ワインの醸造過程とは?ワインができるまで

ワインの醸造過程とは?ワインができるまで

ワインの醸造は、原料であるブドウの仕込み、果汁のアルコール発酵、樽・タンクでの熟成、瓶詰の大きく4つの工程で行われます。工程がシンプルなだけに、ワインの良し悪しは、原料のブドウの品質にかかわってきます。

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意外とシンプルなワインの醸造

ワインには赤ワインや白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインなどいくつか種類がありますが、基本的な製造方法はとてもシンプルなのが特徴。酒は原料をアルコール発酵させることででき上がりますが、ワインの原料となるブドウはアルコール発酵の原料となるブドウ糖を多く含んでいるため、さほど手を加えなくても発酵してワインになるのです。

それでは、具体的なワイン醸造の過程を見ていきましょう。まず収穫したブドウを選果し、房から茎など余分な部分を取り去ります。その後ブドウの実に傷をつけることで果汁を出やすくし、その果汁をアルコール発酵させます。あとは樽やタンクで熟成させ、必要に応じてろ過し、ビンに詰めれば完成。あとは瓶の中でもさらに熟成が進んでいきます。

このように、ほかの酒と比べるとワインは製造方法に大きな工夫の余地がないだけに、ブドウの良し悪しこそがワインの質を決める重要な要素といえます。このため、どの生産者もブドウにこだわってワイン造りを行っているのです。

赤ワインができるまで

基本的な醸造方法はどのワインも同じですが、種類によって少しずつ違いがあります。赤ワインづくりの特徴は、特有の赤い色(アントシアニン)や渋み(タンニン)を含んだブドウの果皮や種を漬けこんで造ること。こうして果皮に含まれる香気成分を抽出することをマセラシオンといいます。工程としては、選果した黒ブドウから果皮や種を残したまま果汁を出し、それを発酵タンクに入れてアルコール発酵。発酵中の果汁に浮く果皮を櫂で沈めたり、ポンプでタンク内のワインを循環させるなどしてマセラシオンを行います。

マセラシオンの期間は5日から2週間ほど。こうしてマセラシオンが終わったら、乳酸菌の働きによりワインの中のリンゴ酸を乳酸に変えるマロラクティック発酵という工程を経て、発酵終了後にタンクや樽で熟成します。

赤ワインができるまで

Rostislav_Sedlacek /shutterstock.com

白ワインができるまで

澄んだ色合いを追求する白ワイン造りでは多くの場合、果汁中に果皮や種を長時間マセラシオンさせず、果汁だけを発酵させます。白ワインに使われるブドウはほとんどが白ブドウで、まずはこの白ブドウを圧搾。にごっている果汁を冷却し、半日ほど置いて浮遊物を沈殿させます。この作業をデブルバージュと呼び、白ワインの美しい色合いを出すために重要な工程となっています。その後発酵に進みますが、白ワインは発酵温度を15~20度くらいの低温に抑えるのが特徴。これによりフレッシュな香りの揮発を最低限に抑えることができるのです。アルコール発酵が終わった白ワインは場合によってはマロラクティック発酵を行ったうえで、樽やタンクで熟成されます。このとき、ワインと澱を櫂(バトン)で撹拌(バトナージュ)して、澱の中のうまみ成分を抽出するという工程が行われることもあります。

白ワインができるまで

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