焼酎はプリン体・糖質がゼロって本当?その秘密と飲むときに気をつけたいポイントを確認

焼酎はプリン体・糖質がゼロって本当?その秘密と飲むときに気をつけたいポイントを確認
出典 : a_island / PIXTA(ピクスタ)

焼酎はプリン体ゼロで知られるお酒でもあります。プリン体は体にとって欠かせない物質ですが、摂りすぎたりお酒を飲みすぎたりすると痛風の原因となる尿酸に分解されてしまうため、注意が必要です。ここでは、焼酎とプリン体の関係や、プリン体ゼロの焼酎をたのしむコツなどを紹介します。

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焼酎はプリン体も糖質もゼロのお酒。ダイエットや健康に気づかう人の間でも人気のお酒ですが、気をつけるべきポイントがあるのも事実です。くわしくみていきましょう。

焼酎はプリン体ゼロのお酒

焼酎はプリン体ゼロ

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焼酎はプリン体ゼロのお酒として注目されていますが、そもそもプリン体とはどんな物質なのでしょうか。気になる糖質の含有量についてもみていきます。

そもそもプリン体とは何?

プリン体とは、遺伝子情報を担う核酸の主成分で、筋肉を動かすときに使われるエネルギー伝達物質を構成する成分でもある、ヒトの体には欠かせないものです。

プリン体=体に悪いもの、というイメージを抱いている人がいるかもしれませんが、それはおそらく、本来のはたらきに利用されなかったプリン体が肝臓で尿酸という老廃物として分解されるという情報のためでしょう。尿酸は腎臓から尿と一緒に排泄されますが、なんらかの理由で血中の尿酸が異常に高くなり、その状態が続くと、痛風発作を引き起こす可能性があります。

プリン体は、直接体に悪さをするわけではありませんが、痛風のリスクを下げるためにも、尿酸の元となる「使われなかったプリン体」を増やさないようにすること、つまり、プリン体の過剰摂取を避けることが重要です。

一般社団法人 日本痛風・尿酸核酸学会が編集する「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」によると、プリン体の1日の摂取量は400ミリグラム程度が推奨されています。プリン体というとビールを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、肉や魚介類、干物などの食品中にも多く含まれているので、バランスのよい食事を心がけることも大切です。

(参考資料)
2019年改訂 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 ダイジェスト・ポケット版

プリン体は食品にも含まれている

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焼酎はプリン体だけでなく糖質もゼロ

公益財団法人 痛風・尿酸財団が公開している「アルコール飲料中のプリン体含有量」をみてみましょう。

焼酎:0.0ミリグラム
ウイスキー:0.1ミリグラム
ブランデー:0.4ミリグラム
日本酒:1.2ミリグラム
ビール(地ビールを除く):3.3~6.9ミリグラム
発泡酒:2.8~3.9ミリグラム
紹興酒:11.6ミリグラム
※プリン体カット済みの商品を除く

(参考資料)
公益財団法人 痛風・尿酸財団|アルコール飲料中のプリン体含有量

焼酎やウイスキー、ブランデーなどの蒸溜酒に含まれるプリン体はごく微量だということがわかりますが、なかでもプリン体含有量がゼロなのは焼酎だけ。焼酎はそのうえ糖質もゼロなので、プリン体が気になる人や糖質制限中の人が健康を気づかいながら飲めるお酒として、注目を集めています。

焼酎がプリン体ゼロになる理由

焼酎がプリン体ゼロになる理由

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焼酎の原料に使われる米や麦には、プリン体が含まれていますが、できあがった焼酎のプリン体はゼロです。その理由は、蒸溜酒ならではの製法にありました。

焼酎は蒸溜という工程で原酒となるアルコールを抽出しますが、プリン体や糖質など原料由来の成分はこの段階で取り除かれてしまうため、貯蔵、割り水、ろ過などの工程を経て瓶詰めされたあとも、プリン体ゼロ・糖質ゼロなのです。

プリン体ゼロの焼酎に注目が集まるのはなぜ?

焼酎と日本酒のアルコール度数の違い

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いつまでも健康体でお酒と上手につきあっていきたいと考えている人なら、少しでもリスクを減らせるお酒を選びたくなるもの。プリン体ゼロ・糖質ゼロの焼酎に注目が集まるのは、おいしさや飲みやすさに加えて、「体によさそうなイメージ」があるからなのかもしれません。

たしかに、適切な飲酒量を守っている間は、プリン体ゼロにこしたことはありません。しかし、飲酒量が増えてしまうと、プリン体ゼロの焼酎を選ぶ意味がなくなってしまいます。なぜなら、アルコール自体に尿酸値を上げるはたらきが認められているからです。

(参考資料)
厚生労働省 e-ヘルスネット|アルコールと高尿酸血症・痛風

焼酎はプリン体ゼロだから痛風でも飲んでいい?

