ロゼワインとは? 味わいや種類、華やかな色合いの秘密、フードペアリングなどを知っておこう

ロゼワインとは? 味わいや種類、華やかな色合いの秘密、フードペアリングなどを知っておこう
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ロゼワインは、淡く華やかなピンク色が特徴のワイン。赤ワインと白ワインのよさをあわせ持つうえ、料理にも合わせやすい万能のワインといわれています。今回は、ロゼワインの製法や種類、華やかな色の秘密、そしてフードとのペアリングまでを解説していきます。

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ロゼワインとはどんなワイン?

ロゼワインとはどんなワイン?

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ロゼワインの魅力は近年のブームも含めて、ワイン好きなら誰もが認めているところ。あらためて、ロゼワインについての知識を基本から押さえておきましょう

ロゼワインとは?

ロゼワインの「ロゼ」は、独特の華やかな色を表しています。ロゼとは、フランス語で「バラ色」という意味。ややオレンジにも近いような濃いピンク色が、ロゼワインの最大の特徴といえるでしょう。

そんなロマンチックで華やかな見た目に加えて、コクのある赤ワインとすっきりした白ワインそれぞれの特徴、両者の「いいとこどり」をしているようなところも、ロゼワインの魅力です。合わせられる料理の幅広さも、ワイン好きに支持される理由のひとつといえそうです。

ロゼワインの色バリエーションと味わい

ロゼワインのバラ色には、淡い色から濃い色まで豊富なバリエーションが存在します。色の濃淡は使用するブドウ品種や製法によって変わってきます。並べて比較する機会があったら、美しい色味の違いを堪能してください。

ロゼワインの味わいは、赤ワインや白ワインと同様に甘口から辛口まで幅広く、この両ワインのよさをあわせ持っています。味わいを表すときは、おもに赤ワインのように「フルボディ」=濃厚でコクが深い、「ミディアムボデイ」=フレッシュでフルーティーといった表現のほかにも、「しっかり」「スッキリ」といった表現で伝えます。

ロゼワインの甘味は、赤ワインや白ワインと同様に材料となるブドウの完熟度や、醸造時の発酵度合いによって異なります。酸味については、ブドウの酸味や収穫年の天候などによって違いが出てきます。

ロゼワインの華やかな色合いの秘密

ロゼワインの華やかな色合いの秘密

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ロゼワインの魅力のひとつ、華やかな色合いはどのようにしてできあがっているのでしょうか。製法からひも解いていきましょう。

ロゼワインにはおもに3つの製法がある

ロゼワインの製法は、おもに以下の3つに分けられます。

セニエ法

赤ワイン用の黒ブドウを使い、赤ワインと同じようにつぶして皮と種と一緒にタンクに入れ、短期間置いたあとに上澄みの果汁だけを発酵させるのが「セニエ法」。セニエとは、フランス語で「瀉血(しゃけつ)」=血抜きという意味で、果皮と種子を残して果汁のみ抜き取る様子を、このような名前で表現するようになりました。
ほかの製法と違うのは、果汁が果皮と一緒の時間が長いこと。これによって色が濃く、タンニン成分が多く含まれるロゼワインに仕上がる傾向があります。

直接圧搾法

赤ワイン用の黒ブドウを使いながら、白ワインと同じように黒ブドウの果汁だけを発酵して作る方法。この製法では、ブドウを搾る際に果皮に含まれる赤い色素が混ざることによって、ロゼの色が生まれます。ブドウの皮と接している時間は「セニエ法」より短いため、淡い色のロゼワイン仕上がる傾向があります。

混醸法

黒ブドウと白ブドウを混ぜて仕込み、「セニエ法」と同じように発酵させる製法。赤と白を混ぜた色にも見えますが、ワイン同士を混ぜるのではなく、発酵させる前、果実の段階で混ぜるのが特徴です。
黒ブドウと白ブドウを皮のままタンクに入れて発酵させることで黒ブドウの皮から赤い色素が果汁に溶け出していきます。その色素が白ブドウの皮の色素で薄められるので、薄いピンク色のロゼワインになるのです。この製法は、おもにドイツで行われています。

赤ワインと白ワインを混ぜる製法もある

ロゼワインは、その特徴的な色から「赤ワインと白ワインを混ぜて造る」といった誤解を招きがちですが、これはワイン造りの伝統国では一般的に行われている手法ではありません。伝統的なロゼワインの製法を守るという点からすると、むしろEU内では禁止されています。

