スマートにワインの栓を開ける方法
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ワインの「栓」について
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ワインのボトルに使用されている栓と聞いて想像するのは、やはりコルクかと思います。
コルクはコルク樫の樹皮のコルク層を円筒型に抜いて作られ、気密性に優れ、弾力に富んでいるためボトルの栓としての機能に優れている天然素材です。しかし天然素材であるがゆえに常に万能ではなく、長い熟成の間にコルク自体が劣化することもあります。また、天然コルクは比較的高価で世界的に原料の調達が難しくなっていることからさまざまな代替栓も登場しています。
圧縮コルクはコルク層を粒状に砕き食品用接着剤と共に圧縮して成形されたもので、コルクより安価なため、長期熟成させないワインに使われます。
合成樹脂(プラスティック)コルクはシリコンなどの樹脂を原料として作られているのでコルク臭の心配がないのですが、少し硬いので抜栓しづらい欠点があります。
スクリューキャップは道具を使わず、すぐに開栓ができコルク臭のリスクがないのが特徴で、近年ニューワールドのワインを中心に多く使用されています。高級ワインにも使用されてきていますが、今のところは大衆的なイメージを回避しきれないのが難点です。とはいえ、現在、世界全体のワインの販売本数約13億本のうち約4億本にスクリューキャップが使われ、この数字は今後も増え続けるといわれています。
その他、スパークリングワイン用のコルクの代わりに王冠を使用したり、再栓もできるガラス栓などもあります。
コルク栓の開栓のコツ
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自然の恵みや造り手の思いが詰まったワイン。スマートに栓を開けられればワインを飲む瞬間の喜びも格別なものになります。レストランでソムリエの手さばきを見ると、あんなに鮮やかにコルクを抜くのは難しいと思ってしまいがちですが、どんな形であれコルクをちゃんと抜ければいいのです。
ソムリエナイフを使った抜栓は格好よく見えるかもしれませんが、より開けやすい工夫がされたオープナーが色々市販されているので、慣れないうちはそれらを使って開けるのが良いでしょう。とはいえ、慣れるとソムリエナイフのほうが使いやすいことが多い為、練習をしてコツをつかんでおくと良いかもしれません。回数を重ねれば必ず上達します。
コルク栓の開栓のコツは、
◇ボトルを立てた状態でコルクを抜くこと
◇スクリューを奥までねじ込み過ぎてコルクを貫通させないこと
◇オープナーなどで瓶の口を破損しないこと
◇なるべくコルクを折らないこと
◇できるだけ瓶を揺らさないこと
最後に汚れやほこりがワインに入らないようにそっと瓶口を拭ければ完璧です。
慣れないと怖いと思ってしまうかもしれませんが、大切なのは堂々と開けることです。どんなに凄腕のソムリエでも最初は皆、失敗を繰り返していたのですから。
スパークリングワインもスマートに!
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スパークリングワインを開けるとき、ポンッとコルクが飛び出してしまうのが怖いという人も多いかと思います。実際にコルクが飛び出すときの速度は時速40キロともいわれ、決して遅いスピードではありません。
そこでおすすめしたいのがトーション(白いナプキンなどの布)を被せたまま行う抜栓方法です。ボトルにトーションを被せ、針金を外さずにコルクをしっかり押さえたまま抜くと少しの力で栓を抜くことができます。また、抜栓前にワインを良く冷やしておくこと、ボトルをまっすぐ立てたままではなく斜めにして開けるとコルクが飛び出しにくいです。
正しくスパークリングワインを開けられた時の音を「淑女のため息」と表現する事もあります。お祝いのときにポンッと音を立てて抜栓するのも良いですが、この淑女のため息のように品格のある小さな音を目指して抜栓してみましょう。