あなたの街の居酒屋で、隣の街の小洒落たバーで。
誰もが名を知るチェーン店から、名も無き小さな路地裏の店まで。
日本全国津々浦々、あらゆる街の、あらゆる酒場で、
毎日毎夜生まれては消えていく、
お酒がとりもつ一瞬の景色を切り取ります。
▲ スッキリと軽快な味わいの麦焼酎「夢ひらり」。ロックやお湯割りでも楽しめる。
お茶の香りが漂う静岡駅。みかんや鰻も有名だが、日本一のカツオの水揚げ量を誇る県でもある。日本各地で獲れた美味しいカツオがこの地に集まる。
そんな静岡で、絶品のカツオが食べられると有名なお店がある。昭和3年創業、親子3代にわたり続いてきた「 鹿島屋 」。カツオ以外にも静岡名物の生シラスや桜エビなど旬の魚介料理も揃う老舗居酒屋だ。
1階は、2〜4人で掛けられる掘りごたつと5席のカウンター。開店して1時間もせずに、お客さんで埋まる。カウンターには、カツオのあら煮や肉じゃがなど、総菜料理の大皿が並び、にぎやかで温かな雰囲気が漂う。
「地元の方も多いですが、県外からのお客さんもよくいらっしゃいますよ」と3代目店長の角田光春さん。2〜3階は、個室のお座敷になっているので、地元客の宴会なども多いそう。この日は、ドイツから仕事で来たというお客さんもいて「ここのカツオを食べたら他では食べられなくてね」と仕事で日本に来るたび、毎日のように通っていると教えてくれた。
▲ 写真左・山芋とマグロのお通しは、芽ネギがのった丁寧な一品。写真右・黒はんぺん、たたみいわし、カツオのハラモ焼きなど、宴会用の小皿にも静岡の名物が満載。
お店では12月〜1月を除き、ほぼ年中カツオの刺身が食べられる。特に9〜11月は戻りガツオと言って、脂ののったカツオが味わえる時期。カツオをメインに、セグロイワシ、カマス、地タコなどお刺身の盛り合わせは、丁寧な盛りつけで目も楽しませてくれる。
分厚く切られたカツオに生姜を少しのせ醤油をつけて口に含む。モチモチとした食感に、濃厚な旨味、臭みもまったくない。戻りガツオの美味しさを十分に堪能したら、お供には本格麦焼酎「夢ひらり」を合わせてみたい。
▲写真左・採れたての旬の魚介の盛り合わせ。写真右・よく脂ののった戻りガツオ。
「夢ひらり」は軽い酒質でクセがなく、割って飲むのに最適なお酒。ロックやお湯割りもいいけれど、せっかく静岡にきたのなら、「静岡割り」がおすすめ。静岡では、お茶割りのことを静岡割りと呼ぶほど、定番の飲み方なのだとか。「夢ひらり」の甘みにお茶のほのかな渋みが合わさり、さっぱりとして食中酒にぴったり。焼酎ビギナーでも飲みやすい味わいだ。
静岡の用宗漁港で獲れたという生シラスもお店の人気メニューのひとつ。つやつやと輝き、透明なシラスは新鮮そのもので、とろけるような食感と甘みは、産地でしか食べられない格別な味だ。桜エビは、カラッと揚がったかき揚げで。エビの殻を感じさせない柔かさでサクサクと食べられ、噛むと旨味が口に広がる。
▲トロリととろける生シラスとカリっと揚がった桜エビのかき揚げ。静岡ならではの美味。
カツオに並ぶ、もうひとつのお店の名物「牛鍋」も味わってみてほしい。肉は、柔らかい肉質の霜降りの国産牛リブロース。焼き豆腐、白菜などの具を割り下と一緒に煮込む関東風のすきやき。初代から続く伝統のメニューなのだ。特製の割り下が、肉と絡んで濃厚な旨味を引き出す。そこにスッキリとキレの良い「夢ひらり」の静岡割りを飲むと、食事もお酒もどちらもすすむ。名物料理を味わっているうちに、ボトルのお酒がどんどん減っていた。
▲角田さんの祖父が牛鍋発祥の地と言われる横浜出身だったことから、いち早く牛鍋を取り入れた。
「鹿島屋」という店名は、武道の神様として有名な鹿島神宮が由来。角田さんの祖父にあたる初代は、剣道の師範も務める居合いの達人だったとか。
「剣さばきと包丁さばきが共通しているのかは分かりませんけど、祖父は、誰にも真似できないカツオの切り方をしていたと言われています」なつかしそうに初代の話をしてくれた角田さん。カツオの厚切りも当時からの流儀で、値段もほとんど変えずに提供しているそう。
▲ 「祖父のような包丁さばきは、とてもじゃないけど真似できませんね」と言って笑う、穏やかな人柄の角田さん。
角田さんは、小さい頃から初代の姿を見て育ち、20歳から料理の道へ。「面白いことにお店も3代続くと、お客さんも3代続くんですよ」と角田さん。代が変わっても変わらぬ味で、お客さんに満足してもらいたいと語ってくれた。4代、5代と続いていく「鹿島屋」も、また見てみたい。
福徳長酒類
本格麦焼酎
夢ひらり
900ml