ワイン格付けは品質を保証する為のもの。国で異なる格付けを学ぼう!
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原産地で格付けが決まるフランス
ワイン格付けとは、ワインの品質を保証するためにつけられたもので、等級が上であるほど品質が高いことを示しています。格付けは各国のワイン法に基づいて行われ、フランスの場合、国が定めた格付けと、それぞれ産地で定めた格付けの2種類があります。
国が定めた格付けは、上位からAOP(特定の産地で生産される上級ワイン)、IGP(生産地域を表示できるテーブルワイン)、生産地域の表示がないテーブルワインの3つのカテゴリーに分類されます。これに加えて産地ごとに格付けが行われますが、たとえばボルドー地区はシャトー(ワイナリー)ごとに格付けが決まっており、ブルゴーニュ地区やシャンパーニュ地区ではブドウ畑に対して格付けが決められています。
ちなみにボルドーでは最初に格付けが決められてから150年ほどの間ほとんど変わっておらず、その最上級とされるのが5大シャトーといわれる「ラフィット・ロートシルト」「ラトゥール」「ムートン・ロートシルト」「マルゴー」「オー・ブリオン」です。
収穫時のブドウの成熟度で格付けが決まるドイツ
原産地で格付けの決まるフランスに対し、ドイツではその年にできたブドウの糖度によって格付けが決まります。糖度が高いほどよいとされ、さらにテイスティングによって基準を満たしたものが格付けの上位となります。もっとも上位の格付けのワインはQ.m.P.と呼ばれ、完熟や過熟の状態で収穫されたブドウを使ったものが中心です。最も糖度の高い貴腐ブドウで作られた貴腐ワイン、冬まで収穫時期を遅らせて、凍った状態のブドウから作るアイスワインなどもここに含まれます。
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アメリカ、オーストラリアなどの新世界は品種を重視
新世界(ニューワールド)とは、ヨーロッパの伝統的なワイン生産国に対し、比較的ワイン生産の歴史が浅い新興国のこと。代表的なのはアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、南アフリカなどです。ニューワールドではワイン法などの整備は進んでおらず、格付けが存在しない国がほとんど。その分、法律に捕らわれない自由なワイン造りが盛んです。ざっくりわけると、ヨーロッパなどが原産地を重視するのに対し、ニューワールドはブドウの品種を重視する傾向があるのもおもしろい違いです。
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