ワインのデキャンタってどんな効果があるの?デキャンタージュの秘密
- 更新日:
デキャンタージュとはどんな行為か?
デキャンタージュとは、ワインの栓を抜いてから、デキャンタと呼ばれるガラス容器に移し替えることをいいます。デキャンタージュをする目的は、大きく分けて2つ。
まず1つは、まだ十分に熟成が進んでいない若いワインを空気に触れさせることで酸化させ、香りを開かせることです。まだ香りが十分に立っていないワインの状態を「閉じている」と表現しますが、この閉じたワインをデキャンタに移して空気に触れさせることでワインを目覚めさせ、味わいや香りを「開かせる」のです。
そして2つ目の目的は、瓶の中にある澱を取り除くことにあります。このため、デキャンタにそそぐときは澱が舞わないよう注意して、ゆっくり上澄みを注ぐのがポイント。こうすることで、より本来の味わいをたのしむことができます。デキャンタージュは、特に赤ワインをよりおいしくいただくための、大切なひと手間といえるでしょう。
意外と簡単! デキャンタージュの方法
それでは、デキャンタージュの方法を見ていきましょう。まずワインの栓を抜いたら、清潔な布でビンの口の汚れを拭います。次に、澱が入らないようライトなどでボトルの肩あたりを照らし、デキャンタ内側の口に近い部分に瓶の口をあて、ビンの側面に沿うように静かにワインをデキャンタに注いでいきます。
こうしてゆっくりと注ぎ込むことで、より空気に触れさせ、ワインの香りや味わいを開かせることができるのです。
もう1つのポイントは、ボトルの肩や底にたまった澱が入らないように注意すること。
澱が舞わないよう瓶を動かしすぎず、上澄みだけを静かに注ぎ入れましょう。デキャンタージュの時間は、年代が新しいものは2時間程度、古いものなら20分程度が飲み頃の目安です。ただしそのワインによっても変わりますので、香りの変化を見ながら、じっくり飲み頃を見きわめてください。
Africa Studio/ Shutterstock.com
デキャンタージュするのは赤ワインだけ?
デキャンタージュは長期間の熟成を待てない場合や、開けたワインが思ったよりも若かった場合に行うものです。このため、十分に熟成しているワインをデキャンタージュするのは実は逆効果。過度に酸化が進んでしまい、せっかく開いた香りが飛んでしまうことにもなりかねません。
また、一般的にブルゴーニュタイプのワイン、特にピノ・ノワールは、デキャンタージュをすることで酸味が強くなる傾向があるため、デキャンタージュには向かないといわれています。このほか白ワインやスパークリングワインは基本的にデキャンタージュしませんが、本来の香りが出ていないときに稀に行うこともあります。
一方、デキャンタージュに向いているワインは渋みが強いボルドータイプ。このワインはデキャンタージュするとマイルドになりますので、ぜひ試してみてください。
また、デキャンタがないという人も多いはず。そんなときは、あまりスタイリッシュではありませんが、清潔な空き瓶に漏斗などを使って移し替えるなどさまざまな代用手段を工夫してみましょう。
l i g h t p o e t/ Shutterstock.com