あなたは「ひとり酒」をたのしめますか? 東海林さだおが説く、「ひとり酒」の作法がエッセイに
大和書房より、「ひとり酒の時間 イイネ!」(著:東海林さだお)が発売されました。東海林氏さんが説く、簡単なようで意外と難しい「ひとり酒」をたのしむための作法には、「ワカコ酒」の作者も共感を寄せています。
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「ひとり酒問題」を解消し、お酒を心ゆくまで楽しむためには?
実を言うと、ぼくはいまだにこの問題の答えを得られていない。
この問題というのは、ほかでもない「どうやったらひとり酒を楽しめるか」です。
二十代で酒を飲み始めて以来ずっとこの問題に取り組んできた。
考え得るかぎりのことをやってきたつもりなのだがいまだにうまくいかない。
居酒屋に一人で行って酒を楽しみたい。(はじめに:ひとり酒の自己弁護 より)
食やお酒にまつわるエッセイ「丸かじり」シリーズが人気の、御年82歳のベテランエッセイスト・東海林さだおさん。しかし、意外にも「ひとり酒」には何かと苦戦するといいいます。そんな東海林さんが、とことん「ひとり酒」を楽しむコツをまとめたエッセイ「ひとり酒の時間 イイネ!」が発売されました。
「ひとり酒」を楽しめないワケ
みんながワイワイ飲んでる中で、ただ一人、しんねり、むっつり飲んでいる人(自分)を周りの人はどう見ているのか。
(雰囲気こわれるんだよナ)
(気味悪いんだよナ)
と思っているのではないか。
(はじめに:ひとり酒の自己弁護 より)
居酒屋で一人で飲んでいる人は、どうしてもそのように見えてしまうと東海林さんは言います。そこで考え出された、「ひとり酒のコツ」をご紹介します。
なにしろ、ちょっとでも休むと、それが「黙考」ととられ、「反省」や「悔恨」につながり、「不運」「落莫」に結びつくと思うから、休むことができない。
(ひとり酒の作法 より)
まずは、すみからすみまでメニューを読み、次は店内の張り紙を一つ一つはじから点検していきます。
おつまみはイカの姿焼きなど、手数のかかるものをおすすめしています。
忙しく回りを見渡し、手を動かすことで、暗い印象を周りに与えないようにする効果があるのだそうです。
コミック「ワカコ酒」の作者、新久千映氏の解説付き
「ワカコ酒」のワカコも作中で、頼んだ料理が登場するまでの間カウンターに並んだ酒瓶の文字なんか読んで過ごしている。
(解説 より)
「ひとり酒」愛好家としても有名な、コミック「ワカコ酒」の作者・新久千映さんも、東海林さんの作法に共感しています。
作家・椎名誠氏との特別対談も読みごたえあり!
いまこそ、ひとり酒の楽しみを思いきり享受しよう!
不要不急・抱腹絶倒・永久不滅の酒エッセイを、今夜のお酒のお供に…。
【目次】
はじめに ひとり酒の自己弁護
1章 お店でひとり酒 編
・ひとり酒の作法
・一人生ビール
・定食屋でビールを
・飲んべえの桃源郷「魚三」
・立ち飲み屋にて
・鳥わさの不思議
・モツ煮込みを“いただく”
・「お通しはサービス」とは限らない
2章 ひとり酒の流儀 編
・ビールに枝豆は真実か
・ビールは泡あってこそ
・ワンカップの勇気
・第4のビール出現
・なに? ビールに水?
・一人でお花見
・禁ゴクゴク飲みの時代
・思い知ったか零度ビール
3章 挑戦!ひとり酒 編
・ファミレスで晩酌を
・百円均一居酒屋出現
・缶詰で飲む酒場
・フィッシュ・アンド・チップス?
・日本流オクトーバーフェストは
・駅の中で飲む
・「干天の慈ビール」
・丈夫なからだで「吉飲み」
ほろ酔い対談 ビールほどえらいものはない(東海林さだお×椎名 誠)
4章 仲間と酒 編
・おごられ酒はつらいよ
・「まあまあ、ひとつ」
・酌の問題
・おやじの箸使い
・生ビールへの道
・じいさんビアガーデンにゆく
5章 昭和の酒 編
・酒は涙か溜息か
・某月某日
・ビールのおつまみについて
・ビール苦いかしょっぱいか
解説 新久千映(漫画家)
著者プロフィール
東海林さだお(しょうじ・さだお)
1937年、東京都生まれ。漫画家、エッセイスト。早稲田文学露文科中退。70年『タンマ君』『新漫画文学全集』で文藝春秋漫画賞、95年『ブタの丸かじり』で講談社エッセイ賞、97年菊池寛賞受賞。2000年紫綬褒章受章。01年『アサッテ君』で日本漫画家協会賞大賞受賞。11年旭日小綬章受章。
書籍概要
<発売日>
2020年7月11日
<価格>
800円+税