アルコール入りの「シャーリーテンプル」とは?
「シャーリーテンプル」は、ジンジャーエールをベースにしたノンアルコールカクテルというのが一般的。ところが、京都のバーで「シャーリーテンプル」を注文すると、アルコール入りのカクテルが出てくるといいます。いったいどんなカクテルなのでしょうか?
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一般的な「シャーリーテンプル」のレシピ
まずは一般的な「シャーリーテンプル」のレシピを紹介します。グレナデンシロップの甘味がアクセントになったノンアルコールのカクテルです。
<レシピ>シャーリーテンプル
【材料】
ジンジャーエール…130ml
グレナデンシロップ…20ml
レモン…1個
【作り方】
1.タンブラーグラスの中に、らせん状にむいたレモンの皮を入れる。
2.レモンの上から氷を入れ、ジンジャーエールとグレナデンシロップを注いだら、軽くステア(スプーンで手早くかき混ぜる)して完成!
なお、レモンはチェリーやライムになることもあります。
1930年代にアメリカで誕生した「シャーリーテンプル」は、当時アメリカで人気だった子役女優から名づけられました。「家族でバーに行って子どもが飲めるように」との思いから作られたカクテルだったのです。
カシスベースの「シャーリーテンプル」
このように、子どものために誕生した「シャーリーテンプル」ですが、京都では、まるで異なるレシピが存在します。次に、関西で愛される「シャーリーテンプル」の標準レシピを見てみましょう。
<レシピ>シャーリーテンプル(京都)
【材料】
クレーム・ド・カシス…40ml
グレープフルーツジュース…60ml
トニックウォーターまたはソーダ…適量
【作り方】
1.タンブラーグラスにカシスとグレープフルーツジュースを入れて混ぜる。
2.トニックウォーターを少量入れたら軽くステアして完成!
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「シャーリーテンプル」のレシピは非常にあいまいで、グレープフルーツジュースはオレンジジュースや乳酸菌飲料に変わることもあるといいます。「スプモーニ」のリキュールをカンパリからカシスに変えたレシピ、あるいは炭酸入りの「カシスグレープフルーツ」と考えてもよいでしょう。
なぜこのようなカクテルが誕生したのかは不明です。創作したのは関西のバーテンダーだそうで、そのバーテンダーが「シャーリーテンプル」を飲み、特徴が甘味と炭酸であることを知り、それがノンアルコールカクテルと知らずに作ったのかもしれません。酒場で生まれるカクテルレシピの生い立ちがよくわかる好例ともいえます。
変わり種「シャーリーテンプル」を飲んでみよう
関西在住の方でない限り、アルコール入りの「シャーリーテンプル」を飲む機会はほとんどないと思います。気になる方は、今回紹介したカシスベースの変わり種「シャーリーテンプル」をぜひお試しください。味はもちろん、カクテル作りの面白さに気付き、きっと独自の創作レシピを作りたくなるはずです。