焼酎と日本酒のカロリーと糖質

Sorapop / PIXTA(ピクスタ)

焼酎はプリン体ゼロですが、痛風を発症している人にはあまりおすすめできません。理由をみていきましょう。

プリン体がゼロでも飲酒することで尿酸値が上がる

焼酎はプリン体がゼロといっても、アルコール分を含んでいます。アルコールは生命活動に不可欠なATP (アデノシン三リン酸)という物質の分解を促し、結果的にプリン体を増やします。最終的には尿酸となって体内に蓄積されるため、尿酸値は上昇傾向に。さらにお酒を飲み続けると、腎臓から尿酸が排泄されにくくなるという悪循環に陥ることも。

血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えると「高尿酸血症」と診断され、これを放置すると痛風になるおそれがあります。すでに痛風の症状が出ている人は治療を優先し、医師と相談しながら飲酒の機会と適量を探るようにしてください

焼酎はプリン体ゼロでもカロリーゼロではない

焼酎はプリン体ゼロ・糖質ゼロですが、カロリーがゼロというわけではありません。お酒に含まれるアルコールは、1グラムあたり7.1キロカロリーのエネルギーを産生するため、摂取したアルコール量(純アルコール量)によっては、カロリーの摂りすぎになることもあります。

尿酸値は体重が急激に増えると上昇するといわれています。とくに肥満の状態ではインスリンが効きにくくなり、尿酸の排泄が妨げられるため、注意が必要です。

健康に気づかう人がプリン体ゼロの焼酎をたのしむコツは?

プリン体ゼロの焼酎をたのしむコツ

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プリン体ゼロの焼酎を健康的にたのしむコツを紹介します。

飲みすぎ注意! 適度な飲酒量を心がけよう

お酒を飲むと体内の尿酸値が増えますが、適切な飲酒量を守っていれば、痛風など生活習慣病のリスクを軽減することも可能だといいます。

厚生労働省の健康日本21では、1日平均純アルコール量約20グラム程度を「節度ある飲酒」としています。といっても、この数値はあくまで健康な成人男性の目安で、年齢や体型、体質などによって個人差があります。女性や65歳以上のシニアの方はより少ない量を心がけ、適量を守りながらお酒をたのしむようにしてください。

「節度ある飲酒」については、以下の記事が参考になります。

(参考資料)
厚生労働省|健康日本21(アルコール)>アルコール

気をつけておきたいのが、おつまみの種類です。
肝臓に負担をかけないためには、おつまみと一緒にたのしむことが大切ですが、お酒のアテとして人気の白子やかにみそ、生ハム、サラミなどは、プリン体含有量がやや高め。また、お酒に合う料理の食材にもプリン体が多めのものがあります。レバーやカツオ、カキなどがその一例です。尿酸値が高めの人は、栄養バランスを考えながら、プリン体の摂取量を調整してみてくださいね。

(参考資料)
公益財団法人 痛風・尿酸財団|食品中プリン体含有量(mg/100g)

プリン体ゼロにこだわるならホッピーがおすすめ

出典:ホッピー公式ホームページ

焼酎×ホッピーもおすすめ!プリン体ゼロという魅力を活かした飲み方

水分を多く摂ることで尿の量が増え、体内から尿酸を排出しやすくなるといわれていますが、アルコールには利尿作用があるため、水分を摂っているつもりでいても外へ排出されてしまい、体内の尿酸値が上がってしまうことがあります。

焼酎などのお酒を飲むときは、お酒以外の水分も一緒に摂るよう心がけましょう。水やお茶などのノンアルコール飲料で割って飲むのもいいですね。ただし、果糖を含む甘い飲み物には、血中の尿酸値を上げる作用が認められているので、注意が必要です。

おすすめは、焼酎×ホッピーの組み合わせ。
ホッピーとは、ホッピービバレッジが手がけるビアテイストの発酵飲料。低カロリー低糖質でプリン体もゼロなので、「ビールが好きだけど、尿酸値が気になる」「健康にも気づかいたい」という人には一押しです。

焼酎にプリン体は含まれていませんが、たくさん飲んでしまえば、痛風など生活習慣病のリスクが高まります。節度ある飲酒を心がけ、またおつまみや割り剤との組み合わせを工夫して、末長く焼酎ライフをたのしみたいものですね。

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