「ヴィンテージワイン」の定義と魅力を改めて知ろう!

「ヴィンテージワイン」の定義と魅力を改めて知ろう!
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ヴィンテージワインと聞けば、誰もが「高級なワイン」をイメージするでしょうが、そもそもヴィンテージワインとはどんなワインなのでしょう? 今さら人には聞きづらいヴィンテージワインの定義や、そのたのしみ方について、改めて調べてみました。

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「ヴィンテージワイン」に込められた2つの意味

「ヴィンテージワイン」に込められた2つの意味

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ヴィンテージワインといえば、ワインのなかでも高級なイメージがありますが、改めて「ヴィンテージワインって何? 」と質問されると、うまく答えられない人もいるかもしれません。

本来「ヴィンテージ」とは、そのワインの原料となったブドウの収穫年のことです。ワインのラベルに「2000」とあれば、そのワインのブドウが2000年に収穫されたものを意味しています。そうした収穫年が記されたワインのことを「ヴィンテージワイン」と呼びます。

ブドウはワインの味わいを決定づける重要な要素ですが、農作物ですので年ごとの天候などによって品質が異なるもの。このため、同じワイナリーのワインでも、ヴィンテージが違えば味わいも異なります。ヴィンテージは、そのワインの個性を示すものであり、いわゆるブドウの当たり年に造られた上質なワインは「よいヴィンテージのワイン」や「ビッグヴィンテージ、グレートヴィンテージのワイン」として珍重されます。

ワインのヴィンテージを示すのは、当たり年かどうかを把握するだけでなく、もうひとつの意義があります。それは、ワインの熟成度合いを表すためです。
高級なワインは、瓶詰めしてから数年間、長いものだと数10年間も寝かせることがあります。造られた当初は香りや渋味が粗かったワインでも、時を経て熟成されることで、バランスのとれた味わいとなります。
こうした長期にわたる熟成の際に、生産者や販売者、ワイン愛好家はラベルに記したヴィンテージをもとに、そのワインの飲み頃を見極めているんですね。

このように、ヴィンテージワインは「収穫年によって味わいが異なる」「熟成によって味わいが変化する」という、ワインの大きな2つの特徴を示しています。

ヴィンテージワイン=高級ワインなの?

ヴィンテージワイン=高級ワインなの?

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ヴィンテージワインとは、前述のように、ヴィンテージ=ブドウの収穫年を記したワインのこと。ブドウは収穫年によって品質が上下しますので、単純に「ヴィンテージワイン=高品質なワイン」とは言い切れません。

ただ、一般的に市場に出ている古いヴィンテージのワインは、当たり年に収穫されたブドウを原料にした「よいヴィンテージのワイン」が多く、しっかりと熟成されたこともあって、驚くほどおいしいワインに出会うこともあります。このため、「よいヴィンテージのワイン」を、単に「ヴィンテージワイン」と呼ぶことも多くなっています。

ヴィンテージワインについて語る際は、本来の意味の「ヴィンテージのついたワイン」なのか、当たり年のブドウを使った「よいヴィンテージのワイン」なのか、きちんと区別して使いたいものですね。

ヴィンテージワインのたのしみ方を知ろう

ヴィンテージワインのたのしみ方を知ろう

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ヴィンテージワインをたのしむためには、いくつかのポイントがあります。

まず、何より大切なのが、そのワインのヴィンテージが当たり年なのかどうかを見極めること。
以前はソムリエなどの専門的な知識が求められましたが、ありがたいことに、近年ではワインの専門誌やWebサイトなどで、ヴィンテージワインの専門家が当たり年の早見表を公開しています。
こうした資料を探してみれば、年代別、地域別で当たり年のヴィンテージワインを見つけることができます。

可能であれば、同じ地域、同じ生産者のワインで、当たり年でないヴィンテージのワインも同時に購入してみましょう。両者を飲みくらべてみれば、「これがよいヴィンテージのワインか! 」と実感できるでしょう。

ヴィンテージワインをたのしむもうひとつのポイントは、飲む前の準備です。
「よいヴィンテージのワイン」と評価されているものは、長い熟成年月を経たワインが多いので、おいしく飲むためには注意が必要です。

ワインは瓶内で熟成される過程で、不溶性の沈殿物である「オリ」が発生します。ポリフェノールやタンニン、アントシアニンなどを豊富に含んだ上質なワインほど、オリが発生しやすくなります。

オリは飲んでも問題ありませんが、口当たりが悪く、渋味が強いため、ワインを味わう妨げになります。そこで、熟成されたヴィンテージの古いワインを飲む前に、1週間ほどボトルを立てておくのがポイントです。
こうすることで、配送時の振動で瓶内全体に浮遊したオリが瓶底に沈んで、ワインを注ぐ際に、グラスにオリが入るのを防ぐことができます。

また、熟成を重ねたワインでは、コルクがもろくなっていることがありますので、若いワインのように、勢いよく抜くのでなく、ゆっくり、ていねいに引き抜きましょう。

ヴィンテージの古いワインをたのしむ際は、デキャンタを用意しておくことをおすすめします。デキャンタを使えば、オリを取り除くこともできますし、万一、コルクが崩れて瓶内に落ちても安心ですね。

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