾、西日本編です。

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名古屋の老舗粕漬け屋が販売する絶品チーズ粕漬け

細長い守口大根を粕漬にした「守口漬」でお馴染みの大和屋守口漬総本家では、クリームチーズを味醂粕で漬けた「チーズ味醂粕漬」、味醂粕、酒粕と信州みそをブレンドして漬けた「チーズ味噌粕漬」が日本酒ファンの間で大人気。原料に酒粕・味醂粕が使用されているので、お酒との相性がよいのはいわずもがな。

名古屋市内の直営店及び駅の売店にて購入可能。

豆味噌や溜まり醤油の味わいで親しまれている名古屋の料理ですが、じつは、粕漬けも古くから伝えられてきた食文化の一つ。江戸時代末期には、瓜や大根を粕漬にして客に出していたという記録も残されています。

細長い守口大根を粕漬にした「守口漬」でお馴染みの大和屋守口漬総本家では、クリームチーズを味淋粕で漬けた「チーズ味淋粕漬」、味淋粕、酒粕と信州みそをブレンドして漬けた「チーズ味噌粕漬」が日本酒ファンの間で大人気。原料に酒粕・味淋粕が使用されているので、お酒との相性がよいのはいわずもがな。

原料のチーズは国内外を問わず、さまざまなもので試作を繰り返し、粕漬けにもっとも適したニュージーランド産のクリームチーズを使用。やさしい甘味とほのかな粕の香りが広がり、味噌粕漬は、より濃厚な味わいを感じます。あらかじめカットされているのも食べやすくて便利。旨口タイプのお酒やワインと合わせるのがおすすめです。

チーズ味淋粕漬
チーズ味噌粕漬

価格 各1,080円(共に税込・送料別)
大和屋守口漬総本家

※商品価格は記事執筆時点のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。

丁寧な手仕事で造られる岐阜県民のソウルフード

四方を山に囲まれた自然豊かな岐阜県。海のない内陸県ということもあり、魚介の珍味こそ少ないものの、食卓のお供として、また、お酒のアテとして、長きに渡って岐阜県民に愛され続けているのが“明宝ハム”。

岐阜県内のスーパー、百貨店、道の駅などで購入可能。

四方を山に囲まれた自然豊かな岐阜県。海のない内陸県ということもあり、魚介の珍味こそ少ないものの、食卓のお供として、また、お酒のアテとして、長きに渡って岐阜県民に愛され続けているのが“明宝ハム”。
ハムはさまざまなメーカーで造られていますが、昭和28年の製造以来、地元の方たちからの根強い人気を誇るのには、原材料から徹底してこだわったことによって生まれるおいしさがあります。

原料の国産の豚モモ肉は、冷凍肉ではなく生肉のみを使用。筋や血管、余分な脂肪をすべて手作業で取り除き、できるだけ食品添加物の使用を控えていることから、雑味がなく肉の旨味をしっかりと感じられる味わいに仕上がっています。

シンプルな塩味で、そのまま食べてもおいしいですが、厚めにカットしてステーキのように焼いて食べるのもおすすめ。ちなみに、マヨネーズをつけて食べるのが地元流。ビールやワインのほか、冷酒から熱燗まで、幅広い温度の日本酒にも合わせられるおつまみです。


明宝ハム
価格 1,188円(税込・送料別)
明宝ハム

※商品価格は記事執筆時点のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。

上品な味わいでお酒に寄りそう、京都のちりめん山椒

爽やかな柑橘の香りと、ピリッとした上品な辛さで人気の山椒。京料理のアクセントとして使用されることも多いですが、手軽に食べられることで人気なのが「ちりめん山椒」。

祇園の「やよい 本店」ほか、JR京都伊勢丹など百貨店の店舗で購入可能

爽やかな柑橘の香りと、ピリッとした上品な辛さで人気の山椒。京料理のアクセントとして使用されることも多いですが、手軽に食べられることで人気なのが「ちりめん山椒」。

京都の祇園にある「京佃煮舗 やよい」のちりめん山椒は、かつて奈良東大寺の長老、故 清水公照師が“おじゃこ”と名付け、以来、地元の方のご飯のお供として、また、お土産ものとして長く親しまれています。

原料となるいわしの稚魚は、九州・四国産のものを使用。地元・京都の日本酒と家傳の調味料で、職人たちが丁寧な手作業で炊き上げたおじゃこは、ふっくら、しっとり、パラパラの食感に仕上がり、マイルドな醤油の旨味とちりめんの素材本来の味わいが、実山椒の爽やかな辛さと一緒に口の中に広がります。

