今夜も、お酒を、楽しく飲みたい 日本の酒景365

あなたの街の居酒屋で、隣の街の小洒落たバーで。
誰もが名を知るチェーン店から、名も無き小さな路地裏の店まで。
日本全国津々浦々、あらゆる街の、あらゆる酒場で、
毎日毎夜生まれては消えていく、
お酒がとりもつ一瞬の景色を切り取ります。

東京MEAT酒場 武蔵小山店 美味しいミートソースやクラフトビールで人を幸せにするイタリアン酒場

誰もが気軽に入れる、大衆酒場感覚のイタリアン

都内でも住みやすい街として人気の武蔵小山。駅前の大きな商店街を通って徒歩3分、「“おっさん”でも気軽に入りやすいイタリアン酒場」をコンセプトとした 「東京MEAT酒場 武蔵小山店」 が11月11日にオープンした。

東京MEAT酒場は、浅草橋店からスタートして、武蔵小山店で4店舗目。「毎日のように酒場でお酒を楽しむ人に、健康になって欲しいという思いで、化学調味料を極力使わずに料理を提供しています」と店主の四家公明さん。調味料にもこだわった、体にやさしいイタリアンを大衆酒場の感覚で楽しめるお店だ。

▲年に1度はイタリアを訪れ、新メニュー開発のヒントを探すという四家さん。

安いだけではなく質の良いものが求められる

開店時は、他の店舗へは行かず、武蔵小山店へ毎日通勤していたという四家さん。「お客さんは、年配の方やカップルの姿が目立ちますね。あと、昼からお酒を飲む人が意外と多いのも特徴です」と教えてくれた。

▲店内に足を踏み入れると、古い歌謡曲や演歌が流れるどこか懐かしい雰囲気。

オープン記念として、生ビールを194円でサービスしたにも関わらず、通常価格の空冷式のビアサーバーで提供されるクラフトビール「J-CRAFT爽快のヴァイツェン」を注文する人も意外に多かったとか。

「1杯目から飲む人、最初は普通のビールで、2杯目以降をクラフトビールに変える人など、さまざま。たくさん飲むことより、質の良いものを求める人の方が多いのかもしれません」と分析する四家さん。

クラフトビールの生サーバー導入の理由は? との質問には「現場でのお客さんの反応から、質の良いものや価値のあるものが喜んでもらえると感じていました。工場からチルドで運ばれて、できたての味が楽しめるって、僕がお客さんでもうれしいからね」と笑顔。

▲チルド輸送された「J-CRAFT爽快のヴァイツェン」が入った空冷式サーバー。

本場で食べた経験をもとに材料探しからスタート

さっそく「J-CRAFT爽快のヴァイツェン」をいただく。専用のサーバーから丁寧に注がれると、ふんわりとフルーティな香りが漂う。

▲クラフトビールの専用グラスに注がれる。ビールは、泡なしと泡ありが選べる。

つまみは、お店の看板メニューのひとつ「牛塩モツ煮」を注文。四家さんがフィレンツェを訪れたとき市場近くの屋台で食べたモツ煮からヒントを得て、4〜5年かけて開発。オリーブオイルとパルメザンチーズがプラスされ、イタリア風に仕上がっている。

モツは、牛の第4胃袋(ギアラ)を使用。コリコリとした食感で臭みがなく、脂ものってコクがあるので、爽やかな「J-CRAFT爽快のヴァイツェン」との相性も良い。

▲大根や人参、豆腐、こんにゃくなど具だくさん。

「人気もん前菜三種盛り合わせ」も小皿料理が3種味わえるお得なメニュー。その中のひとつ「牛アキレス腱のマリネ」も、開発に4〜5年かかったものだとか。

「牛アキレス腱のマリネは、ローマの田舎町にある地元の人が通うレストランで初めて食べたんです。分厚くてゴリゴリした食感で、白ワインビネガーが利いてすごく酸っぱいけど美味しくて。これを日本人にも食べて欲しいと思ったんです」と四家さん。

▲牛アキレス腱のマリネ、肉味噌ポテトサラダ、生ハムの3種類。

この、「ゴリゴリした肉」が牛アキレス腱とは分からず、お店で聞いた「牛の足」という言葉を元に探したものの、なかなか部位が特定できずに苦労したそう。本場で食べた経験をもとに、材料探しから始めるという徹底したメニュー作りには、驚かされる。

一皿で4回楽しめる こだわりの絶品ミートソース!

お店一番の看板メニュー「日本一おいしいミートソース」は、絶対に食べておきたい。

「当初から『麺が美味しいね』と言ってくれるお客さんが、20人に1人くらいいたんです。それで、もっとたくさんの人にも麺の美味しさを知ってもらうには、どうしたらいいか考えて。ある日、『人が笑うのは、物事を逆さにしたとき』という話を思い出し、だったら逆にしてみよう!とやってみたんです」と目を輝かせる四家さん。麺を上、ミートソースを下、と逆転してみたところ、麺を先に食べる人が増え、美味しいと評判に。その新発想もお客さんの心を掴み、テレビや雑誌の取材まで来るようになった。

▲美味しくミートソースを楽しみ尽くす手順が、アドバイスとともに、各テーブルに貼られている。

まずは、先に麺を味わってみる。オリジナルの極太生リングイネは、モチモチとした食感。小麦そのものの味が感じられ、そのままでも十分美味しい。

▲バターとチーズの風味がプラスされている。

その後、下に隠れたミートソースと麺を混ぜる。「いきなり全部を均等に混ぜると、最初から最後まで同じ味で単調になってしまうので、混ぜすぎないでください」と四家さん。お皿の上で混ぜ合わせず、口内調味といって口の中で合わせるのが美味しく食べるコツだ。

▲下に隠されたミートソースを軽く混ぜ合わせる。

さらに、自家製のハラペーニョをプラスしてみる。ミートソースの甘さに、ハラペーニョの酸味と辛味が絶妙なバランスで、フルーティなビールの風味ともマッチする。

▲より複雑な風味になって、あきることなく食べられる。

麺が足りない場合は、おかわりもできる。茹で上がりで225g、決して少なくない量だが、女性でも替え玉する人は多いとか。

▲残ったミートソースに「替え玉」をのせる。

最後は、トマトスープをプラス。麺に絡んでいたチーズが、温かいトマトスープに溶け込み、トロリとした口当たりに変わる。このように一品でコースのようにミートソースを楽しみ尽くせて、満足度も高い。

▲麺が2〜3口分残ったところへ、スープを入れる。

あくなき探究心で これからも進化し続けるミートソース

お店の看板であるミートソースは、新しい小麦を見つけたらすぐに麺に取り入れたり、水分や塩の量を変えてみたり、麺もソースも日々改良しているそう。 “日本一おいしいミートソース”と言い切るための、努力は怠らない。

「社訓の『料理を通して多くの人を幸せにする』で言う“幸せ”とは、その場限りの快楽的な幸せではなく、明日に続く幸せのこと。安全なものを美味しく食べて、健康になることが、幸せにつながるんだと思います」と力強く続ける。来る人みんなを元気づけ、幸せにしてくれるお店の熱い思いが感じられた。

▲これからも美味しく進化し続けるミートソース。

  • 『J-CRAFT』

    爽快のヴァイツェン
    IWATE SAWAUCHI

    15L 銀河高原ビール

今回訪ねたお店

東京MEAT酒場 武蔵小山店

東京都品川区小山3-23-18

03-5751-7887

月〜金 16:00〜25:00(L.O 24:00)
土   11:30〜25:00(L.O 24:00)
日・祝 11:30〜24:00(L.O 23:00)

定休日:不定休