醸造技術とともに成長し続ける日本ワインの魅力
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日本ワインと国産ワインの違いって何?
日本のブドウは仏教とともに日本に伝わり、当時は食用のほか、薬にも用いられていたといわれています。日本でワイン造りが始まったのは明治時代のことですが、当時は甘いワインが好まれており、ワイン=甘いお酒と思われていました。その後は醸造技術も進み、現在では北海道から九州まで、さまざまな土地でワイン造りが行われています。
さて、日本のワインを語るにあたって知っておきたいのが「日本ワイン」と「国産ワイン」の違いです。じつはこの2つの呼称は、使われているブドウによって分けられています。
日本ワインを含む日本国内で製造されているワインを「国産ワイン」といいます。ちょっとわかりづらいですが「国産ブドウ」をまったく使わなくても「国産ワイン」を名乗れるのが現状。それに対し国産ブドウ100%で日本国内にて製造されているものだけが「日本ワイン」と表示できるのです。
「日本ワイン」のおもな産地とブドウの種類
南北に長く気象条件が地域によって異なる日本列島では、その土地ごとに相性のいいブドウの栽培が行われています。国内には多くのワイン産地がありますが、代表的な産地は山梨、北海道、長野、山形の4つ。ブドウ品種では、白ワイン品種である日本固有種の「甲州」、赤ワイン品種である固有種「マスカット・ベーリーA」が有名です。
「甲州」のワインは柑橘系の爽やかな香りと、穏やかな酸味が特徴で、アルコール度数が比較的低く飲みやすいワイン。
一方「マスカット・ベーリーA」のワインは、チェリーやベリーといった果実の香りとフルーティな味わいが魅力です。
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産地ごとの魅力を知ろう
池田町や小樽、富良野といったワインの生産地を持つ北海道は、湿度が低く、昼と夜の寒暖差が大きいというブドウ栽培に適したエリア。ブドウ品種としては、赤では「キャンベル・アーリー」、白では「ナイアガラ」が多く生産されており、冷涼な自然条件を生かした個性豊かなワインが造られています。
また、山形県上山市周辺も、「メルロー」、「シャルドネ」、「カベルネ・ソーヴィニヨン」といったブドウの栽培が盛んな地域です。昼夜の寒暖差があるためブドウの味わいが凝縮されており、果実味のある優しいワインが生み出されています。
また、長野県では「メルロー」、「マスカット・ベーリーA」などが栽培されており、昼夜の寒暖差が大きく、降雨量が少ないというブドウ栽培には最適な環境が、力強く凝縮感のあるワインが生産されています。
どんどん品質が向上している日本のワインの飲み比べもおもしろいです。できることなら産地を訪れて、現地の食べ物と一緒にたのしみたいですね。
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