和歌山県は梅の収穫量日本一!和歌山の梅と梅酒の魅力を探ります。

和歌山県は梅の収穫量日本一!和歌山の梅と梅酒の魅力を探ります。
出典 : kai keisuke / Shutterstock.com

和歌山県は、みかんや柿の生産地として全国的に知られていますが、梅の収穫量は、全国の他の地域に比べてずば抜けて多く、ダントツの日本一です。和歌山で造られる梅酒も多種多様。今回は、和歌山の梅と梅酒に焦点を当てて、魅力を探ります。

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和歌山県は、梅の収穫量日本一! 

画像はイメージです。

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2021年産の全国の梅の収穫量は、合計で10万4600トンです。
収穫量第一位の和歌山県は、6万7,500トンで、全体の約65%を占めています。
また、和歌山県は昭和40年産から57年間連続で梅の収穫量全国1位の座についています。
*出典:農林水産省近畿農政局資料より

和歌山県で、これほど梅の生産が盛んな理由は、“主要生産地のみなべ町がある、和歌山県日高地域では紀伊山地が海岸線まで迫り平野部が少ないうえ、土壌は養分が乏しく礫質です。これらの条件が稲作には不向きであったため、かつての紀伊田辺藩が、山の斜面や痩せた土地でも育つ梅の栽培を推奨したことが、この地域が梅の一大産地になった理由“とされています。 
(引用:わかやま食ブランドストーリー vol.3より

梅

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■和歌山のブランド梅「南高梅(なんこううめ)」

和歌山では江戸時代から梅が栽培されてきましたが、昭和25年頃には栽培されている品種は114種類もあり、梅の実の品質も不揃いでした。

当時の上南部(かみみなべ)農業協同組合は、市場の安定を目的に、この地に適した梅を選抜するために、南部高校園芸科の竹中勝太郎教諭を委員長とした「優良母樹調査選定委員会」を設立し、最優良品種の選抜を行いました。選抜には5年の歳月がかかり、母樹選定調査に深く関わった同校の生徒たちの努力に敬意を表して、最優良品種に「南高梅」と命名しました。「南高梅」は、大粒で皮が薄く、果肉が柔らかいのが特徴です。
(引用:わかやま食ブランドストーリー vol.3より

収穫された梅は、梅干や梅酒の原料として和歌山県内はもとより、全国に出荷されるほか、梅エキス、梅ジュース、梅ゼリーなどの原料としても使われます。

和歌山県みなべ町は「梅酒特区」に認定されています。

画像はイメージです

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和歌山県のなかでも、太平洋に面した「みなべ町」は、梅の生産地として名高く、年間の収穫量が約3万トンで全国の約3割のシェアを誇ります。 
そして、驚くことに、みなべ町には「うめ課」という町役場の組織もあります。

全国№.1の梅の産地の和歌山県みなべ町では、古くから自家製梅酒が多く造られ、多くの町民から自家製梅酒の他者への提供について問い合わせや要望があり、町が国に規制緩和を要望した結果、2008(平成20)年7月9日(水)に「紀州みなべ梅酒特区」として、内閣府から特区認定されました。

■「紀州みなべ梅酒特区」とは

本来、梅酒を製造するためには、酒類製造免許の申請書を税務署に提出して審査を受け、製造免許を取得することが必要です。

通常の梅酒の製造(リキュール)では、年間の最低製造数量基準が年間合計で6キロリットル(6,000リットル)以上必要ですが、「紀州みなべ梅酒特区」に認定されたことによって、みなべ町内で生産された梅を原料として、梅酒(リキュール)を町内で製造しようとする場合には、この最低製造数量基準が年間1キロリットル(1,000リットル)に引き下げられることになりました。

つまり、少量生産を考えている小規模なみなべ町の事業者も、梅酒(リキュール)の酒類製造免許を取得して、梅酒を製造・販売することが可能となりました。

「和歌山梅酒」は、酒類の地理的表示(GI)の指定を受けています。

梅酒

2020(令和2)年9月には、梅酒として初めて「和歌山梅酒」が、酒類の地理的表示(GI)の指定を国税庁長官から受けました。

■GI(Geographical Indication)指定とは 

「伝統的な生産方式や気候・風土・土壌などの生産地等の特性が、品質等の特性に結びついている産品があり、これらの産品の地理的表示(GI)を指定することで、指定された産品を保護する制度です。基準を満たしGIマークを付けた産品は、所謂お墨付きであり、基準を満たさずGI指定を受けることができない産品に対しては、明確に差別化できることになります。」

■「GI和歌山梅酒」の主な生産基準

「GI和歌山梅酒」の生産基準は以下の条件をクリアすることが必要です。

・梅の実には県内で収穫された新鮮な青梅又は完熟梅のみを用いたものであること
・アルコールは10.0%以上35.0%未満であること
・酒類及び梅の実以外の原料は、梅の果肉、梅の果汁、糖類、含糖物質及び炭酸であること
・梅の実は浸漬する酒類1KL当たり300KG以上使用すること
・梅の実の酒類への浸漬、酒造工程時の貯蔵、容器への詰込は和歌山県内でおこなうこと などが主な生産基準となっています。

■和歌山県の梅酒の味わいはバラエティに富んでいます

ひとくちに梅酒といっても、辛口の味わいのものから、甘口の味わいのもの、芳醇な味わいのものから、淡麗な味わいのもの、酸味の多いものから少ないものなどの、味わい基準で大きく分類できます。

和歌山県の農林水産部食品流通課では、多種多様な梅酒の味わいが可視化できるようにと、梅酒ソムリエの金谷優氏に監修を依頼した「梅酒マッピング図」を制作して和歌山県の公式ホームページで公開しています。

この「梅酒マッピング図」に掲載されている梅酒は46種類ですが、実際にはこれよりはるかに多くの種類の梅酒が、和歌山県内では造られ販売されています。

全国一の梅の産地で収穫された、新鮮な梅を原料にして造られたバラエティに富んだ梅酒が楽しめるのが、和歌山梅酒の大きな魅力ではないでしょうか。マッピング図を見ることで、味わいの違いがよく判りますよ。

梅酒ソムリエの金谷優氏が監修した、和歌山県の本格梅酒46種類の味わいのマッピング図

梅酒ソムリエの金谷優氏が監修した、和歌山県の本格梅酒46種類の味わいのマッピング図

和歌山の本格梅酒の味わいマッピング図はこちらからご覧ください。

■GI和歌山梅酒を購入するには

和歌山県内で生産された「GI 和歌山梅酒」については、「GI和歌山梅酒管理委員会」が管理しています。委員会の公式ホームページには、「GI 和歌山梅酒」を購入できるページがあるので、お買い求めに際してはこちらをご利用いただければと思います。

今回は、和歌山県の梅と梅酒の魅力について、お伝え致しました。

和歌山県には、梅酒のほかにも、日本酒やクラフトビールなどの分野でも、全国のお酒好きから注目を集める蔵元やブルワリーがいくつもあります。
和歌山のお酒を楽しむ“和歌山の旅”も、きっと楽しく印象に残る時間が過ごせるのではないかと思います。

(ご参考)
和歌山県では、和歌山の魅力ある“食”情報を「おいしく食べて和歌山モール」というウェブサイトを通じて情報発信しています。

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