ランブルスコとは?高コスパで人気のイタリア産発泡性ワインを紹介!

ランブルスコとは?高コスパで人気のイタリア産発泡性ワインを紹介!
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ランブルスコは、イタリア北部のエミリア・ロマーニャ州で生産されている発泡性ワインです。「赤の弱発泡性ワイン」のイメージが強いですが、白やロゼなど多彩な種類があります。今回はランブルスコの特徴や原料のブドウ品種、飲み方などについて紹介します。

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イタリアの人気スパークリングワイン、ランブルスコの魅力に迫ります。

イタリアの発泡性ワイン、ランブルスコとは?

ランブルスコはイタリアの発泡性ワイン

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ランブルスコは、イタリアのエミリア・ロマーニャ州で造られている発泡性ワイン(英:スパークリングワイン/伊:スプマンテ)です。一般的に、甘味・渋味・酸味のバランスがとれたフルーティーな味わいで、アルコール度数も約8~11度と低めで飲みやすいため、初心者をはじめ幅広い層に人気があります。1,000円台くらいのリーズナブルな価格も魅力のひとつです。

日本でランブルスコといえば、「赤の弱発泡性(微発泡性)ワイン」というイメージが強いですが、白やロゼなども造られています。また弱発泡性の「フリザンテ/フリッツァンテ(Frizzante)」が主流ではありますが、発泡が強めの「スプマンテ(Spumante)」タイプもあり、その種類はさまざまです。

なお、一般的に、20℃で3気圧以上のガス圧を持つものがスパークリングワイン、それ未満は弱発泡性ワインに分類されます。

ランブルスコは美食の都で生まれた

ランブルスコは美食の都で生まれた

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ランブルスコは、アドリア海に注ぐイタリア最大の河川、ポー川下流域の、エミリア・ロマーニャ州とロンバルディア州南東部で生産されています。生産地区は、エミリア・ロマーニャ州のモデナ地区とレッジョ・エミリア地区、ロンバルディア州のマントヴァ地区の大きく3つに分けられ、ボトルラベルにもそれぞれの知名が記されています。

ランブルスコの故郷のひとつ、エミリア・ロマーニャ州は、美食の都として知られます。古くから交通の要衝として栄えた地域で、港町から内陸部へと続くエミリア街道には、ボローニャやパルマ、モデナなどイタリアでも有数の美食の街が並び、「美食街道」と呼ばれて親しまれています。

この地を代表する食品には、パルマ産生ハム「プロシュート(プロシュット)」や、モデナ産バルサミコ酢、「イタリアチーズの王様」と称されるパルミジャーノ・レッジャーノなどがあり、どれもイタリアの食文化を支える特産品や名産品です。

また州都・ボローニャといえば、なんといってもボローニャ料理。パスタのボロネーゼやトルテッリーニ、ラザニア、ボローニャソーセージ、ボローニャ風仔牛のカツレツなど、数多くのおいしい料理で美食家たちの舌を唸らせています。

ランブルスコは、郷土料理や食品との相性も抜群。ドルチェ(スイーツ)にも合わせやすいので、ボローニャの代表的なドルチェ、「トルタ・ディ・リーゾ(お米のタルト)」などとペアリングしてみるのもよさそうですね。

ランブルスコのブドウ品種は1種類だけじゃない!

ランブルスコのブドウ品種は複数

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ランブルスコに使われるブドウ品種は1種類ではありません。どんな種類があるのか確認していきます。

ランブルスコの種類は豊富

ランブルスコは、ランブルスコ種というブドウ品種の総称で、100種類ほどあるといわれています。そのうち、ワインの原料として使われているのが、ソルバーラ種、グラスパロッサ種、サラミーノ種、ルベルティ種、マラーニ種、マエストリ種など約10種類です。

ランブルスコの代表的なブドウ品種

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ランブルスコに使われる代表的なブドウ品種

ランブルスコのブドウ品種のなかでも、とくに高品質のランブルスコに仕上がるといわれているのが、以下3種類のブドウ品種です。それぞれのおもな特徴を紹介します。

ランブルスコ・ディ・ソルバーラ

ランブルスコ品種のなかでも古い品種。これを60%以上使用したものは、「ランブルスコ・ディ・ソルバーラDOC」を名乗れます。スミレのような香りを持つため、ランブルスコ・ディ・ヴィオラ(スミレ)と呼ばれることもあります。果実味や渋味、タンニンが控えめの、エレガントでフレッシュな味わいが特徴です。ほとんどが辛口タイプのランブルスコになります。

