大人の遠足!ワイン造りを体験しよう
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ワインはどうやってできている?
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ワインは、ブドウ果実を醸造したシンプルなお酒です。醸造酒とは原料となる果実や穀類などをアルコール発酵させることによって生まれる酒類のことで、蒸留などの工程がないため、原料そのものの味わいがダイレクトに反映されます。
さらにブドウ果実は、そのままでも発酵可能な糖分と水分、酵母を含んでおり、ビールや日本酒など穀類を原料とする醸造酒を造る際に行われるデンプンの糖化や加水の必要がありません。そのため、醸造酒の中でも原料であるブドウ果実の性質が、できあがるワインの品質や味わいにより大きな影響を与えることになります。
ワインの多彩な味わいや香り、風味はどの様にして生まれるのでしょうか? ブドウそのものが持つ品種の個性に加え、産地の気候や土壌などの自然条件、さらに造り手による畑仕事や醸造の影響を受けることによって、ブドウ果実は多種多様な個性を持つワインへと変身します。
そしてこの多様性こそ、様々なシチュエーションや食事に幅広く対応できる、ワインというお酒の大きな魅力なのです。
基本的なワインの醸造の流れは、まず、収穫したブドウを破砕あるいは圧搾し果汁を得て、アルコール発酵させます。赤ワインや一部の白ワインの場合はこの後、乳酸菌によるマロラクティック発酵を経て、酸味を和らげます。発酵終了後は樽あるいはタンク内で熟成させ、澱引きをします。清澄、必要に応じて、ろ過をしてワインのにごりを取り除いた後に瓶詰めを行い、瓶内でさらに熟成させます。
多くの場合、ワインの醸造過程中に二酸化硫黄(亜硫酸)を添加しますが、これには果実の味わいを、より抽出する効果と微生物の働きを抑制する働き、ワインの酸化を防ぐ働きがあります。しかし、近年はこの二酸化硫黄の使用料をごく少量に抑えたり、添加しなかったりなどのこだわりを持つ生産者も増えてきています。
ワイン造りを体験してみよう!
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とはいえ、百聞は一見に如かずというように実際に経験してみないとわからないもの。
ワインの醸造は専門家の手によってでしかできませんが、ブドウの収穫から発酵前までの工程は体験することができます。
山梨県の白百合醸造や笛吹ワインなどでは7月下旬から10月末までの間、ワイン造りに関するイベントを行っています。
◆白百合醸造株式会社
自分の手でボトルワインを詰め、コルク栓打ちからラベル貼りまでをすることができます。ラベルは、既存のラベルに文字やイラストをプラスすることが可能で、自分だけのオリジナルラベルのワインが手に入ります。ほかに、工場見学もできます。
白百合醸造株式会社
http://www.shirayuriwine.com/winery/bottledwine
◆笛吹ワイン
ブドウを収穫して思う存分ブドウを食した後、収穫したブドウを足で踏んでジュースにする「ブドウ踏み」の体験を。他では味わえないしぼりたてのブドウジュースをその場で試飲することもできます。オリジナルのラベルを作成し、後日できあがったワインは宅配にて届きます。子ども用にはワインではなくジュースにしてもらえるので、家族での訪問も多いようです。
笛吹ワイン
http://fuefuki-wine.com/?mode=f1
また、全国各地のワイナリーでは9月~11月にかけて収穫時期のボランティアを募集しているところもあるので、ぜひワイン造りに携わってみてはいかがでしょうか。
造り手の想いを直接聞けたり、畑で輝くブドウを手に取ったり、樽が眠る貯蔵庫でワインの香りを嗅ぐことはワインへの気持ちを高揚させ、そして何よりも自分が携わったワインの味わいは格別に思えるはずです。