バローロはイタリアワインを代表する「ワインの王」
バローロはイタリアを代表する赤ワインのひとつで、古くから「ワインの王」と称され、世界的な人気を博してきました。ここでは、バローロの魅力とともに、バローロとともに「イタリア3大赤ワイン」と呼ばれるワインについても紹介します。
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バローロはイタリア産の“偉大な”赤ワイン
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バローロはネッビオーロ種の重厚なタンニンが魅力
バローロは、イタリア北西部のピエモンテ州で造られる、イタリアを代表する高級赤ワイン。重厚かつ深遠な味わいは、「王のワインであり、ワインの王」と称され、世界的な名声を博しています。
バローロは、栽培の難しい黒ブドウ品種「ネッビオーロ」のみを原料とし、最低でも38カ月以上かけて熟成することが法で定められています。長期熟成により完成するその味わいは、豊かな酸と深く重厚感のあるタンニン、獣やなめし革のような香りが特徴です。
バローロはD.O.C.G.に認定される最高級のイタリアワイン
バローロの産地、ピエモンテ州では、かつては甘口のワインが主流で、バローロの原型となる、ネッビオーロ種を使用した辛口のワインが造られるようになったのは19世紀中頃のことです。
1963年にイタリアワインの格付けを規定するDOC法(原産地呼称管理法)が制定されると、バローロは1966年にはD.O.C.(統制原産地呼称ワイン)に、1980年には最上位のカテゴリーであるD.O.C.G.(統制保証つき原産地呼称ワイン)に認定され、イタリア最高級の座をゆるぎないものにしました。
バローロの特徴と選び方
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バローロの製法は「伝統派」と「モダン派」で異なる
伝統的なバローロは長期熟成を前提としていますが、20世紀になると、新たな技術を導入し、短めの熟成期間でバローロを造り出す「モダン派」と呼ばれる造り手が登場しました。
「伝統派」のバローロは、色調が淡く、酸味とタンニンがしっかりとしています。これに対し、「モダン派」のバローロは色が濃く、樽の香りと果実味が強いのが特徴です。
現在では双方の利点を取り入れた「折衷派」と呼ぶべき造り手も多く、生産者ごとにさまざまな味わいのバローロが造られています。
バローロの味わいは産地によっても違いがある
バローロは現在、5大産地と呼ばれるバローロ、カスティリオーネ・ファッレット、セッラルンガ・ダルバ、モンフォルテ・ダルバ、ラ・モッラをはじめとする11の村で造られていますが、エリアによって味わいが異なります。
カスティリオーネ・ファッレット、セッラルンガ・ダルバ、モンフォルテ・ダルバが位置する東側のエリアでは、重厚でパワフルな味わいになる傾向があります。一方、バローロやラ・モッラといった西側のエリアでは、エレガントな味わいを特徴とするものが多いようです。
バローロと並ぶイタリア3大赤ワイン、バルバレスコとブルネッロ
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バローロと人気を二分する“女王”バルバレスコ
バルバレスコは、バローロと同じネッビオーロ種を使用して造られる赤ワインです。
バローロの熟成期間は最低でも38カ月以上ですが、バルバレスコの熟成期間は26カ月以上と定められています。畑の違いのほか、こうした熟成期間の差もあり、バルバレスコは、バローロと比べてタンニンや酸味がやわらかく、エレガントな味わいが特徴。このため「バローロの弟分」「イタリアワインの女王」などと称されています。
バローロよりも長く熟成され、力強い味わいのブルネッロ
バローロ、バルバレスコと並ぶイタリア3大赤ワインのひとつ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ は、トスカーナ州モンタルチーノ地区で造られるワインです。
イタリアワインで多く使用されるサンジョヴェーゼ種の突然変異種であるブルネッロ種を100%使用し、最低でも50カ月、熟成させます。タンニンがしっかりした力強い味わいで、ヴィンテージであるほど、飲みたい時間を考慮して早めの抜栓が勧められる傾向があります。
イタリアを代表する「ワインの王」、バローロは、産地や生産者によって多様な味わいが生み出されているのも魅力です。産地や生産者の特徴を意識してみることで、より深いたのしみが得られることでしょう。