ご飯のお供が定番の食べ方ですが、お酒のおつまみとして、そのままつまんだり、冷奴のトッピングにするのもおすすめ。清涼感のある伏見の地酒とよく合います。

ちりめん山椒 おじゃこ紙箱入り 80g
価格 1,080円(税込・送料別)
やよい オンラインショップ

※商品価格は記事執筆時点のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。

発祥は江戸時代、お殿様がおすすめした島根のヘルシーフード

日本有数の水揚げ量を誇る境漁港がある鳥取県。しかし、江戸時代は漁港の開発が遅れていたため魚は贅沢な食べ物だったそう。 藩の財政も厳しかったことから、鳥取藩主の池田公は城下の庶民に対し、「魚の代わりに豆腐を食べるように」と質素な食生活を推奨。そこで生まれたのが、魚の代わりに豆腐を使用した“とうふちくわ”です。

とうふちくわの里・ちむら布袋店をはじめ、鳥取市内5つの直営店にて購入可能。

日本有数の水揚げ量を誇る境漁港がある鳥取県。しかし、江戸時代は漁港の開発が遅れていたため魚は贅沢な食べ物だったそう。
藩の財政も厳しかったことから、鳥取藩主の池田公は城下の庶民に対し、「魚の代わりに豆腐を食べるように」と質素な食生活を推奨。そこで生まれたのが、魚の代わりに豆腐を使用した“とうふちくわ”です。


「ちむら」は1865年(慶応元年)の創業当時から「とうふちくわ」を造り続けている老舗店。一般的なちくわは魚のすり身を主原料としますが、ちむらでは豆腐7に対して魚が3の割合で造るとうふちくわを、江戸時代から変わらず受け継いできています。

原料となる豆腐は、素材の食感を感じられるように工夫した自家製の木綿豆腐を特別に造り、つなぎのための魚も淡白なものを使用。香料や保存料を加えず、できるだけ素材の風味を生かし、フワッとした食感に蒸し上げています。わさび醤油や生姜醤油、七味マヨネーズにつけて食べるのがお酒のおつまみとしておすすめです。

とうふちくわ蒸し
価格 292円(税込・送料別)
ちむら オンラインショップ

※商品価格は記事執筆時点のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。

広島産の牡蠣がたっぷりと入った、手軽に食べられる缶つま

プリッとした食感と滋味深い味わいの牡蠣。生食意外にもさまざまな加工品で味わうことができますが、蓋を開けるだけでそのままおつまみになると話題の“缶つま”は、手軽に食べられる便利さで人気です。

広島県内のデパート及び、駅のお土産店などで購入可能。

プリッとした食感と滋味深い味わいの牡蠣。生食意外にもさまざまな加工品で味わうことができますが、蓋を開けるだけでそのままおつまみになると話題の“缶つま”は、手軽に食べられる便利さで人気です。

レインボー食品が販売する「スモークドオイスター オイル漬」は、瀬戸内海で育った牡蠣のむき身を香ばしい木材を使って燻製にした缶詰商品。牡蠣本来の旨味を感じられる味わいで、オイルは綿実油を使用しているので、マイルドでサラッとした食べ口。身がやわらかく、芳ばしい香りもありお酒との相性もぴったりです。

そのままでもおいしくいただけますが、レモン果汁をかけたり、バゲットに乗せたりなどのアレンジで、ワインのおつまみとしても活躍してくれます。
日持ちもするので、自宅にストックしておくのにもおすすめのおつまみです。


スモークドオイスター オイル漬
価格 648円(税込・送料別)
レインボー食品ネットショップ
※商品価格は記事執筆時点のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。

カツオの貴重な部位を使用した、土佐の伝統の酒肴

高知が生んだ酒肴の傑作といわれ、日本酒のアテとして古くから人気の「酒盗」。カツオの内臓を原料にした塩辛ですが、その昔土佐藩主が、「これを肴にすると酒が盗まれるようになくなっていく」と評したことが名前の由来ともいわれています。

高知県内のお土産店、駅、空港、道の駅などにて購入可能。

高知が生んだ酒肴の傑作といわれ、日本酒のアテとして古くから人気の「酒盗」。カツオの内臓を原料にした塩辛ですが、その昔土佐藩主が、「これを肴にすると酒が盗まれるようになくなっていく」と評したことが名前の由来ともいわれています。

酒盗は、カツオの胃や腸や幽門垂などを原料にしますが、「ジキ」と呼ばれる胃の部分だけを使用して造られたのが“飯盗”。酒盗に比べ、コリコリとした食感があるのが特徴です。

