京都の老舗が造った、「飲みこむ」ことに障害があってもお酒を楽しめる「バリアフリー日本酒」
株式会社北川本家(京都市)は、加齢や病気などで嚥下(えんげ)機能に障害があっても日本酒を楽しめる業界初の商品「斗瀞酒(ととろさけ) 雅香(みやこ)」の全国発売を開始しました。
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いつまでもお酒を楽しむための、業界初「バリアフリー酒」
私たちが普段何気なく行っている「ものを飲み込む」動作も、加齢や病気といった要因により、弱くなってしまうことがあります。そんな人たちにも変わらずに日本酒を楽しんでほしいという思いから、京都・伏見で360年以上続く酒造・北川本家が開発したのが「斗瀞酒(ととろさけ)雅香(みやこ)」。
京都らしい介護食を発信する「京介食推進協議会」の商品として開発された、「これまでと変わらず、お酒を美味しく楽しみたい」という願いをかなえるための「とろみ付きの日本酒」。障害のある人や高齢者はもちろん、一般の健常者でも楽しめる「バリアフリー酒」です。
企画から開発に4年を費やした「とろみ」のある日本酒
「斗瀞酒 雅香」は、天然由来の増粘剤「アルギン酸ナトリウム」を使用。日本摂食嚥下リハビリテーション学会が発表している学会分類2013の「薄いとろみ」を基準とし、純米大吟醸の風味を損なうことなく飲み込みやすい「とろみ」濃度を実現したそうです。
しかし、このような取り組みは今までの日本酒業界ではほとんど前例がなかったため、開発が難航。とろみを均一につけるために様々な業界からのアドバイスを受け、4年の歳月をかけて「斗瀞酒 雅香」は生まれました。
京都・伏見で360年以上続く酒蔵として
看板商品「富翁」で知られる北川本家は、明暦3年(1657年)に京都・伏見にて創業。宇治川にかかる観月橋のそばで鮒屋(ふなや)という宿屋を営んでいた初代が、客に提供するための日本酒を自ら造りはじめたのが最初とされているそうです。
以来360年にわたり、千年の都・京都で酒造りを続けてきた北川本家。近年、高齢化に伴い健康寿命やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の重要性が高まる中、「酒蔵として、できることはないだろうか」と考え、「できるだけ長く、無理のない範囲でお酒を楽しんでほしい」という思いにたどり着いた結果、誕生したのが今回の「斗瀞酒 雅香」です。
こんな方におすすめ
・ふだんお酒は楽しめないけれど、記念日やハレの日に家族や友人と楽しみたい
・嚥下機能に障害があり、ふつうのお酒を飲めない
・その人らしい生活を送ってもらいたい、介護施設や高齢者向け住宅
QOLをより高めるための、全く新しい日本酒「斗瀞酒 雅香」。北川本家の取り組みが、やがて全国の日本酒業界を変えていくかもしれません。
商品概要
<品目>
リキュール(日本酒を元にしていますが、酒税法上リキュール表示となっています)
<内容量>
180ml
<参考小売価格>
594円(税込)
※商品価格は記事執筆時点のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。
<原材料名>
米(国産)、米こうじ(国産米)/増粘剤(アルギン酸 Na)
<アルコール度数>
14度
<オンラインショップ>
http://www.shop-tomio.com/shopdetail/000000000359/
<商品紹介ページ>
http://www.tomio-sake.co.jp/syouhin/liqueur/10.html