11月はワインの新酒の季節! 世界の新酒をたのしもう
11月はワイン好きにとってはワクワクする季節。「ボージョレ・ヌーヴォー」をはじめ、世界中でワインの新酒が解禁となり、ワインへの注目が高まります。ここでは、魅力的な世界の新酒とともに、この時期に日本で開催されるワインイベントを紹介します。
- 更新日:
11月第三木曜日は「ボージョレ・ヌーヴォー」の解禁日
jazz3311/ Shutterstock.com
「ボージョレ・ヌーヴォー」とは?
「ボージョレ・ヌーヴォー」とは、ワインの名産地として知られるフランス・ブルゴーニュの南部、ボージョレ地区で、その年に収穫したブドウで醸造した新酒ワインのことです。
もとがフランス語だけに、日本で紹介される際は「ボージョレーヌーヴォ」「ボジョレー・ヌーボー」など、さまざまに表記されますが、どれも同じ意味です。
「ボージョレ・ヌーヴォー」の魅力はフルーティーな味わい
「ボージョレ・ヌーヴォー」は、もともとボージョレ地区の収穫祭を祝うために造られていたワイン。ブドウの収穫後、すぐに飲むため、通常の赤ワインのように熟成させることなく、短期間で造られます。そのため、渋味が少なくフルーティーな味わいが特徴です。
なお「ボージョレ・ヌーヴォー」は、ボージョレ地区産の黒ブドウ「ガメイ種」を100%使用することが法律で定められているため、赤ワインのみで白ワインはありません。
11月第3木曜日が解禁日とされる理由とは?
「ボージョレ・ヌーヴォー」が世界的に注目され始めたころ、各メーカーがいち早く出荷をしようと競い合った結果、質の悪いワインも流通するようになってしまいました。そこで、ワインの品質確保のためにフランス政府が設けたのが「解禁日」です。
当初は「聖マルティヌスの日」にあたる11月11日でしたが、その後、祝日の変更にともない11月15日に。さらに、日付を固定すると解禁日が土日になる可能性もあり、出荷や売上にも影響が出かねないとの配慮から、現在のように「11月第3木曜日」と定められました。
ボージョレだけじゃない! 11月は世界の新酒が続々と解禁
View Apart / Shutterstock.com
10月30日解禁:イタリアの「ノヴェッロ」
「ノヴェッロ」と呼ばれるイタリアの新酒は、「ボージョレ・ヌーヴォー」より一足早い10月30日に解禁されます。
解禁日はハロウィンの前日でもあるため、ハロウィンパーティーでふるまうワインとしても親しまれています。
11月1日解禁:ドイツの「デア・ノイエ」
「デア・ノイエ」と呼ばれるドイツの新酒は、11月1日に解禁されます。
「デア・ノイエ」は赤ワイン・白ワインともに造られていますが、種類が豊富なのは白ワイン。なかでも主流となっているのが「ミュラー・トゥルガウ」というブドウ品種で造られた白ワインです。
11月11日解禁:オーストリアの「ホイリゲ」
「ホイリゲ」と呼ばれるオーストリアの新酒は、当初の「ボージョレ・ヌーヴォー」と同様、11月11日に解禁されます。
「ホイリゲ」という言葉は、熟成期間1年未満の新酒ワインと、それを提供する居酒屋という意味で使われます。
11月11日解禁:スペインの「ヴィノ・ヌエボ」
「ヴィノ・ヌエボ」と呼ばれるスペインの新酒も、「ホイリゲ」と同じく11月11日に解禁されます(12月第一週前後という説もあり)。
現地では、解禁日を迎えると、収穫祭などのイベントをたのしみながら新酒を味わいます。
日本でも「山梨ヌーボー」が解禁! 全国で収穫祭などのイベントも
kt-wat / Shutterstock.com
11月3日は「山梨ヌーボー」の解禁日
日本でも、「山梨ヌーボー」が11月3日に解禁となります。
明治初期からワイン造りを開始し、現在では約80社におよぶワイナリーがある山梨県は、日本有数のワインの産地。「山梨ヌーボー」とは、日本固有の品種である「甲州」と「マスカット・ベーリーA」で造られた白ワインと赤ワインの新酒を指します。
2008年、山梨ヌーボーのさらなるブランディング促進を図るため、山梨県ワイン酒造組合によって解禁日が設けられました。
毎年11月には、山梨と東京の2つの会場で「山梨ヌーボーまつり」が開催されています。
11月は各地のワイナリーで収穫祭が開催される
ワインの新酒の季節である11月は、日本各地のワイナリーで収穫祭が開催されます。
長野県の「ヴィラデストワイナリー」では、毎年11月にブドウの収穫とワインの仕込みを祝うワイナリー祭りが開催されています。
また、栃木県にある指定障害者支援施設「こころみ学園」のワイナリー「ココ・ファーム・ワイナリー」でも、毎年11月に収穫祭が開催され、2日間で1万人以上が集まる一大イベントとなっています。
11月はワインに注目!都内近郊でもイベントが盛りだくさん
11月は、新酒に限らずワイン関連のイベントが多い季節です。
毎年、代々木公園で開催される「フィエスタ・デ・エスパーニャ」は、10万人以上が来場する日本最大級のスペインフェスティバル。スペイン料理やステージをたのしみながら、スペインワインの魅力を堪能することができます。
ほかにも、世界中から60以上の生産者が集まり、珍しいワインを試すことができる「ル・グラン・テイスティング 東京」など、11月にはさまざまなワインイベントが開催されます。
「ボージョレ・ヌーヴォー」が解禁となる11月は、さまざまな新酒が出回り、ワインがもっとも盛り上がる季節。ぜひ収穫祭やワインフェスで、この時期ならではの魅力をたのしみたいですね。