土佐の地酒と、みりん、はちみつ、オニオンなどの調味料と合わせてゆっくりと熟成させた飯盗は、塩分が控えめでほのかな酸味があり、食べやすさと食感が評判。温かいご飯に乗せたり、お茶漬けでもおいしく味わえます。
酒肴として、そのままおつまみにしたり、クリームチーズのトッピングや、じゃがバターと合わせるのもおすすめ。お酒はお燗にした辛口の日本酒がよく合います。


飯盗 160g
価格 1,080円(税込・送料別)
福辰

※商品価格は記事執筆時点のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。

有明海で育った珍魚“海のエイリアン”が珍味に

日本では九州最大の湾である有明海にしか生息しないといわれている珍魚“わらすぼ”はご存知でしょうか?ウナギのように細長く、全長は40cmほど。目は退化して小さな点となり、大きな口からは歯が露出しており、その独特な表情から「海のエイリアン」と呼ばれていますが、じつは逆に、エイリアンのモデルになった生物という説があります。

工場直売店「のり道楽」にて購入可能。

日本では九州最大の湾である有明海にしか生息しないといわれている珍魚“わらすぼ”はご存知でしょうか?ウナギのように細長く、全長は40cmほど。目は退化して小さな点となり、大きな口からは歯が露出しており、その独特な表情から「海のエイリアン」と呼ばれていますが、じつは逆に、エイリアンのモデルになった生物という説があります。

地元の佐賀県では、干物や味噌汁の具材にするなど、古くから食卓に並んでおり、カルシウムが豊富に含まれていることから、貴重な食材として大切にされてきたそう。

干しわらすぼは、魚焼きグリルで炙ったり素揚げにすると、香ばしさが広がりお酒のおつまみにぴったり。スルメのように、炙ってマヨネーズと七味で味わうのもおすすめです。また、地元では、「ひれ酒」の要領で造る“すぼ酒”も人気だとか。
ちょっとコワイ顔をした珍味ですが、佐賀のお土産にぜひ。

干しわらすぼ 7尾入
価格 1,458円(税込・送料別)
のり道楽 オンラインショップ

※商品価格は記事執筆時点のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。

うにのような食感と風味を持つ、熊本の極上のおつまみ

熊本県南部に位置する五木村は、かつて源氏との戦いに敗れた平家の落人がたどり着いて住みついた地といわれています。 当時、源氏の目を逃れながらの貧しい生活の中で、保存食として作られたのが「豆腐の味噌漬」。以来800年受け継がれてきた伝統の保存食を、現代風にアレンジしたのが“山うにとうふ”です。

五木屋本舗本店ほか、熊本駅、熊本城の直営店などで購入可能。

熊本県南部に位置する五木村は、かつて源氏との戦いに敗れた平家の落人がたどり着いて住みついた地といわれています。
当時、源氏の目を逃れながらの貧しい生活の中で、保存食として作られたのが「豆腐の味噌漬」。以来800年受け継がれてきた伝統の保存食を、現代風にアレンジしたのが“山うにとうふ”です。

原料となる大豆は九州産の「ふくゆたか」を使用。日本を代表する名水で、大豆の密度を極限まで高めて造った五木堅豆腐を、深い甘味を生む秘伝のもろみ味噌に漬け込み、じっくりと時間をかけて長期の熟成をしたことで、豆腐とは思えない、濃厚な味とまろやかな食感が生まれ、まるで「うに」を思わせる味わいとのことから“山うにとうふ”と命名されました。

しっかりと感じる旨味はお酒との相性もよく、日本酒や焼酎のアテにぴったり。チーズのようにクラッカーに乗せてワインと合わせてもたのしめます。


山うにとうふオリジナル
価格 710円(税込・送料別)
五木屋本舗オンラインショップ

※商品価格は記事執筆時点のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。

以上、“ご当地おつまみ 西日本編”をご紹介しましたが、その土地の食文化や、歴史との関わりから誕生したものなど、特色のある商品が揃い、味わいもさまざま。
お好きなお酒はもちろんのこと、その土地の地酒と合わせると、風土を感じられてよりたのしめることでしょう。出張やご旅行の際のお土産のご参考になさってくださいね。


前回の<東日本編>はこちらをご覧ください。

ライタープロフィール

阿部ちあき

日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定 きき酒師 日本酒・焼酎ナビゲーター公認講師
全日本ソムリエ連盟認定 ワインコーディネーター

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