日本ワイン「サントネージュ」の品質が、「ビール酵母細胞壁」由来の新肥料によるぶどう栽培でさらに向上

日本ワイン「サントネージュ」の品質が、「ビール酵母細胞壁」由来の新肥料によるぶどう栽培でさらに向上

アサヒバイオサイクルは、アサヒグループのワイン製造会社であるサントネージュワイン(山梨県)と連携し、ビール製造工程で発生する副産物「ビール酵母細胞壁」由来の肥料を、山梨県をはじめとしたぶどう栽培に活用。2019年以降、その効果があらわれてきたようです。

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日本産ワイン「サントネージュワイン」の品質をさらに向上させた「ビール酵母細胞壁」

ビールの醸造を行う際、副産物として残る酵母。この酵母を殻のように覆っているのが「ビール酵母細胞壁」です。これまで酵母は医薬品などに利用されてきましたが、酵母細胞壁は水に溶けづらい性質であり、利用は進んでいませんでした。しかし、徐々に研究が進んだ結果、植物の生育に役立つことが判明。肥料として、ぶどうの栽培に活用する試みが始まりました。

そして実際にぶどう畑にビール製造工程で発生する副産物、「ビール酵母細胞壁」由来の農業資材(肥料)※の散布を行った結果、2019年の収穫時には一部の畑で収穫量が増加したり、収穫したぶどうの良品率が向上するなどの効果が確認されました。この畑で収穫したぶどうは、アサヒビールが販売する日本ワイン「サントネージュ」ブランドの原料として使用されています。

近年人気が高まっている日本ワインの生産において、収穫量アップや環境にやさしいワイン作りの一助となる「ビール酵母細胞壁」。アサヒビールは、今後も活用する場を拡大していくようです。

【事例1】山形県「渡辺畑」の土壌改良で、収穫量が1.5倍に

【事例1】山形県「渡辺畑」の土壌改良で、収穫量が1.5倍に

2018年9月の渡辺畑。一房あたりの粒数が少ない

【事例1】山形県「渡辺畑」の土壌改良で、収穫量が1.5倍に

1年後の2019年8月。粒張りが良く房数も増加

「サントネージュワイン」の契約畑である山形県かみのやま地区に位置する「渡辺畑」では、園主の世代交代の際に独自の栽培ノウハウが完全に伝授されず、近年ぶどうの生育不良と収量減が課題となっていました。また、この畑はもともと痩せた土壌であり、根が十分に発達しにくい環境にありました。

そこで発根を促し、樹勢を回復させるために「ビール酵母細胞壁」を散布し土壌改良を行ったところ、2019年の収穫量が前年に比べ約1.5倍に増えたそうです。そんな「渡辺畑」で収穫されたぶどうからは、「サントネージュ 山形かみのやま渡辺畑 カベルネ・ソーヴィニヨン」が製造されています。

【事例2】山梨県「牧丘倉科畑」では、ぶどうの病害が減少

【事例2】山梨県「牧丘倉科畑」では、ぶどうの病害が減少

サントネージュワイン栽培責任者:宮川 養一氏

「サントネージュワイン」の自社畑である山梨県の「牧丘倉科畑」においては、本資材を散布し土壌改良を行ったところ、ぶどうの木の免疫力が高まり病気への耐性が強化される成果が。特に白ぶどう品種「シャルドネ」の病害が減り、2019年は前年と比べ腐敗果の廃棄量が6分の1に減少し、過去最高の収穫量となったそうです。

ほかにも、赤ワイン用ぶどう品種「カベルネ・ソーヴィニヨン」においては着色が向上し、畑の土の質感も、これまで乾燥すると砂のようなざらついたものになっていたのがフワフワとこんもりした質感になり、根がしっかりと根付くようになったとのこと。

牧丘倉科畑で収穫したぶどうからは「サントネージュ 山梨牧丘倉科畑シャルドネ」および「サントネージュ 山梨牧丘倉科畑カベルネ・ソーヴィニヨン」が製造されています。

本資材はこの2つの畑のほかにも、北海道・余市においても使用を開始しており、2023年のファーストヴィンテージにむけて準備を整えているそうです。また、単にぶどうの質や収穫量が向上するのみならず、温室効果ガスの排出量が削減され持続可能な農業に貢献できることも実証されていることから、今後もビール酵母細胞壁由来の肥料を活用した環境にやさしいぶどう栽培やワインづくりに積極的に取り組んでいくようです。

サントネージュワインについて

サントネージュワインについて

サントネージュワインは、「よいワインはよいぶどうから」の信念のもと、70年以上にわたるワイン造りの歴史を持つ、山梨県に所在するワイナリーです。

1950年代に山梨県でワイン用ぶどうの栽培に着手し、1970年から山形県かみのやま地区を新たなワイン用ぶどう産地として開拓。2017年には北海道・余市町にて日本ワイン用ぶどう畑を取得し、2025年までに合計10ha以上の自社畑の取得を目指すなど、生産を拡大しています。

<アサヒビール「サントネージュ」公式URL>
https://www.asahibeer.co.jp/enjoy/wine/ste-neige/sainteneige/

<アサヒバイオサイクル公式URL>
https://www.asahibiocycle.com/ja/

※)ビール酵母細胞壁を活用した農業資材(肥料)は、植物に与えると、植物本来の免疫力を高め、また、土壌を還元することにより有用菌優勢の微生物叢に変化させるという2つの効果を持っています。食品由来で安全・安心であること、植物の免疫力を引き上げることによる病気への耐性の強化、収穫量の増加、土壌の改善などにより農作物の品質が向上するとともに、収穫量あたりの温室効果ガスの排出量が削減され持続可能な農業に貢献できることなどが実証されています。

日本国内では、全国の農地、ゴルフ場、阪神甲子園球場をはじめとする野球場など天然芝のスポーツ施設や公園等で活用され成果をあげています。海外においては開発途上国での農業事業の課題解決を目指し、2019年4月に独立行政法人国際協力機構(JICA)と提携しインドネシアやラオスでの実証試験を開始しています。

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