あなたの街の居酒屋で、隣の街の小洒落たバーで。
誰もが名を知るチェーン店から、名も無き小さな路地裏の店まで。
日本全国津々浦々、あらゆる街の、あらゆる酒場で、
毎日毎夜生まれては消えていく、
お酒がとりもつ一瞬の景色を切り取ります。
大阪の繁華街、梅田。その梅田に新名所として2013年にできた複合施設、グランフロント大阪は、平日はビル内のオフィスで働くビジネスマン、休日はショッピングを楽しむファミリー層や観光客などで賑わっている。和食や中華、フレンチなど、さまざまなレストランが並ぶ北館6階のウメキタフロアに、スペインバル「 ラ カスエラ ロハ 」がある。
スペインでは、タパス(小皿料理)をつまみながら、ゆっくり時間をかけて夕食を楽しむ文化があるそうです。そんなスペイン人のように、気軽にお酒を飲んでゆっくりしていって欲しいですね」と店長の延原正気さん。ワインを片手に、タパスやアヒージョを味わい、最後はパエリアで締めるという、スペイン流の楽しみ方を教えてくれた。
お店に一歩入ると、店内の壁や床は温かみのある赤一色。ランダムに交差した木が天井に張り巡らされ、間接照明の光で複雑な影が浮かび上がる。この内装デザインは、著名なインテリアデザイナー・野井成正氏が「時間を忘れる」というコンセプトで手がけたもの。壁には、スペインの美しい風景写真が飾られ、アートギャラリーのような非日常の空間に圧倒される。
▲写真左・スペインの情熱の赤が表現された店内。写真右・スタッフ手描きの黒板POP。
「1杯目は、『こぼれスパークリング』を注文するお客さんがほとんどですね」と延原さん。こぼれスパークリングは、250ml入るグラス(3杯でなんと、ボトル1本分!)に、スパークリングワインを、溢れそうなほど注ぐお店の名物メニューだ。これを3〜4杯飲むというお客さんも多いと言うから驚きだ
開業時にスタッフが、スペイン産を中心に、20種類以上のスパークリングワインを飲み比べ、お店の看板メニューにふさわしいと選んだのが、セグラヴューダスの「ブルート レゼルバ」と「ブルート ロサード」。香り、口当たり、喉ごし、そのすべてにおいてバランスが良かったこと、シャンパーニュ同様の瓶内二次発酵など、製造行程でも手間暇かかった商品であることが決め手になった。
「スパークリングを注ぎに行くと、お客さんから『こぼして!こぼして!』とリクエストされるんです。そんなときは、ワザとこぼすなんてことも。そうするとお客さんからも歓声があがって、盛り上がるんです」と延原さん。「本当に手元が狂ってこぼしてしまうこともあるんですけど、みなさん許してくれますよ」と笑う。お客さんもスタッフもおおらかで、ノリが良い。
▲名物「こぼれスパークリング」は、「セグラヴューダス」のブルートレゼルバ(辛口白)、ブルートロサード(ロゼ)から選べる。
そのほか、溢れそうなほどフルーツがのった「自家製サングリア」や、レモンシャーベットに「セグラヴューダス ブルートレゼルバ」を注いだ「ソルベスパークリング」もおすすめ。どちらもフルーティで甘すぎず、男女問わず人気だそう。
▲手前がレモン風味が爽やかな「ソルベスパークリング」、奥がフルーツたっぷりの「自家製サングリア」。「ラ カスエラ ロハ」のオリジナルメニュー。
華やかで爽快なスパークリングを味わいながら、まずは、スペイン流にタパス(小皿料理)を注文。野菜のトマト煮のピストや、アイオリポテトなど、日替わりで10種類ほどあるタパスは、何人かでシェアするなら5種盛り合わせがおすすめだ。スパイシーで濃い目の味付けが特徴的なスペイン料理は、スパークリングとの相性抜群。
▲ 「カスエラプレート〜始まりの気まぐれタパス5種盛り合わせ〜」内容は日によって替わる。
続いて「エビのアヒージョ」をいただく。店名の一部にも使われている「カスエラ」とは、アヒージョ用の鍋のこと。たっぷりのオリーブオイルとニンニクで煮込まれた海老が、グツグツした小鍋のまま登場。このオイルにバゲットを浸して食べると、凝縮された海老の旨味まで、余すとこなく味わえる
お店自慢の「パエリア」は、おすすめ通り、締めにいただきたい。ムール貝やイベリコ豚、きのこなどがたっぷりのった具沢山な一品だ。レモンを絞って爽やかな風味にしたり、ニンニクのきいたアイオリソースを合わせて濃厚な味わいをプラスしたり、好みに合わせて楽しめるのもうれしい。
▲写真左・スパイシーな香りが広がる「海老のアヒージョ」。写真右・ブイヨンからすべて手作りしている「海の幸と山の幸のミックスパエリア」。
お店をオープンして3年半。「上の階にオフィスが増えてから、仕事終わりに来てくれる20〜30代の若い人たちが増えてきましたね」と延原さんが教えてくれた。ウメキタフロアには、遅くまでお酒が飲める店が多いということが、認知されてきたのだと言う。
▲「今後は、お客さん同士仲良くなれるようなイベントも考えています」と延原さん。
お店が混んでくると、知らないお客さん同士がテーブルを超えて会話を楽しむ姿が見られる。陽気で開放的なお店の雰囲気が、人と人との距離を近づけるのかもしれない。ノリのよいやり取りや笑い声が響く気さくな空間。本場スペインにも負けない太陽のような明るさに、仕事の疲れも吹き飛びそうだ。
セグラヴューダス
ブルート レゼルバ
750ml
セグラヴューダス
ブルート ロサード
750ml
セグラヴューダス
ブルート レゼルバ
エレダード
750ml