ワインを飲む順番は?どのワインもおいしく飲める順番の法則
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食前酒、食中酒などのワインの種類を知ろう
食前酒(アペリティフ)は食事の前に楽しむお酒で、喉を潤し、食欲を増進させる役割があります。あまりアルコール度数が高いものやクセの強いものは舌が麻痺したり早々に酔いがまわってしまうため、食前酒には向いていません。
食前酒として良く飲まれるものにはシェリーやスパークリングワイン、キールやミモザ、スプリッツァーやサングリアなどのワインベースのカクテルがあります。「とりあえずビール!」以外も、オーダーしてみましょう。
食事の後にたのしむアルコール度数が高めの食後酒(ディジェスティフ)には、消化を助ける作用があります。食後酒はブランデーやウイスキーなどの蒸留酒が一般的ですが、甘口の貴腐ワインやポートワインなどの酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)もよく飲まれています。デザートに甘口のワインを合わせることが多いですが、それ以外にもディナーの余韻に浸り、食後に何となく物足りない気持ちを満たしてくれるという意味合いもあります。
食前酒にシェリーを頼むと「今夜は帰さないで」の意味、食後にポートワインを頼むと「今夜は帰さないよ」の意味という話もあるそう。でも、期待し過ぎるとがっかりしてしまう事もあるので、そこはほどほどに。
ワインを飲む順番の基本
ワインは嗜好品なのでその時飲みたいものを自由に味わえばよいのですが、思いのままに飲んでいくよりもおいしく味わえる順番があります。
まず、飲む順番の基本は「淡い味わいのものから濃い味わいのものへ」というものです。味覚は淡いものから濃厚なものへの変化はついていきやすいのですが、その逆にはあまり敏感に反応できない傾向があります。コース料理はさっぱりとした軽めの前菜に始まり、肉料理などの力強い味わいのものへと進んでいくので、ワインも同様にスッキリとした発泡性ワインや白ワインから始まり、しっかりとした重い味わいの赤ワインへと向かう順番がおすすめです。
同じ白ワインでもシンプルでスッキリとした味わいのものから、複雑でまろやかな味わいのものへと進み、赤ワインの場合は渋みの少ないものから多いものへと進むとよいでしょう。
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料理と合わせるときの注意点
ワインと料理の相性のことを「マリアージュ」と言いますが、これはフランス語で結婚のことを意味します。人間にも相性があるようにワインと料理にも相性の善し悪しがあり、素晴らしい組み合わせに出逢ったときは本当に幸せな気分になります。
ワインと料理の合わせ方はいろいろありますが、一番簡単でわかりやすいのは「共通点を見つけること」です。さっぱりとした料理だからスッキリとした白ワイン、スパイスがしっかり効いたソースのステーキだからパワフルな赤ワイン、というようなイメージで構いません。
また、バターソースやチーズソースなど少し黄みがかった料理には黄色みのある熟成タイプの白ワインを、サーモンやエビ、ベリーソースの料理にはロゼや淡い色調の赤ワインを、というようにワインと料理を大まかな色で合わせるという方法もあります。
甘口ワインとフォアグラは甘みと塩味を補い合う関係から導き出された組み合わせ。揚げ物とスッキリとした白ワインは油っぽさを白ワインの酸が断ち切るという相反関係など、こういったお互いが相反するようでしっくりとくる関係性もまた、マリアージュといえるでしょう。
そうはいっても、合わせ方は人それぞれです。素晴らしいマリアージュを見つけるためには、実践あるのみです。
食前酒から食後酒まで、「食事」という至福の時間をワインと共にゆっくりたのしんでみてください。今宵はいったいどんな素敵な「マリアージュ」が生まれるでしょうか。
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