ランブルスコ・グラスパロッサ

アーモンドのようなアロマや、熟したブラックチェリーやダークプラムを想わせる黒系果実の香りが特徴です。果実味が豊かで、力強い酸味やタンニンがあり、重厚感のあるランブルスコが造られます。この品種を85%以上使用したものは、「ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロDOC」と名乗れます。

ランブルスコ・サラミーノ

ランブルスコのなかでも最大の栽培面積を誇る品種。サラミの形に似ていることからこう呼ばれるようになりました。果実味が濃厚で、ソルバーラと比べるとタンニンが豊富。優雅さと力強さを兼ね備えていて、上記2つの中間タイプといわれています。この品種を85%以上使用したものは、「ランブルスコ・ディ・サラミーノ・ディ・サンタ・クローチェDOC」となります。

セッコとは? ランブルスコは甘口~辛口まで4種類に分けられる!

ランブルスコは甘口から辛口まである

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ランブルスコのボトルラベルには、「セッコ」「ドルチェ」などと表示されていることがあります。これは、ワイン中に残っている糖分の量を指し、残糖量によって甘口から辛口まで分類されます。

ランブルスコを選ぶときの参考までに、覚えておくと便利な残糖量の表示をピックアップして紹介します。

スパークリングワイン(スプマンテ)

◇ブルット(Brut)…12グラム/リットル未満
◇エクストラ・セッコ(Extra Secco)またはエクストラ・ドライ(Extra Dry)…12~17グラム/リットル
◇セッコ(Secco)またはドライ(Dry)、アシュット(Asciutto)…17~32グラム/リットル
◇セミ・セッコ(Semi secco)、アッボッカート(Abboccato)…32~50グラム/リットル
◇ドルチェ(Dolce)…50グラム/リットル以上

※プラスマイナス3グラム/リットルまでの許容範囲が認められています。

弱発泡性ワイン(フリザンテ)

◇セッコ(Secco)…4グラム/リットル以下 ※ほか規定あり
◇セミセッコ(Semi secco)…~12グラム/リットル以下 ※ほか規定あり
◇アマービレ(Amabile)…~45グラム/リットル未満
◇ドルチェ(Dolce)…45グラム/リットル以上


残糖量が少ないほど辛口に、多いほど甘口のランブルスコになります。

ちなみに、ランブルスコが一大ブームとなった1970~80年代ごろには、アメリカを中心に甘口タイプが爆発的な人気を博しました。近年アメリカでは、やや甘口のアマービレが愛されています。日本でも、ドルチェやアマービレなどの甘口タイプを中心に、やや辛口のセッコなども流通していて、飲みやすさから人気となっています。

ランブルスコの飲み方

ランブルスコの飲み方

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ランブルスコの甘口タイプは、よく冷やして飲むのがおすすめ。甘さがスッキリして、バランスのよい味わいをたのしめます。辛口タイプは軽く冷やす程度でOKです。なお、炭酸が抜けても数日程度はおいしく飲めます。

ランブルスコは、比較的どんな食事とも合わせやすいのが魅力です。なかでも前述の郷土料理や食品との相性は抜群なので、飲む際にはぜひ、パルマ産生ハムやサラミ、チーズなどとペアリングしてみてくださいね。

また、一般的にランブルスコの辛口タイプはイタリア料理全般と合います。口の中の脂分を洗い流してくれるので、地元ではよく辛口が飲まれているそう。甘口タイプはスイーツやチーズなどに合い、食後のひとときにもぴったりです。

ちなみに、イタリアの有名なオペラ歌手、マリア・カラスやルチアーノ・パヴァロッティも、ランブルスコを愛飲していたといわれています。マリア・カラスは、フルーツやタルタルステーキなどを合わせていたそうですよ。

イタリアの発泡性ワイン「ランブルスコ」は、赤・白・ロゼなどの種類があり、甘口~辛口、スプマンテやフリザンテなど多種多様なタイプが造られています。ぜひ産地の郷土料理などと合わせて、味わってみてくださいね。

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