【人気の地ウイスキー】地ウイスキーの基礎知識

【人気の地ウイスキー】地ウイスキーの基礎知識
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「地ウイスキー」とは、「地酒」や「地ビール」と同様に、地方の小規模なメーカーが造るウイスキーのこと。小規模ならではの独自のこだわりから、国内のみならず、世界のウイスキー愛好家から注目を集める、日本の地ウイスキーについて紹介します。

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地ウイスキーブームが到来中!

地ウイスキーブームが到来中!

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「地ウイスキー」とは、ひとことでいえば、地方の小規模な蒸溜所で造られる少量生産のウイスキーのこと。大手メーカーが生産するウイスキーとは一線を画した、造り手のこだわりを込めたウイスキー造りが、近年、世界のウイスキー業界の新しいトレンドとなりつつあります。

ウイスキーの生産地といえば、スコットランドやアイルランド、アメリカといった地域がまず挙がりますが、いま、世界のウイスキー愛好家の注目を集めているのが、日本の地ウイスキーです。

日本のウイスキー市場は、サントリーとニッカウヰスキー(アサヒビール傘下)の大手2社だけで約9割ものシェアを占めていて、それ以外の地ウイスキーメーカーは全国でも10社ほどしかありませんでした。
とはいえ、日本酒や焼酎、ビールなどとあわせてウイスキー造りにも取り組む「総合酒類メーカー」や、小規模ながらも世界的な知名度を誇るウイスキーメーカーなど、シェアだけでは計れない存在感を発揮している地ウイスキーメーカーも存在します。

近年では、ジャパニーズウイスキーへの世界的な評価の高まりや、国内でのウイスキー人気の再燃を背景に、新たにウイスキー蒸溜所を立ち上げる動きも広がり、2024年4月現在は、ウイスキー蒸溜所の数は全国で100ヵ所以上に増えています。

地ウイスキーブームにわいた1980年代

地ウイスキーブームにわいた1980年代

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地ウイスキーが最初のブームを迎えたのは、日本経済が黄金期を迎えた1980年代のことでした。

日本にウイスキーが定着し始めたのは、高度成長期と呼ばれた1950年代~60年代のこと。大衆的な洋風バーの登場や、水割りの普及などによって、ウイスキーの存在が身近なものとなりました。とはいえ、当時はウイスキーといえば高級酒というイメージがあり、「ジョニ黒」「バランタイン」などは、サラリーマンが一度は飲みたい憧れの存在でした。

1971年にウイスキーの輸入が自由化されると、ようやく庶民にも手の届く存在となり、洋酒ブームが到来。この流れを受けて、サントリーやニッカといった大手に加え、国内各地で小規模メーカーが独自のウイスキー造りを開始。それぞれの個性を競い合うことで、1980年代の地ウイスキーブームが花開いたのです。

第一次地ウイスキーブームの牽引役となったのが「北のチェリー、東の東亜、西のマルス」と呼ばれる3社。すなわち、「チェリーウイスキー」の笹の川酒造(福島)、「ゴールデンホース」の東亜酒造(埼玉)、「マルスウイスキー」の本坊酒造(鹿児島)です。どの銘柄も、当時を知る人にとっては忘れられない印象が残っているはずです。

その後、1989年の酒税法改正によって2級ウイスキーが値上げされると、国内のウイスキー市場は「冬の時代」を迎え、地ウイスキーメーカーの廃業や生産休止が相次ぎました。
いったん終了を迎えた地ウイスキーブームは、その後、約30年の時を経て、再起の時を迎えることになります。

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地ウイスキーを活性化させたジャパニーズウイスキー人気

地ウイスキーを活性化させたジャパニーズウイスキー人気

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地ウイスキーブームの終焉により、下火となった全国の地ウイスキーですが、近年、新たな息吹が生まれつつあります。その背景には、国内外におけるウイスキー市場の環境変化があります。

そのひとつが、海外におけるジャパニーズウイスキーへの評価の高まりです。
近年、世界のウイスキー市場で人気を集めているのが、蒸溜所ごとの個性をたのしめる「シングルモルト」。サントリーの「山崎」や「白州」。ニッカウヰスキーの「余市」や「宮城峡」など、日本が誇るシングルモルトウイスキーは、国際的なコンペティションにおいて高い評価を獲得。日本人の繊細な感覚と職人気質の「こだわり」が人気を集め、海外のバーや酒屋さんにも並ぶようになっています。

一方、国内においても、若者を中心としたハイボール人気や、NHKの連続テレビ小説「マッサン」などの影響で、国産ウイスキーへの注目が高まっています。

こうした背景のもと、独自のウイスキー造りに挑もうという動きが国内各地で再燃。なかでも、東亜酒造の創業者の血を引く肥土伊知郎氏が創設したベンチャーウイスキーは、品質重視のウイスキー造りが国際的にも高い評価を獲得。自身の名を冠した「イチローズモルト」は世界のウイスキー愛好家から熱い視線を集めています。

同社のほかにも、新たなウイスキー蒸溜所を設立したり、一時は休止していたウイスキー造りを再開したりと、日本の地ウイスキー造りが再び活況を呈しています。
第二次地ウイスキーブームはまだ始まったばかり。これからのさらなる発展がおおいに期待されます。

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地ウイスキーブームは、「ほかの誰にもできないウイスキーを造りたい」という造り手の情熱と、「個性豊かなおいしいウイスキーをたのしみたい」という飲み手の意欲、双方によって支えられています。地ウイスキーにかかわるニュースに積極的に耳を傾け、地ウイスキーブームをさらに活性化させましょう!

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