チリの赤ワイン(ロッソ)が日本でも大人気な理由とは?
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日本でチリワインが人気な理由とは?
2015年、2016年と2年連続で日本でのワイン輸入量1位(IT media Inc.ビジネスONLINより)となったチリワイン。スーパーやコンビニエンスストアで気軽に買え、価格も500円程度~とかなりお手頃。しかもこの値段にかかわらず品質も確保されているため、もはや日本のテーブルワインとしてチリワインは欠かせない存在になっています。
チリワインの安さの秘密のひとつは「日本・チリ経済連携協定(EPA)」の効果。他の国のワインよりも有利な関税が適用されています。2019年には、なんと関税がゼロになります。
また、温暖な気候で生まれるチリワインは、豊かな果実味が魅力。渋みやタンニンが強すぎない赤ワイン(ロッソ)はとくに人気です。和食や家庭料理に合うところも、日本で愛されている秘密の1つといえるでしょう。
チリワインの味わいの魅力
太平洋とアンデス山脈に囲まれ、南北に細長いチリの国土。ワイン産地は東のアンデス山脈と西の海岸山脈の間の渓谷に多く、標高が高いため昼と夜の寒暖差が大きく、ブドウが凝縮し、酸もしっかり残ります。
1年を通じて日照量も多く、非常に乾燥しているため、病害虫がほとんど発生せず、ほぼオーガニックで栽培できるのも大きな魅力。ブドウ品種ではとくにカベルネ・ソーヴィニヨンに関しては世界的評価が高く、ヨーロッパのワインにも負けない品質の高いワインが産出されています。リーズナブルでおいしい赤ワイン(ロッソ)を選ぶなら、まずはチリワインを手にとってみてはいかがでしょうか?
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チリワインのおもな産地とブドウの品種
チリのおもな産地は、アコンカグアヴァレー、ラペルヴァレー、マウレ・ヴァレー、カサブランカ・ヴァレー、クリコ・ヴァレーの5つのヴァレーです。
日照時間が長く寒暖差があるアコンカグアヴァレーでは、カベルネ・ソーヴィニヨンが有名。また、湿度が高いラベル・ヴァレーでは、良質のメルローが産出されています。5つのヴァレーの中でも最も冬の降水量が多いマウレ・ヴァレーは、シャルドネやメルローの名産地として有名。このほかカサブランカ・ヴァレーでは良質なピノ・ノワールやシャルドネなどが栽培されています。
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進化を続けるチリワインの現状
リーズナブルでおいしいチリワインですが、その味は今も進化し続けています。チリの生産者たちは、ヨーロッパのブドウ栽培や醸造技術を積極的に取り入れ、高品質なワインを造り出すべく日々努力を続けているのです。
また、カリフォルニアに次いでヨーロッパから進出する生産者が多いのも特徴で、このこともチリワインの品質向上に一役買っています。最近はより条件が良いテロワールを求めて、北部のワイン産地がどんどん開拓され、新たなワインが生み出されているのも注目ポイント。今後も、新しい味を探求し続けるチリワインから目が離せません。
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