ワインの染み抜き講座 簡単にできる染み抜き法とは?
ワインの染み抜きに悩んだことはありませんか? お気にいりの洋服にうっかりワインをこぼしてしまった際、外出先では十分な対処ができずに、ガンコな染みが残ってしまうことも。今回は、外出先でもすぐに実践できる対処法や、時間が経った場合の染み抜き法を紹介していきます。
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ワインに含まれる染みになる成分とは?
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ワインの染み抜き法を紹介する前に、まずは服にこぼしたワインが染みになる原因について、しっかりと理解しておきましょう。
ワインが染みになる原因は、ワインに含まれる「フェノール化合物」と呼ばれる成分。ワインの味や色、口当たりに影響を与えているもので、ワインをたのしむうえで、なくてはならないものです。
フェノール化合物のひとつに、健康成分としても知られる「アントシアニン」があります。これは、赤ワインに特有の美しい赤紫色のもととなりますが、服などにこぼすとガンコな染みになってしまうのです。
ワインが染みにならないよう、その場ですぐに対処できるときの方法
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ワインの染み抜き法は、こぼしてからの時間によって異なります。赤ワインの染みは、時間の経過とともに酸化し、落ちにくくなります。ですから、赤ワインをこぼしたあと、いかに素早く染み抜きをするかが重要です。
自宅であれば、タオルなどで赤ワインをしっかりと吸い取り、水で洗い流します。そのあと、「酸素系漂白剤」(塩素系は使わない)で染み抜きをするのが基本です。
レストランなど、外出先でワインをこぼしてしまった場合は、「炭酸水」を使った染み抜きが効果的です。炭酸水に含まれている二酸化炭素には、汚れを浮かせてくれる性質があります。染み抜きには、糖分や果汁の含まれていない炭酸水を使いましょう。
まず、染みがついた部分を水でできるだけ拭き取ります。次におしぼりやタオルを服の下に当て、炭酸水を染み込ませた布でトントンと叩きながら、色素を下のおしぼりに移します。おしぼりを変えながら完全に色が落ちるまで行いましょう。そのあとは、通常の洗濯をすれば大丈夫です。
さらに手軽にできる染み抜きには、「塩」を使う方法があります。塩は水分を吸収しやすい性質があるので、ワインが乾く前にたっぷりと塩を盛り、軽く押すようにして吸い取らせます。そのあと手もみ洗いで洗濯をすれば完了です。カーペットなどにも応用できる方法です。
ワインをこぼしてから時間が経った場合の染み抜き法
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ワインの染み抜きで難しいのが、こぼしてから時間が経った場合です。
ワインをこぼして応急処置ができないまま、時間が経過したガンコな染みの場合は、「ホットミルク」を使った染み抜きを試してください。ワインの色素であるフェノール化合物は、「脂肪を含む有機物」(牛乳など)と結びつきやすい性質を持っていて、ホットミルクの熱と脂肪分が効果的な役割を果たします。
牛乳を温め、染みを30分ほど牛乳に浸し、冷たい水ですすぎます。そのあと、通常の洗濯をして染み抜きは完了です。染みの色素を牛乳の脂肪に吸収させるには、低脂肪や無脂肪ではなく「成分無調整牛乳」を使います。
ワインの染み抜きは、どの方法で行うにしても、ゴシゴシこすらないようにしましょう。シルクやウールは漂白剤で生地をいためたり、変色する可能性があるので注意が必要です。