老舗温泉宿がワイン醸造?家族の温もりも感じられる温泉とワインの旅へ出かけてみませんか?
1898年に長野県小諸市で創業した温泉旅館『中棚荘(なかだなそう)』。5代目荘主の富岡正樹さんは2002年にブドウ栽培を始め、5年後に『マンズワイン』での委託醸造で『中棚シャルドネ』が誕生。さらにワインを究めるべく、2018年に『ジオヒルズワイナリー』を開所。家族で力を合わせ、ワイン醸造に取り組んでいる。
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登録有形文化財指定の別邸で、夕餉とワイン
藍染めの染物屋として、北国街道沿いに建てられた旧家を移築。
ワイナリー訪問の後は『中棚荘』へ。温泉で体を温めた後、母屋から庭の階段を下りた所にある別邸の『はりこし亭』で、夕食をいただくことにしました。こちらは江戸時代末期に造られた築140年の古民家を移築したもので、国の登録有形文化財に指定されています。
2002年に移築、4年後に国の登録有形文化財となりました。
元々は藍染の染物屋。30㎝角の大黒柱などケヤキがふんだんに使用されているのは、幕末に小諸藩に納入した際、代金の代わりに譲り受けた城内の立ち木を切り出したからだとか。食事処として再生しましたが、通り土間や厨房の位置は、今も昔のままだそうです。
吹き抜けの空間には、凛とした空気が漂っています。
料理長が腕をふるった和風創作会席料理のパートナーは、もちろんジオヒルズワイナリーで醸した“中棚ワイン”。お造りなどが供される前半には、『中棚シャルドネ』を。温かい料理に移ったところで、『中棚メルロー』にスイッチ。どちらもアルコール度数は12.5%と低め。料理の繊細な味わいにそっと寄り添って、口福の時間を演出してくれました。
お造りや出汁を使った料理には、余韻の長いエレガントな酸を持つシャルドネが合います。
『中棚シャルドネ』(白・辛口)。清涼感を出すため、ステンレスタンクのみを使用しています。
肉料理はもちろん、信州サーモンの味噌漬けなどしっかり味の温かい料理にはメルローを。