福島の日本酒【一歩己(いぶき)】180年の伝統が生み出す美酒

福島の日本酒【一歩己(いぶき)】180年の伝統が生み出す美酒
出典 : 豊國酒造サイト

「一歩己」を産んだ豊國酒造は、福島県の阿武隈山峡にある小さな町の酒蔵です。江戸時代に創業してから180年、伝統を大事にしながらも、現代嗜好を上手に取り入れて新たに生み出した銘柄が「一歩己」。その魅力を紹介します。

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「一歩己」が受け継ぐ180年の歴史と伝統

「一歩己」が受け継ぐ180年の歴史と伝統

出典:豊國酒造サイト

「一歩己」の造り手である豊國(とよくに)酒造は、江戸時代後期の天保年間(1831~1845)に創業した老舗の酒蔵です。

豊國酒造では、最高の“地酒”を造るには“地元産”にこだわることが大切と考え、地元農家がていねいに育てた米を、阿武隈山峡の伏流水で仕込んだ日本酒造りを続けてきました。
また、気候のわずかな違いを五感で感じとり、酒造りに活かすため、人の手による少量生産体制を貫いています。

創業以来の銘柄である「東豊国(あづまとよくに)」は、こうした酒造りの伝統を重視した、まさに“地酒”。一方の柱となる「一歩己」は、「伝統・格式+モダン」をコンセプトに、2011年に新たに誕生した銘柄。この2つの銘柄によって、伝統と格式を継承しながら、現代の嗜好に合った酒造りを追求しています。

「一歩己」がめざす飽きのこないおいしさ

「一歩己」がめざす飽きのこないおいしさ

出典:豊國酒造サイト

「一歩己」の産みの親は、豊國酒造の9代目の蔵元、矢内賢征氏です。この印象的な名前には、「焦らず、急がず、たゆまず、一歩ずつ酒造りを行っていこう」という、若き蔵元の意思が込められています。
また、経営者と酒造りの責任者を兼ねる「蔵元杜氏」に就任した翌年に開発したことから、己の第一歩を踏み出した酒という意味もうかがえます。

地元産の酒米「美山錦」をおもに使用し、阿武隈山峡の湧き水で仕込むのは同じでも、「一歩己」はフルーティな酸味や、さわやかなあと味など、「東豊国」とはまた異なる魅力を備えています。
酒の味には造り手の個性が反映されるといわれるように、若き蔵元杜氏の酒造りへのまっすぐな想いが、その味わいを支えているのでしょう。

「一歩己 うすにごり」は春の息吹を感じる味

「一歩己 うすにごり」は春の息吹を感じる味

出典:豊國酒造サイト

「一歩己」には、通年商品の「純米原酒」のほか、初冬の候(12・1月)の「無濾過生原酒」、厳寒の候(2・3月)の「うすにごり」、新秋の候(9・10月)の「純米吟醸」といった季節限定商品があります。

なかでもおすすめが「うすにごり」。ほのかに広がる甘味と苦味が春の息吹を感じさせる、さわやかな味わいが特徴です。
福島県の2〜3月は冬の寒さが残る季節にあたり、日差しが恋しくなってくるころ。早春の淡雪をイメージさせるような可憐な日本酒が、ひと足早い温かさを届けてくれることでしょう。

新酒の時期に登場する「うすにごり」は、日本酒のボジョレーヌーボーのようなもの。熟成期間を経たまろやかさがない代わりに個性を感じやすく、フレッシュな香りをたのしめます。

「一歩己」は福島の豊かな自然に育まれ、集う人に愛される日本酒。季節ごとに異なる味わいを飲みくらべるのもたのしそうです。

製造元:豊國酒造合資会社
公式サイトはこちら

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