ただし、フランスのシャンパーニュ地方で造られているスパークリングワイン「シャンパーニュ」のロゼだけは例外。シャンパーニュ地方では法律でブドウの品種や製法が細かく定められているため、赤ワインと白ワインを混ぜる製法「アサンブラージュ法(アッサンブラージュ法)」が認められているのです。

ロゼスパークリングワインの造り方は2通り

ワインに炭酸ガスを含ませたスパークリングワインも、スッキリと飲みやすく人気が高まっていますが、ロゼワインにもスパークリングワインがあります。
ロゼのスパークリングワインには、一般的に、醸造したロゼワインに炭酸ガスを直接注入する方法と、二次発酵によってガスを発生させるものと、2通りの製法があります。

ロゼシャンパーニュに関しては、赤ワインと白ワインをブレンドする「アサンブラージュ法」を加えた3通りの製造方法が採用されています。

ロゼワインもっとおいしく味わうには?

ロゼワインもっとおいしく味わうには?

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ロゼワインと料理の関係やおいしい飲み方、ロゼワインで作るおすすめカクテルを紹介します。

ロゼワインの色の濃さとフードペアリングの関係

ワインといえば、料理とのペアリングというたのしさがありますが、赤ワインと白ワイン、両方の長所をあわせ持っているロゼワインは、基本的にどんな料理にも合わせやすいのが特長です。

生ハムやソーセージ、テリーヌといったシャルキュトリから、トマトソースベースのイタリアン、和食のしょうゆの味つけ、ダイナミックな中華やスパイシーなエスニックと、ワールドワイドな食とのマリアージュがたのしめるのも、ロゼワインの長所といえます。
食材にしても、シーフードから甲殻類、鶏肉、豚肉まで、おいしくいただけるのも魅力。ロゼワインなら料理との相性で頭を悩ませることなく、いつでもどこでも、カジュアルにペアリングをたのしむことができるのです。

ロゼワインのおいしい飲み方

本場フランスでは、夏の定番とされているロゼワイン。キンキンに冷やしたり、ときには氷を入れたりして、リラックスして味わうのがおすすめです。

ロゼワインには甘口と辛口といったバリエーションがありますが、白ワインの適温がおもに甘口か辛口かで決まるのに対して、ロゼワインの場合は合わせる料理によって適温が変わってきます。

淡いピンク色のロゼワインは渋味成分のタンニンが強くないので、味つけの繊細な和食や魚介料理などによく合います。このようなあっさり系の料理に合わせるときは、6〜10度程度で味わうとよいでしょう。
濃いピンク色のロゼワインは、薄いロゼよりと比べて渋味が増し、濃い味つけのシチューや中華などと相性が抜群です。このように濃い味つけの料理と一緒にいただく場合は、10〜18度程度が適温とされています。

とはいえ、ロゼの色だけで決めてしまうと「思っていたのと違っていた」ということもあり得るので、商品ラベルを見て、味わいを確認するようにしましょう。ロゼワインの繊細な色の違いと味の違いを味わうのもまた、ワインを知るたのしみになります。

ロゼワインで作るおすすめカクテル

ロゼワインはそのまま味わうだけでなく、カクテルにして見た目と味をたのしむこともできます。ここでは、ロゼワインで作るおすすめカクテルを紹介します。

ロゼ・パンプルムース(ロゼパン)

ロゼを使ったカクテルで人気なのが、「ロゼ・パンプルムース」。パンプルムースはフランス語でグレープフルーツを意味します。同量のロゼワインとグレープフルーツジュースを合わせて、お好みでハチミツをプラス。生の果汁を搾っても、市販のジュースを使っても、おいしくいただけます。

フローズン・ロゼ(フロゼ)

数年前にブームとなり、フローズンとロゼを合わせて「フロゼ」という造語で人気を集めた「フローズン・ロゼ」。その名のとおり、ロゼワインを凍らせてフローズン状態にしたもので、イチゴや桃、グレープフルーツ、ブルーベリーなどのフルーツとシロップを加えて作ります。デザート、スイーツのようなかわいいビジュアルが目を惹く一品です。

ロゼ・マルガリータ

ロゼワインとテキーラ、シロップで作るカクテル「ロゼ・マルガリータ」も、定番として愛されています。レモン汁とミントを足して、すっきりとした味わいに。

料理に合わせやすいロゼワインは、レストランではもちろん、自宅でも家庭料理に合わせて気軽にたのしむことができます。暑い季節にはとくに、スッキリとした味わいのロゼワインやロゼスパークリングワインが重宝します。飲み方のバリエーションにもぜひ、挑戦してみてください。

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