ワインの価値に大きくかかわるインポーターの存在
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数十万円のワインも!? ワインの価格は何で決まる?
ワインショップに行くと、セラーの中に大切にしまわれた高級ワインが眠っています。これらのワインの中には、数万円以上、中には数十万円するものも少なくありません。一度は飲んでみたい憧れの高級ワイン。「やっぱりおいしいの?」「値段はどうやって決まるの?」と気になることがたくさんありますよね。
それでは、その価格はどうやって決まっているのでしょうか? 消費者としては、高いワイン=おいしいワインと思ってしまいますが、実はワインの価格を決める要素は、味だけではありません。作り手の知名度や、ヴィンテージ、人気、希少性など、いくつもの要因によって市場価値が変わり、それによって値段も変わってくるのです。このため高いワイン=おいしいワインと一概には言い切れませんが、価格が高いものは、一定の高い品質とブランド力を保障されたワインだということは間違いありません。
ワインの価値を左右するひとつ、インポーターとは?
作り手の知名度や、ヴィンテージ、人気、希少性など、いくつもの要因によって市場価値が変わるワイン。醸造所から私たちの手元に届くまでには、長い道のりがかかります。
そのひとつを担っているのがインポーターです。インポーターとは、ワインの輸入業者や輸入者のこと。各地の素晴らしいワインを発掘し、小売店に届けています。
インポーターは、ただ、ワインを醸造所から小売店に届けるだけでなく、ワインの品質管理も行っています。よいインポーターの条件のひとつに、商品の品質管理にどこまで気を配って取り扱っているかがあります。実はこの品質管理がとても重要。
海外のワインが日本に運ばれてくる場合、品質管理は輸出国内での輸送、海上輸送、日本国内での管理、日本国内での輸送と多岐に渡ります。できるだけ、醸造所で買い付けたときの状態、もしくは熟成されてよい状態になるように品質管理されるのが理想です。
一部のワインには、ボトル裏面に「リーファー(定温)コンテナ輸送」と表示をしているものもあり、これは「温度管理は徹底しています」という現れです。インポーターの心構えは、ワインの質に大きく影響してくるのです。
しかし、私たちにはインポーターの存在はなかなか見えません。小売店が、インポーターの質を見分け、いいインポーターと取引きをし、おいしいワインが店頭に並びます。
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ワインの価値を決めるそのほかの要因
そのほか、ワインの価値を決める要因はなんでしょうか?
まず高いワインは、造る際にはコストがかかっているのが一般的です。たとえば、同じ人件費でも南米と先進国では大きく異なります。同程度のワインでも、チリワインよりフランスワインの方が高いのは、この人件費(コスト)が大きく影響、もちろん土地の価格もまったく違います。
また、ワインの味を左右するブドウの造り方によっても、かかるコストは大きく違います。凝縮された高品質のブドウを栽培するためには、ブドウを選定し、1本の木当たりの収穫量を少なくする必要があります。その分造れるワインの本数が少なくなるため、必然的に値段が上がるのです。
このほか、ブドウを収穫する手間のかけ方、ボトルやコルクの品質、醸造施設などによってもかかるお金は大きく変わります。これらのトータルコストが、ワインの価格にも反映されるのです。
手をかけて造ったワインは、それだけ生産者の情熱がこもっているもの。丁寧なブドウ造りをしている生産者の造るワインなら、それなりのお金を出す価値があることでしょう。
醸造所の努力、インポーターの品質管理など様々な工程を経て私たりの手に届くワイン。購入したときは少し高いと思っても、飲んだときの味わいや香りは価格以上の価値があるかもしれませんね。
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