ワインなのにノンアルコール! その秘密とは?
ノンアルコールのワインが、近年、注目を集めています。ノンアルコールだと「ワインとは言ってもブドウジュースのような味では?」と思われそうですが、じつは味も香りもワインに限りなく近いものなのです。お酒が好きな人も、そうでない人でもたのしめるノンアルコールワイン。その魅力を紹介します。
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ワインだけどノンアルコールってどんなもの?
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ノンアルコールワインの製法には2種類ある
ノンアルコールのワインを造るには、大きく2種類の製法があります。ひとつは、通常のワインからアルコールを除去する方法。もうひとつが、そもそもアルコールを生成させずに造る方法です。
2つの製造方法について、詳しく見ていきましょう。
ノンアルコールワインを造る方法1 脱アルコール製法
ノンアルコールワインの製造法のひとつめが、通常のワインからアルコールを除する「脱アルコール製法」です。
アルコールを除去する方法も複数ありますが、ヨーロッパで約20年前から主流となっているのが「蒸溜法」。ワインの風味を損なわないよう、減圧環境下で低温蒸溜によりアルコールを除去しています。
その後も各メーカーが、いかにワインそのものの味わいを活かすかをテーマに工夫を重ね、「逆浸透法」や「揮発性物質回収法」といった新手法を開発しています。
ノンアルコールワインを造る方法2 アルコール風製法
ノンアルコールワインのもうひとつの製法が、最初からアルコールができないように造り、あとからアルコールの風味をつける「アルコール風製法」です。
アルコールのもととなる糖分を減らしたり、発酵を途中で止めたりと、こちらもさまざまな方法があります。
脱アルコール製法と比べて、果汁成分を強く感じられるのが特徴です。
ノンアルコールワインの味わいは?
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ノンアルコールだけどワイン!? 一体どんな味わい?
ノンアルコールワインは、どちらの製法でもワイン用のブドウを原料としています。近年では、製法の研究も進んで、よりワインらしい香りや味わいをたのしめるようになっています。
「ノンアルコールのワインはブドウジュースと一緒では?」と思われるかもしれませんが、まったく別物。ワインと同様にたのしめます。
ノンアルコールワインのメリット1:お酒が飲めない人もOK!
ノンアルコールワインの一番のメリットが、アルコールを受け付けない体質の人や、車を運転する人、妊婦さんでも安心して飲めること。
日本のノンアルコール飲料の規定は「1.0%未満」とされているため、従来はノンアルコールワインとはいえ微量のアルコールを含む商品もありましたが、近年はアルコール度数0.0%の商品が増えてきています。
お酒が飲めない人でもたのしめるよう、ホームパーティーなどでは、1〜2本はノンアルコールワインを用意してはいかがでしょうか?
ノンアルコールワインのメリット2:食事とも好相性でヘルシー!
ノンアルコールのワインは、食事に合わせて飲むのもオススメです。味や香りはもちろん、見た目もワインそのもので、甘口から辛口、赤、ロゼ、白、スパークリングなど味も種類も豊富です。
ワイン用ブドウが原料なので、ワインと同様にポリフェノールは豊富。一方で、アルコールを含まないので、カロリーは通常のワインの半分ほど。ブドウの糖分を除去している商品もあり、糖質も低めなので、ダイエットが気になる女性から人気を集めるのも納得です。
ワインのノンアルコール銘柄おすすめ3選!
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ノンアルコールワインはさまざまなメーカーから
ノンアルコールのワインは、ノンアルコール飲料の需要の高まりを受けて、近年、世界中のワイナリーや飲料メーカーが注力しています。多彩なノンアルコールワインのなかから、入手しやすいオススメ商品を紹介します。
【ナイト・オリエント・クラシック】
ベルギーの飲料メーカー、オリエント・ドリンク社の「ナイト・オリエント・クラシック」は、「脱アルコール製法」で造られたノンアルコールのスパークリングワイン。
本物のワインから造られていますが、濃縮ブドウジュースを約25%加えることで、ほのかな甘さとフルーティ感をたのしめます。食事との相性もよい1杯です。
【ヴィンテンス・シャルドネ】
ベルギーの老舗飲料メーカー、ネオブュル社が造る「ヴィンテンス・シャルドネ」は、白ワイン造りでは王道のブドウ品種「シャルドネ」で造ったノンアルコールの白ワイン。
独自の低温圧縮蒸溜により、風味を損なわずアルコールを取り除いていて、白身魚など淡泊な料理との相性はバツグンです。
【カツヌマグレープ】
日本におけるワイン造りの聖地、勝沼の老舗ワイナリー、シャトー勝沼が造る「カツヌマグレープ」は、アルコールを生成しない製法で造られた、アルコール分0.00%の赤ワイン。
製造時に緑茶を加えることで、熟成ワインとは一味違った、香り高くエレガントな味わいを実現。中華やアジア系料理など、少しクセのある料理とも好相性です。
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ワインなのにノンアルコールとは驚きますが、飲んでみると本当のワインに近いおいしさ。アルコールが苦手な人もたのしめます。ワイン好きな人も、ときにはノンアルコールを選んでみると、ワインのたのしみ方が広がるのでは?